ルー・テーズ考察

「ルー・テーズ?これまた懐かしい名前を・・・」

と思った人もいるかもしれません。ルー・テーズとは昭和の時代に活躍したアメリカのプロレスラーで「鉄人」の異名を持ち、20世紀最大のレスラーと評価されています。16歳でプロデビュー、21歳で最年少タイトル獲得、最盛期は公式戦936連勝(非公式戦含めると2千戦)という大記録を打ち立てています。

よく梶原作品に出てくる

タイガーマスク、空手バカ一台、男の正座など、梶原作品を読んでいると度々登場してくるこの方。「スーパーファイアープロレスリング3」のラスボス「R・J・フェイズ」としても登場し、1プレーヤーとしても全然勝てなくて苦渋を飲まされてきました。純粋に、なんでこんなに強い人が誕生したんだろう?と最近ふと疑問に思うようになりました。

ネットでは納得いく答えは得られない

当然、「なぜルーテーズはあんなに強かったのですか?」という質問はネットに投稿されているのですが、どの回答も的を得ません。

「xxの方が強い」「プロレスだからブックもあったんでしょう」「現代じゃ通用しない」とか。

違う。聞きたいのはそういう事じゃない。自分が聞きたかったのは、「なぜ怪物がひしめき合うアメリカマットで、ルーテーズが長期政権を打ち立てることができたのか?」という事。これは自分なりに納得いく仮説を出すしか無いと思いました。

自分が考えた仮説

結論から言うと3点。「運が良かった」「負けないための技術を学んでいた」「大変クレバーだった」から。

この2点に集約されるのではないかと思っています。

運が良かった

鉄人ルー・テーズ自伝 (講談社+α文庫)を読むと、最初ルーテーズは素質はあったものの、プロになるつもりはなく、父親の靴屋を継ぐつもりだったと言います。家業を手伝いながら、レスリングジムに行くという生活だったようです。ところがその才能をあるレスラーに見出され、プロ養成のジムに行く事になり、そこで一流のレスラーと知り合い、特訓してもらう、さらに行く先々で超一流のトッププロと出会い、そこで鍛えてもらい20になるまでにはほぼ全ての要素が完成されていたたといいます。漫画の主人公かよ!という位ご都合主義で笑ってしまいました。才能があるから見出されたのでしょうが、才能があるレスラーは掃いて捨てるほどいたようです。彼は「運」がずば抜けて良かったのです。

負けないための技術を学んでいた

いくらプロレスに「ブック」があったとしても、しがらみ、思惑、アクシデント、不意打ちがあったと予想されます。そりゃあ誰だってタイトル欲しいでしょ。不意打ちしてでもタイトル取りたいと思うレスラーが何人かはいるでしょう。注目したのは師匠から得られた主な技術というのが関節技と不利な体制からの脱出ムーブだったと言う事。勝つのではなく負けないための技術をトッププロから吸収していたようです。また、喧嘩ファイトにも非常に強く、相手がルールやブックを破りそうになった時には「観客には分からない、地味だけど喰らったらキツすぎる裏技」をお見舞いして、相手をビビらせていたようです。決して不利を取られない、常に自分が上にいるということを「相手に分からせる」ことが上手だったのではないかと推測しています。

大変クレバーだった

子供の時に親友を激昂させてしまい、ボコボコに殴られたという経験から、「人を信頼しない」というマインドを身につけます。これが実はルーテーズを形作った本当の強さなのではないかと。つまり、

・自分の弱みを見せない

・無用なトラブルを自分から起こさない

・相手の顔を不用意に潰さない

強さは超一流でも、自分で破滅に向かっていったレスラーは数多くいます。試合中だけでなく、試合外でも自分をどう見せるか、どう振舞うかという事を徹底的に管理していた事に加え、状況に応じて相手を立てるという事もやっていたようです。とてもクレバーな立ち振る舞いです。テレビの時代になり、地味なSTFから見栄えして本物の実力がないと出せない技、バックドロップを自分の必殺技に設定し直したことから、自己ブランディングということもきちんと考えていたようです。

自分が学んだ事

とりあえず、ルーテーズの21才の頃の筋肉がめちゃくちゃカッコ良かったので、筋トレを再開しようと思います!

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