シンシンと降る怒りを黙って感じていたい|頭が冴えて力がみなぎるから、スッキリするのはもったいない
怒りの取り扱い中級編です。これまでの初級編では、怒りはフレッシュなうちに出しておくのがいいということでした。つまり、ためこまないことです。
しかし、怒りのパワーを利用する必要があるときは、怒りをしみじみと感じていることも必要です。何か目標を定めているときは、その怒りを温存させておくことも必要です。
例えば、PTSDになっている事(人)と対決するときは、無尽蔵の怒りのパワーを結集させます。相手がサバイバルナイフを持って襲いかかってきたとき、冷静な判断とともに、怒りを放出させながら戦闘態勢に転じるためです。これによってトラウマを回避できます。
怒りの温存については、なかなか言及する人がいないのですが、今回いただいた質問箱には「それ!」が書いてありました。この方の質問の紹介だけで価値は十分ですが、みなさんと共有するために、私の補足説明も付けました。
※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼
※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。
■【ここぞ!】というときのための怒り(中級編)
「怒りによって頭が冴えてきて力がみなぎってくる、人に話してスッキリするのはもったいない」というのは、とても良い状態です。怒りの感情を150%くらい(笑)上手に使えています。
そして、その「シンシンと降る怒りを黙って感じていたい」これはマインドフルネスの極致でしょう。素晴らしい。シンシンというのは、シンゴジラの2倍、シンXシンですね。パンダの名前じゃありません笑。
このシンシンとした怒りのパワーがあるからPTSDなどが癒されるんですね。怒りは自己主張ですので、それがないと物事が始まりません。それくらい大切な感情です。
どうぞ、その怒りに対するスタンスをそのままに、日々の生活をお過ごしください。
◇挫折を乗り越えるときも怒りが必要
挫折の乗り越え方について質問をいただきました。このときも挫折の彼方で明滅する怒りを呼び寄せるといいでしょう。
【お返事】挫折は誰しも体験するものです。挫折した瞬間は唖然として無気力状態に放り込まれますが、しばらくしたら、自分のこころの奥の方で小さな怒りを感じるかもしれません。これが挫折から乗り越えるための、あなたの行動力の火種(ひだね)になります。
上で解説した怒りのときのように、挫折したときに感じる怒りを、シンシンと感じていることです。「頭が冴えて、気が張って、力が湧いてくる」までそれを感じていることです。このパワーが次の行動につながるでしょう。
■すぐに出そう【フレッシュな怒り】(初級編)
怒りを感じたときには、すぐ出してしまえば、10秒も立たないうちに昇華していきます。これが日常の怒りの取り扱い方の定番です。シンシンと照準を定める必要はありません。
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怒りの簡単なトリセツ|すぐ表現し、人に頼りながら、地域で子育て
■シンシン(深々)と感じていること
さみしい感情も、怒りの取り扱い方、中級編であったように「シンシンと降るさみしさを黙って感じている」のがいいでしょう。
【お返事】質問者さんのお答えは、すべて素敵です。その時の自分に合ったものを選択してください。
自分に合ったものを、TPOに合わせて選択できるようになること
これが「豊かな人間になる」一つの方法かもしれませんね。そして、
深々(しんしん)と降るさみしさを黙って感じている
これをラストの選択肢として入れてみてください。
次の質問は、空虚の感情についてです。この取り扱いも、怒りやさみしさと同じです。
【お返事】怒りのあとの絶望と空虚さは、これらはすべて感情なので、いつかは通り過ぎます。澱みに停滞することはありますが、いつかは通り過ぎます。
その結果、あきらめの地に到着します。自分であきらめるのではなく、あきらめの地に到着するのです。自然と。
そういうあきらめまでを体験することが、元気へ転じるキーになります。あきらめは感情なので、いつかあなたも出会うでしょう。それまでは、日々の生活の中を流れていましょう。これがいつになるかは分かりません。しかし、ポイントはあります。
十分に空虚を感じたあとに、かなしみの泉がわき出して、その後、スッとあきらめが忍び込んできます。
ここでいうかなしみとは、身を引きちぎるようなかなしみではありません。あきらめを呼び寄せるかなしみです。
しんしんと降ってくる空虚に身をひたしながら、その空虚をはらおうとせず、身にまとって、流れていましょう。今日という日、あなたの時間が豊かになりますように。
■まとめ
【怒りの取り扱い中級編】
シンシンと降る怒りを黙って感じていよう。ムカつくことがあると、頭が冴えてくるし気が張って力が湧いてくるから、人に話してスッキりするのはもったいない。シンシンと降ってくる挫折感も黙って感じていよう。頭が冴えて、気が張って、力が湧いてくるまで。
シンシンと降るさみしさを黙って感じていよう。
シンシンと降ってくる空虚に身をひたしながら、その空虚をはらおうとせず、身にまとって、流れていよう。
■他の助けを求めるのもいいでしょう
もしあなたが、怒り、さみしさ、空虚さを抱えてどうしようもない場合は、臨床心理士などの心理の専門家にアドバイスを求めるとよいでしょう。時間はかかるかもしれませんが、あなたのカウンセリングがうまくいきますように。
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