コミュニケーション設計に合わせてクリエイティブを開発。マスとデジタルを融合し、広告を展開して大きな成長を。
こんにちは!公式note編集長のみやたけ(@udon_miyatake)です!
デジタルマーケティングの技術を日々研磨している私たちですが、デジタル広告だけではなく、マス広告のチームと一緒に取り組み、大きな成果を出している取り組みを聞きつけ、担当のチームメンバーにインタビューしてきました!
▼二人が担当しているお客様
マス広告とデジタル広告が一つのチームになって挑戦
─── まずはじめに、プラン・インターナショナルさんチームにおけるお二人の役割について教えてください!
村松:2019年春からプロデューサーとして、プラン・インターナショナルさんのオフラインメディアの計画のサポートとクリエイティブの開発・制作管理をしています。
池田:デジタル広告のディレクターとして、デジタルメディアのディレクションをしています。私は、2020年2月から営業とYahoo!、Googleの広告運用を担当していて、2021年秋からは、広告運用をほかのメンバーに任せてディレクション業務に集中しています。
─── 村松さんは、前職のときからプラン・インターナショナルさんに関わっていると伺いました。これまでの経歴を教えてください!
村松:私のこれまでのキャリアは、新卒で総合広告代理店に入社し、マーケティング部署から営業部署に配属になり、その後クリエイティブエージェンシーに移籍して、プロデューサーとして在籍しました。この間、様々な業種の企業のマーケティングのサポートや各オフラインのメディアバイイング、コミュニケーション・プランニングとプロモーション施策、クリエイティブのプロデューサーなどを一通り経験して、2021年8月にソウルドアウトに入社しました。それからはソウルドアウトの一員としてプラン・インターナショナルさんに関わっています。
─── マス広告を軸に、キャリアを歩まれてきたんですね。プラン・インターナショナルさんのチームは、お二人のほかにどのようなメンバーで構成されているのでしょうか?
村松:ソウルドアウトのメンバー以外だと、コミュニケーションプランナー、コピーライター、クリエイティブディレクター、アートディレクターを中心に構成されていています。
池田:ソウルドアウトは、媒体ごとの運用担当、バナークリエイティブの制作担当など、それぞれに専門性をもったチームメンバー9人ほどで構成されています。
─── マス広告とデジタル広告のチームが、一つのチームとして取り組まれていたのですか?
池田:二つのチームは、当初は別々の動き方をしていました。マス広告のクリエイターが、キービジュアルといわれるメインのクリエイティブやLPで使う動画などを作り、ソウルドアウトのメンバーがそのクリエイティブをもとにデジタル広告の各媒体の静止画バナーや動画を作っていて、それぞれの役割分担の線引きがはっきりとされていたんです。
しかし1年半ほど前から、マス、デジタルという枠にとらわれず、一緒にクリエイティブ制作会議を行なうなど、だんだんと融合していくようになりました。特に村松さんがソウルドアウトに入社されてからはより密接でスムーズなコミュニケーションを取れるようになっていますね。
─── 最初はバラバラだったチームが、だんだんと一つになっていったんですね。何か気持ちの変化があったのでしょうか?
村松:マス広告のクリエイターたちは、プラン・インターナショナルさんの掲げる目標を達成するためには、マスもデジタルも一緒にやっていかなければならないと感じるようになったんですよね。日常生活の中でデジタル広告のバナーを頻繁に見るようになったり、定例会でデジタル広告の成果を聞くようになったりして、デジタルも自分たちの守備範囲だと感じるようになったというか。最初は少し抵抗感があったようですが(笑)。
池田:デジタル広告では、クリエイターの方たちが作ってくださったクリエイティブで、必ずしも毎回成果が出るわけではありません。デジタルではどういったクリエイティブが好まれるのかを伝えるようにしています。
村松:クリエイターたちは、自分たちの作ったクリエイティブでどういう成果が出たのか?、それはなぜか?、といった知識を徐々に深めていきましたね。コミュニケーションプランナーの木ノ根さんが「マスとデジタルの橋渡し」のような役割を担ってくれています。
インパクトのあるクリエイティブとメディアミックスの広告戦略でKGIの大幅達成に貢献
─── それでは、実際にやられている施策を教えてください。
村松:2019年春に、メインとなるクリエイティブを刷新しました。加えて、 複数の広告媒体を組み合わせて展開する広告戦略「メディアミックス」の施策を行なっています。
クリエイティブは、寄付に興味のなかった方々に関心をもってもらえるような、かなりインパクトがあるものに刷新しました。テレビCMや交通広告、新聞広告といったマス媒体で展開し、認知が広がり、見た人のウェブでの検索が増えました。また、当時のデジタル広告では、Yahoo!、Googleでリスティングやディスプレイ広告を配信していました。
─── 2019年の施策では、実際にどのような成果が出たのでしょうか?
池田:デジタル広告では以前と比較して獲得率が大きく上昇し、クリエイティブのパワーの大きさを感じましたね。特にYahoo!のディスプレイ広告をデモグラターゲティングで配信していたのですが、クリック単価が非常に安価で、高い獲得率を維持していました。
ウェブでの指名検索数や、数年間目標値に達しなかったKGI(寄付の口数)を何倍にも伸ばすことができました。
”クリエイティブ”と“プランニング”がポイント
─── 私も、プラン・インターナショナルさんの広告を電車内やウェブで見かけて、インパクトがあるので印象に残っています!では、成果が出たポイントは何だと考えていますか?
村松:クリエイティブそのもののパワーが大きかったことと、コミュニケーション・プランニングがしっかりできていたことの二つがポイントだったと考えています。
まず、クリエイティブは、支援者となり得る潜在ターゲットの心を動かせるものを、クリエイティブチームが制作しました。広告専門誌に取り上げられたり、交通広告賞をいただいたりしました。
また、コミュニケーション・プランニングでは、プラン・インターナショナルさんと支援者の関係を形成するためのストーリーづくり、経路設計を綿密に行ないました。そして、各フェーズのコミュニケーションに適した媒体を選ぶ、メディアミックスの施策を展開しています。
─── では、メディアミックスの施策において、具体的にどういったことがポイントなのでしょうか?
村松:マス広告とデジタル広告を断片的に考えるのではなく、お互いの特性を活かしてクリエイティブを展開することです。
クリエイティブの内容は、媒体や、ユーザーのフェーズに応じて変えています。例えば、電車の中吊り広告は、長文であっても読んでもらいやすいという特性があります。ボディコピーまでを載せてしっかりと理解してもらい、最後に検索窓を入れ、ウェブで検索してもらう導線をつくりました。
─── コミュニケーション設計に適した特性をもっている媒体を選定し、その特性に合わせてクリエイティブの内容を変えていくんですね。デジタル広告ではどういったクリエイティブを配信しているのでしょうか?
池田:媒体やターゲティングによって変えていますね。デモグラターゲティングで潜在ターゲットに配信する場合は、マス広告で使用しているメインのクリエイティブを展開し認知を広げ、同時に、プラン・インターナショナルさんの活動内容がわかるクリエイティブをセットで展開しています。
リターゲティングでは、「実際に寄付したお金がどうなるのか?」を示したクリエイティブを展開し、寄付をするかどうか迷っている人に対して、最後の一押しとなるメッセージを届けられるようにしています。また、媒体ごとにユーザーに響くメッセージも異なるため、クリエイティブを変更して配信しています。
村松:大きく成果の出たメインのクリエイティブをもとにアップデートした訴求や、新型コロナウイルス感染拡大に伴う訴求を新たに追加しながら、広告施策を展開していきましたね。
プラン・インターナショナルの活動内容を伝える
https://pr.plan-international.jp/special/plan/途上国側からの視点の訴求*メインのクリエイティブと対
https://pr.plan-international.jp/special/lp/change/「実際に寄付したお金がどうなるのか?」の訴求
https://pr.plan-international.jp/special/lp/education/新型コロナウイルス感染拡大に伴って追加した訴求
https://pr.plan-international.jp/special/lp/sp_coronavirus/現在配信している新しいクリエイティブ
─── 池田さんは、広告だけにとどまらず、幅広いデジタルの施策に取り組んでいると伺いました!
池田:Twitterのライブ配信やウェブメディアの記事広告などにも挑戦できました。メディアをはじめとした各パートナーとともに、挑戦する価値があるかをしっかり協議し、それぞれの施策の撤退ラインについてもプラン・インターナショナルさんとしっかりと話し合った上で実施しました。
村松:私たちソウルドアウトは、デジタルエージェンシーです。広告だけではなく、デジタルでできる施策には隅から隅までどんどん挑戦していきたいですね。
池田:拡大を目指すとき、既存媒体のターゲットを広げたり配信媒体を増やしたりといった、直接の獲得に結び付くようなわかりやすい施策だけでは成長できません。何を成功とするのか、お客様としっかりコミュニケーションをとって、様々な施策に挑戦していきたいです。
マス広告とデジタル広告の融合で相乗効果を生む
─── これまでマス広告を中心に携わってきた村松さんは、ソウルドアウトに入社し、デジタル広告のことをどのように捉えているのでしょうか?
村松:デジタル広告の特徴である、結果を数字で見て分析できるという点はかなりおもしろいですね。例えば、マス広告の効果を調査会社に依頼して認知調査などを測ってもらうとしても、ある程度規模感のある広告費でキャンペーンをやらない限り、目立った効果が見えてこないんです。
デジタル広告の結果は、マス広告の媒体を選ぶ際の検討材料にもなります。効果がないと判断してしばらくやっていなかった新聞広告に、2019年に刷新したあとのクリエイティブで挑戦したとき、検索窓やQRコードを付けて、ウェブへの流入も増えて、デジタルマーケテイングの指標の中で非常にいい結果が出たんですよね。それからは、次の展開に紙媒体を活かしていこうという話になりました。
─── では、メディアミックスの施策のメリットを教えてください。複数の媒体に振り分けて広告を展開するとどのような効果を期待できるのでしょうか?
村松:より多くの潜在層にメッセージを届け、認知を広げて、購入意向の顕在化に繋がると考えています。マス広告だけ、デジタル広告だけであれば、多くの支援者を集めることはできませんでした。
中小企業、地方企業もメディアミックスに挑戦する価値がある
─── ですが、広告予算に限りがある場合、メディアミックスの施策に挑戦するのは難しいと感じました……。
村松:デジタル広告は少額からスタートできますが、マス広告は大きな予算がなければならないと思われがちですが、例えば、地方のマーケットに根ざした企業や、地方顧客へのアプローチを考える際のマーケティング施策として、地方の新聞や交通広告、地方局のCMは、リーズナブルな予算規模から取り組むことができます。
─── まずはスモールパッケージからトライするのもいいかもしれませんね!一方、日本全体をみると、デジタルの広告費がマスの広告費を上回ったというニュースがありました。それでもマス広告には取り組むべきなのでしょうか?
村松:潮流としては、デジタルメディアの扱い高が増えていますが、まだまだテレビCMなど、マスの認知系媒体のインパクトは大きいです。ソウルドアウトとしては、マスとデジタル両方の広告手法を知り尽くし、戦略によって使い分けながらご提案していきたいと考えています。
池田:プラン・インターナショナルさんは、ターゲットが属性によって区切れる商材とは違い、「今この瞬間に誰かのためになりたい」という思いをもった人たちにメッセージを届ける必要がありました。ですので、とにかく多くの人に見てもらえるマス媒体が合っていたんです。扱う商材によって、どの媒体を選ぶのか。戦略を慎重に練る必要があると思います。
広告主と広告代理店が、同志となって戦う
─── 「このチームは一人でもかけてしまうと成り立たない」とおっしゃっていましたよね。チームで取り組む上で大切にしていることを教えてください!
池田:声を出すことをずっと意識しています。デジタル広告の専門家として、結果の分析やそこから出た仮説を、マス広告の方たちに伝えます。マス広告側からは見えないことも多いので、「よりよいものをつくり出すためには、私が伝えなければ」という気持ちで意見していますね。デジタル広告と考え方の違いがあることをわかった上で、一つずつの意見を「なんでだろう」と深く考えるようにしています。
しかし担当を始めた当初、デジタル広告の運用と営業は私一人で、マス広告には複数のメンバーがいたので、とてもプレッシャーを感じていましたが(笑)。
村松:池田さんは、最初からよくやっていましたよ(笑)。めちゃくちゃ堂々としていたし(笑)。
池田:ありがとうございます(笑)。あとは、クリエイターの方たちを尊敬することです。
デジタル広告では、成果を出すことに重点を置いて「無料でできる」とか「初回〇%オフ」といった訴求を広告に入れることが多いです。もちろんこの考え方は正しいと思っています。しかし、ブランドを守るためにも、クリエイターの方たちの意向を理解した上で、その世界観が映されたクリエイティブを制作するように心掛けていますね。
社内のメンバー向けに、定期的に会議を開いてクリエイターの方たちの思いを伝えたり、全媒体のクリエイティブを全て私がチェックした上で提出したりしています。
─── 村松さんが大切にしていることはありますか?
村松:全員で打合せに参加することを意識してスケジュール化をしています。クリエイターだけがクリエイティブを考えるのでは成果は出ませんし、デジタル広告の運用者が運用だけをしていては数字ばかりが気になってしまうでしょう。皆で一つの目標を見据え、お互いに影響を与え合う、いいチームになっていると思います。
また、広告主と広告代理店とが、同志となって同じ方向を向いて戦っていくことが大切だと思います。2019年春にご提案したクリエイティブでは、プラン・インターナショナルさんの中でも賛成反対が二分していたんですよね。しかし、全員が納得するまで話し合って採用が決定し、大きな成果が生まれました。
これまで幅広い施策に挑戦できているのは、プラン・インターナショナルさんと築き上げてきた信頼関係のおかげです。成果はもちろん、かなり様々な議論を重ねて広告施策を実施していることを感じてくださっているのだと思います。
デジタルだけに収まらず、マーケティングの手法を広げていきたい
─── これから、プラン・インターナショナルさんでは、どのような挑戦をしていきたいと考えていますか?
村松:今後、プラン・インターナショナルさんでは、認知系マスメディアの展開の強化をし、各メディアへの露出後の潜在ターゲットの行動データや、デジタル広告のデータの蓄積を行なっていく予定です。その蓄積されたデータを、今後の目標達成のためのマーケティングに役立てたいと考えています。
─── 今後はデータを使ったマーケティングにも挑戦していくということですね。では、お二人がソウルドアウトで取り組んでいきたいことを教えてください!
池田:これからも、お客様ととことん話すことを意識して仕事をしていきたいです。ついつい私たちは「CPAを良くしたい」と効率を重視して、施策の幅を狭めてしまっています。そうなると、リターゲティングだけになって成長することはできません。
そうではなくて「一緒に挑戦しましょう」というコミュニケーションをお客様と取り続ける必要があると思っています。このためにはまず、お客様の商材を実際使ってみて、理解した上でお客様と話すことが重要です。そして一つのチームになって意見を交わし、成長を実現していきたいと思います。
村松:デジタル広告の運用だけは、効率化によってターゲットが絞られてしまい、効果が上がりにくくなる傾向にあります。その状況を打開するべく、市場特性や規模を把握し、潜在顧客を掘り起こす戦略を練る。そして戦略に合わせたメディアミックスの展開を、マーケティングの一つの手法として提案していきたいと思っています。
編集後記
村松さんが最後に、ソウルドアウトメンバーへのメッセージとして「もっと貪欲になってほしい」とおっしゃっていました。お客様についてはもちろん、メディアについて、クリエイティブについて、もっともっと知ってほしい。そうすることで、自分の職域が広がり、キャリア形成も豊かになる、と。マス広告をはじめ、戦略的PR施策など様々なマーケティング施策、クリエイティブ施策にも挑戦していくことで、お客様の成長はもちろん、自らのキャリアに役立つこともあるはずです。
▍ 新しいクリエイティブのご紹介
「いま、この世界で、命を落とす理由が女の子だからなんて、あってはいけない。」
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【インタビュー・執筆・編集:みやたけ(@udon_miyatake)】