運用型クリエイティブクラウドのリチカと広告代理店が本音で「勝てる動画広告」について対談!
こんにちは!ソウルドアウト株式会社の武久 史佳(@0035SO)です、ぜひ「おふみ」と呼んでください!SNSマーケティング専門のチームで日夜バナー制作に励んでいます。
先日、運用型クリエイティブクラウド「リチカ クラウドスタジオ」を提供する株式会社リチカ主催のウェビナーに登壇しました!
(貴重な機会をありがとうございます!)
「静止画 VS 動画は間違い?ソウルドアウトが語る動画広告運用とは」というテーマで、動画活用や動画広告活用の啓蒙として、ソウルドアウトの事例を交えながらパネルディスカッションを行いました!
今回のnoteでは、ウェビナーレポートをお届けします。
・動画制作って思ったよりハードル低そう、やってみようかな
・動画って成果出せるんだ
・勝てる動画ってこうやって作るのか
と感じていただけるような内容となっています!
登壇者
1. 動画広告へ挑戦した理由・背景
立ち上げ期は、制作リソースとノウハウが課題に
足立:ソウルドアウトさんでは、もともとは動画広告に注力されていなかったとのことですが、注力したきっかけと、いざ始めるとなったときの課題となった部分を教えてください。
亘理:きっかけは市場の変化によるところが大きいです。「動画はCMのようにブランディング用であり、獲得にはつながらない」という印象がありましたが、YouTube広告の広がりなどによって、獲得目的にも使えるようになってきました。2018年から2019年頃に実際に声が上がり始めましたね。今ではInstagramやTiktokなどで動画を目にする機会も増え、動画広告はさらに盛り上がってきています!
課題になったのは、制作リソースとノウハウです。内製できるメンバーがおらず、私たちディレクター側も、どういった流れで進めればいいのか、手探りの状態でした。
2. 動画広告の運用プロセス・結果
制作ツールの導入と内製メンバーの採用で、社内体制を構築
足立:右も左も分からない、そんなゼロの状態から、どのように運用・挑戦して結果を出されてきたかをお伺いしたいと思います。注力し始めてから3年ほどが経ち、現在の動画広告への取り組み状況はいかがでしょうか?
亘理:そうですね、制作体制はかなり整ってきており、動画広告を量産できるようになりました。リチカ クラウドスタジオのようなツールを使ったり、内製するためのメンバーを採用したりして、多種多様な動画を作れるようになりました。リチカ クラウドスタジオは、広告運用を行うメンバー自身が制作するために導入しています。すぐに動画が必要になったときに広告運用者自身で対応するなどといった、量産できる体制を構築しました。
足立:0→1でガッツリ制作するときは制作メンバーが作り、素材が十分にあったり、フォーマットを利用して制作できたりするときは運用者自身が制作ツールを使う、というように、動画制作の担当者を種類や用途によって割り振っているんですね。
直近では、BtoBや美容・健康食品・コスメの動画広告が多い
足立:では実際、どういった商材や案件で動画広告を運用されていますか?
武久:リチカ クラウドスタジオはフォーマットがかなり豊富で、幅広い業種で利用しています。直近だと、特にBtoBや美容・健康食品・コスメが多いです。BtoBでは動画素材が少ないお客様が多いのですが、リチカ クラウドスタジオのフォーマット使えば、素材がない・少ない場合でも、成果を担保できるクオリティで動画を制作でき、運用者としてはとても助かっています。
コスメでは、今リチカさんと一緒にお取り組みさせていただていて、他社で成果が出ているものをご共有いただき、それを参考に動画を制作・運用し、結果をフィードバックしています。そして「次はこういった動画を作っていきましょう」と話し合いを重ねています。
足立:BtoBでも、静止画だけではなく動画を利用することが推奨されますね。理由として、説明コストが若干大きい点が挙げられます。BtoCの商品であれば静止画1枚でも商品の効果を理解してもらえますが、BtoBは、商品名とサービスのタイトルだけでは、なかなかサービスの内容が伝わらない場合が多いです。
武久:動画を利用すれば「実際どう使うの?」「導入コストが高いのでは?」といった内容を、一つの動画の中で説明できます。BtoBこそ、動画を使う価値がありますね。
静止画と動画は「どっちか」ではなく「どっちも」配信して結果を判断
足立:実際の動画広告の成果状況はいかがでしょうか?YouTubeで成果が出ているというお話を伺いました。
武久:こちらの図は車買取の案件です。左列の「成果〇」は、成果のよかったクリエイティブを、動画と静止画関係なく上位4位まで並べています。
動画と静止画を並行して配信しました。静止画では配信量が伸びやすいので、CV(獲得数)が多くなっています。しかしCPA(獲得単価)は、動画の方が成果が良いという結果でした。動画と静止画を両方とも配信したことで、しっかり両方ともで成果が出ました。伝えられる情報の量が違ったり、見せ方が違ったりするので、「どっちか」というよりは「どっちも」配信することをおすすめします。
足立:以前、YouTube広告で、もともとCM素材のように0→1で作り込んだ動画と、リチカ クラウドスタジオのフォーマットを使って制作した動画を比較すると、リチカ クラウドスタジオのフォーマットを使ったものの方が成果がよかったというお話をお伺いしました。時間やお金をしっかりかけた動画の方が成果がいいと考えていましたが、それとは逆の成果が出ていますね。
亘理:どっちがよかったという結果ではなく、PDCAを回した結果だといえます。そのお客様では、社内にクリエイティブ専門の部署があり、そこで作ったデータをもとにリチカ クラウドスタジオを使ってブラッシュアップしていったそうです。
動画のPDCAは「誰に何を伝えるか」を磨くことがカギ
足立:では、どういったプロセスで動画広告を制作・運用しているのでしょうか?
亘理:あくまで広告なので「ターゲットは誰で、どういった訴求を当てるべきか」「動画によってどういう気持ちの変化を起こしてクリックやCVに繋げるか」を整理して制作していきます。僕は素直なので(笑)、そこから先はリチカさんが提唱しているPDCAサイクルに則って進めています。
ただ、STEP4の複数サイズの展開に関しては、制作する前提で進めることが多いです。STEP3まで進んだら、そのあとはSTEP1に戻ったり、STEP3を続けたりしています。
また、作り方のコツになりますが、ターゲット(「誰に何を伝えるか」)の一貫性をもつようにしています。特にWeb上の動画では、一気に情報を詰め込むと、ユーザーが理解できないまま動画が進んでいってしまいがちです。要素の取捨選択を行うようにしています。
足立:たしかに、動画で重要な要素を一つだけ挙げるとしたら、亘理さんのおっしゃっている通り「誰に何を伝えるか」ですね。そこで最近弊社では、「クリエイティブターゲティング」という考え方を提唱しています。
昨今デジタル広告では、媒体側の最適化の技術は進んできた一方、個人情報保護の流れもあり、ターゲティングがなかなか難しいという課題を抱えています。その中でクリエイティブやメッセージを伝えていくためには、「訴求」という単位より、「ターゲットユーザー」や「ユーザーのペイン(悩み)」といったもう少し細かい単位を深堀りし、一段階踏み込んだクリエイティブを作っていく必要があると考えています。
それを磨き上げるには、STEP1、STEP2を何度も繰り返す方がレバレッジが効くんです。実際、武久さんの肌感としてはいかがですか?
武久:おっしゃる通りです。具体的には、SNS広告の場合は短尺(10~15秒)の動画が多いので、YouTubeでは3つ強みを入れている長尺動画でも、削ぎ落として削ぎ落として、冒頭の1~2秒で「この商品のこの部分で、あなたのお悩みを解決できます」といったアテンションを取るのがとても大事です。
足立:弊社で運用しているFacebook広告では、1シーン目の文言を変えただけでCPAが半分になったという事例もあります。「誰に何を伝えるか」を磨き切ることが、最終的なCVに一番大きく影響すると感じています。
静止画・動画それぞれの見せ方を工夫する
足立:まだまだ世間一般的な認知として「静止画と動画どっちを使うといいか」「デジタル広告では静止画で、デジタルサイネージなど屋外型のデジタル広告では動画にしよう」といった使い分けを考えられる企業も多いと思います。
武久:実際に運用・ディクションしている私たちの見解としては、やはり、静止画と動画は「どちらか」ではなく「どっちも」活用していくことが大事だと思っています。特にFacebookは機械学習が非常に優秀な媒体で、静止画・動画を両方入れて、あとは媒体の機械学習に任せるのが一番賢いやり方ですね。先ほどの事例も、両方を入れたからこそ成果が出ていました。
先ほどの事例の静止画Aは、テキストのみのシンプルなものですが、動画AはYouTubeで使っていたものを上部に配置して、下に帯でCTAを置くという形で制作していました(下図参照)。静止画と動画で情報量には大きく差がありますが、どちらともしっかりCVがあったので、静止画・動画それぞれに合った見せ方を模索していくのが大事ですね。
足立:機械学習のレベルが上がりすぎて、私たち運用している側もどういったロジックでどこに配信されるか分からない、というのが正直なところですよね。以前Facebook社の担当者とお話した際、「運用ロジック的にターゲティングがどう判断されるか分からないので、オールターゲットで配信していただくと一番ROI(費用対効果)がいいです」といったお話をされていました。
SNSでは冒頭にアテンションのある動画、YouTubeでは音声入りの動画がいい
足立:では、動画広告の勝ちパターンを教えてください。
武久:SNS広告だと、アテンションを冒頭に持ってきて、短尺で気を引ける動画ですね。SNSは、片手間にスクロール前提で見るもの。そこでいかに指を止めてもらうかが大事です。スマートフォンのスクロール平均時間は1.7秒というデータもあるほどです。
リチカ クラウドスタジオには豊富なフォーマットがあります。そして様々なエフェクトがあり、アニメーションもリッチです。少ない素材でも”それっぽく”仕上げることができます。冒頭でアテンションをとれるような工夫が必要です。
亘理:YouTube広告では、動画の秒数がSNSよりも長く、音声を入れなければなりません。リチカ クラウドスタジオでは、AIを使って音声を入れることのできるサービスがあるので、そういったサービスを活用することもできます。
もう一つ大事なのはPDCAを回すことです。社内のレギュレーションが厳しい企業もあると思いますが、そこに囚われてあまり変わらない動画を複数入れてしまうのではなく、いろいろな動画を試せる環境をつくることが大事です。
3. これから動画広告へ取り組む方へ
潮流を認識して攻略し続ける覚悟をもつ
足立:ノウハウが全くないところから、動画広告を推進して体制を整えてこられた今までを振り返り、「これがなかったら動画広告を挑戦・運用し続けることが無理だった」といった転換点はありましたか?
亘理:リソースとノウハウに関しては絶対必要です。ですがまず、動画広告がこれからより伸びていくという潮流があるので、そこを信じて「これは攻略するべきものだ」という覚悟を決めるのが必要だと思います。
動画広告は、代理店に成果を聞いても「視聴されていますよ」と逃げられたり、CPAが静止画より高くなってしまったり、といったことがあると思います。そのときに「静止画の方がいいのでは」と判断してしまうのではなく「5Gが進んできたタイミングで、各メディアの動画の配信枠が増え、CPM(インプレッション単価)が下がる」と予想できるので、その潮流を認識して、攻略し続ける覚悟が大事です。精神論ですね(笑)。
足立:腹を括って改善し続ける気があるかどうかは大事だと僕も思っています。ある方から、動画広告を始めて3か月目までは全く成果が出なかったけれど、意地を張って続けていると6か月目から急に良くなっていった、というお話を伺いました。転換点は、固定概念に囚われない動画を制作してみたときだったそうです。粘り強く継続することはとても大事ですね。
また、その方の話では、広告管理画面上だと静止画よりも動画の方がCPAやCPC(クリック単価)が高くてパフォーマンスが悪く見えてしまっていたけれど、LTVだと動画を見て購入した方の方が高かったようです。そういった数字も見ながら研究していくと、目の前の数字に惑わされずに成果を上げることにフォーカスできるのではないでしょうか。武久さんはいかがでしょうか?
武久:「何をやったらいいか分からない」「少しやってみたけれど成果が出なかった」と諦めるのはもったいないですし、時代に乗り遅れてしまうと思います。ぜひ、挑戦していただきたいです!
最後に
対談の様子はいかがでしたでしょうか?対談内容をザックリまとめると、
・動画はビビらなくてOK
・時代は動画!動画と静止画両方を活用する
・動画で成果出す!と覚悟決める
・成果の出る「勝ち訴求」が出るまでPDCAをしっかり回す
でした!動画広告挑戦したくなったという方、お気軽にご連絡くださいませ。
▼おふみのTwitterはこちら
主にクリエイティブに関してつぶやいている(つもり)なので、よければ覗いてみてください👀
LISKULでも、動画広告の成果改善ポイントを紹介しています!
【執筆:おふみ(@0035SO)/編集:みやたけ(@udon_miyatake))】