雪知らず
私の生まれ故郷は、あまり雪が降らない。
そして、今住んでいる地域もまた、雪が極端に降らない地域である。
だからこそ、雪が降ると新鮮な気分になる。
その日は、予報にない雪だった。
雨が降っていると思ったら、いつの間にか雪に変わっていた。
信号待ち、私はそれをじっと眺めていた。
雪は、雨のように真っ直ぐ落ちない。
ふわふわ、或いはひらひらと、空を舞いながらゆっくり落ちてくる。
雪の落ちる様子をじっと眺めていると、自分の時間が段々とスローモーションになっていくように感じる。
そして、真っ白な雪と灰色がかった曇が、世界をモノクロに変えていく。
ふと、時間が止まるような感じがした。
自分の周りが白黒写真になったかのような…そんな感覚。
うまく言葉にできないのが悔しいが、すごく不思議な感覚に包まれたのだ。
信号が青に変わり、我に返った私はいつも通り歩き出す。
ここまで色々書こうとして、何だか迷走してしまった。
もう少し上手く書ければよかったのだけれど…
要するに、雪が降って、不思議な感覚を得た。ただそれだけの話。