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宮崎出身
若かったとき、映画や小説のなかの情景を真似しながら、お酒を飲んでいた。いまもその気持ちは変わらない。お酒はカッコよく飲みたい。
そんな真似の対象の中に、父の姿もあった。
僕のバーは8年前から始まった。
今はスコッチやバーボンといったウィスキーを中心に一般的なバーの品そろえだ。今は全般的にハイボールの人気が高い。
ただスタートは今の店の形式ではなかった。
最初は、宮崎焼酎を出すダイニングバーだった。洋酒はなかった。
しかも、宮崎焼酎限定である。
なぜそうしたかというと、
それは僕が宮崎生まれだからで、理由は単純だ。
本格焼酎の本場は、南九州の宮崎県と鹿児島県だが、昔から鹿児島焼酎のほうが有名だった。
おそらく宮崎焼酎限定のバーは珍しいと思う。
ただ近頃は焼酎バーは一時期からはだいぶ減っている。それはウィスキーの復権によるものだ。
この辺の話は一旦置いておくことする。
宮崎焼酎自体の説明は今日はしない。
今では僕自身も、焼酎はあまり飲まなくなったが、店でおいしい焼酎を飲みたいと言われれば喜んで説明をする。自分でもよくわからないが焼酎の話をするのが好きなのだ。洋酒と違って、焼酎を飲む情景が身近にあったからかもしれない。
そして焼酎を飲む情景は、酒場の情景ではなく、
思い浮かぶのは、父が家で晩酌をする情景だ。
焼酎といえば父がしていた晩酌のスタイルが僕のイメージの中心にある。
でも僕自身は晩酌はしない。
自分の店で焼酎の飲み方を話すとき、父が語っていたことと父自身のことを元に話している。そんな話を以前書いた。
父の焼酎とのつきあいかたを書いている。詳しいことはこれを読んでほしい。
僕が知っている限り、焼酎の飲み方は、父の飲み方が一番カッコよかった。
僕の身の回りで知っている限り、父は一番の焼酎好きだった。
今も、あの父の晩酌の情景をありありと思い出す。