バーンアウト症候群で休職している同僚は新型うつ病にも見えますが…
【お返事】その方の成育歴とか聴かない分かりませんが、仕事の話では暗い顔だが、最新のファッションとメイクをしていたり、仕事以外の話では元気なご様子、質問者さんのいうように「新型うつ」かもしれませんね。
※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼
※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。
■新型うつ病とバーンアウト症候群の違い
新型うつ病とバーンアウト症候群は併発はしません。何が違うかというと、
新型うつ病は思春期
バーンアウト(燃え尽き)症候群は成人期
この違いです。こころの発達段階が違うのですね。
■新型うつ病への対応
新型うつなら、その人への仕事を軽くして、責任が発生する仕事から外して、厳しい目がない部署へ移動させることが一番のサポートになるでしょう。
◇新型うつ病と普通のうつ病との違い(質疑応答)
この記事の後、こんな質問もいただきました▼
【お返事】休職中に最新のファッションやメイクをしていると新型うつというわけではありません。あのケースは、「仕事以外の話は活発なのに、仕事の話になるとトーンダウンする」ところが問題点なのです。
本当のうつ病なら、仕事以外の話もトーンダウンしているのです。全体が非活発なのです。希死念慮もあります。
話題よって、イキイキしたり抑うつっぽくなったり、というところに新型うつっぽい感じを感じました。
新型うつの人は責任感がほぼありません。本当のうつ病の人は、バリバリに責任感を背負って、その重圧に押しつぶされています。仕事へ行けていない自分を申し訳ないと思っています。ですから、出勤時間になる朝方が一番ヘビーで、帰宅時刻になる夕方以降が比較的楽になります。
質問者さんの知人の方の、行動パターンや性格を考えて、うつになる直前の生活ぶり(負荷がかかりすぎていたのかどうか)を見て行くと、医者だったら、新型うつかどうか判断できるでしょう。
しかし、どちらのうつにしても、抑うつっぽいところがあるのは事実でしょうから、やさしく接してあげてくださいね。なんらかのストレスがかかって、ダウンしたのは本当のことなんでしょうから。
■うつ病への一般的な対応
復帰環境の調整は、普通のうつ病の人でも同じですが、普通のうつ病の人は休職前の部署から出発して(環境を変えない)、だんだんと荷重をかけていきます。
しかし新型うつの人は、その「荷重かけ」ができません。永遠に楽な仕事を与え続けるしかないでしょう。根本的には、思春期を脱出させるカウンセリングが必要ですが、簡単ではありません。
■バーンアウト症候群への対応
バーンアウト症候群は燃え尽き症候群ともいわれ、うつ病のような印象もあります。慢性疲労症候群ともかぶってくるところもあるでしょう。そして、実は、愛着障害ともかぶるところがあるのです。
ですから、バーンアウトの理由は数々あるということです。バーンアウトの内容や本人の特性・成育歴などを詳細に検討しないと、その対応策が見えてきません。一筋縄でいかないところが症候群ですね。バーンアウトは症候群であって、精神疾患であるうつ病とは違うところですね。両者を比べることは難しいですね。
◇バーンアウト症候群の定義
もともとは医療関係者の陥る心理状態を説明するものとして、フロイデン・バーガーによって提唱された(1974年)▼
自分が最善と信じて打ち込んできた仕事、生き方、人間関係が期待外れに終わったことを経て、心的に疲弊状態に陥ること。マスラックによる定義の改訂(1981年)▼
長期間にわたる援助活動によって精神活力を過度に要求されたために生じる、心身の消耗と感情の枯渇を示す症候群
詳しくは下記の記事をご覧ください。バーンアウトチェックリストや燃え尽きないためのコツ▼を紹介しています。
■まとめ
新型うつは思春期、バーンアウトは成人期。
新型うつは、責任の発生しない部署に配置換え
うつ病は、元の部署の仕事をしつつ、しだいに荷重をかけていく。
バーンアウトの理由は数々あるので、その理由を明確にして、それにあったケアをしていく。
◇ラジオのおやすみ談話室:北風の強い寒い一日でした。春になったら、荷物を片付けて、だんだんと思い出を捨てて、ついには離れていく。すると新しいものが入ってくるでしょう☺
⇒解決しない悩みのある方は、ソレア心理カウンセリングセンター へご相談ください。
Twitter でも発信しています。フォローいただくと、発信ばかりでなく質問箱のQ&Aを見ることもできます。【Twitter】→ https://twitter.com/soleapsy