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【図解】なぜ、ZARAは儲かるのか?

ソラッチです。

現在、アパレル業界は苦戦していて、理由は下記だと言われています。
①ユニクロなどファストファッションの台頭による低価格化
②ZOZOなどECサイトにより各ブランドのファン化の難易度増
③メルカリなどのフリマアプリの台頭による中古市場の活性化
④セールの日常化による顧客単価の低価格化

そんな中でも、ZARAのインディテックス(以降ZARA)は拡大をし続けています。ECサイトなどの台頭でさらに厳しいアパレル業界において、ZARAはどんなビジネスモデルで儲け続けているのか、ビジネスモデル、戦略を図解してみました。

ZARAの戦略図解

コストコの戦略図解

1.なぜ、顧客に選ばれるのか?(上段)

ZARAが顧客に選ばれる理由を理解するには、アパレル業界の特徴を知る必要があります。

他業界よりも苦戦してしまう特徴として流行るものが分からないことの影響が大きく、どの色や形が流行るか、いつまでどれだけ売れるか、また季節や天候の影響も受け、他の業界より在庫になりやすい業界になります。

では、なぜこの特徴で苦戦を強いられるかというと、一般的なアパレルメーカーでは商品を企画して製造、店舗に並ぶまで約1年ほどかかるからです。

通常1年先の事なんてわかりません。
そうすると、服を作り過ぎると在庫になり、服の在庫は翌年には売れないため、セールで売り切るしかありません。
逆に、生産数を少なくすると、折角流行ったとしてもすぐに売り切れます。
いわゆるチャンスロスが発生しますが、一般的に在庫が増えれば経営を圧迫するため、生産を絞ります。そうすると一枚あたりの原価も高くなり悪循環に陥ります。

この流行るものは分からない特徴に対して、従来のアパレルメーカーは、ファッションショーやアパレル雑誌などで、流行を自分たちで作ろうと対策を行ってきました。
しかし、それでも限界があり、上であげた環境の変化で苦戦を強いられているのです。

では、ZARAはこの特徴に対して、どう解決策(戦略)を考え、儲けることを実現しているのか。
その解決策というのが、従来アパレルメーカーが行っていた流行るものを予測するという解決ではなく、どう予測精度をあげるかでなく、予測が難しいなら、流行ったものをいち早く店舗に並べればよいと捉え、約2週間で企画から店舗に並べられる仕組み(SPA)を作り解決させたのです。(前提を疑うクリティカルシンキングの考え方)

そして、流行に敏感でお金はかけれない人に対して、ZARAに行けば流行っている服が低価格で手に入るという顧客価値を提供し、顧客に選ばれ続ける理由となっています。

2.なぜ、儲かるのか?(中段)

ZARAは、流行の服を安価に販売していますが、営業利益率は低いわけではなく、業界平均3.9%の中、営業利益率16%と驚異的な数値になっています。ではどうやって高い利益率をあげているのでしょうか。

アパレル業界では儲けるためには、特に売り切ることが重要になります。

売り切るために、各社は工夫を凝らしていますが、ZARAは流行の服を小ロットで週ごとで入れ替えること、下記のような行動を促進し、売り切ることを実現しています。

「ZARAに来たら常に流行の商品が置いてある」
「次に来た時には悩んでいた服が無くなるから今買おう」

流行の服が小ロットであるからこそ、このように顧客は行動し、購買・来店促進され、定価販売とまとめ買いがされる事で、高利益率を実現しています。
そして、これが成り立つのは、流行に敏感なターゲットに対して、流行の服をいち早く提供し続ける顧客価値を実現しているからです。

3.なぜ、勝ち続けるのか?(全体)

儲け続けるためには他社に真似されない仕組みが必要になりますが、ZARAではどのように実現しているのでしょうか。

ZARAが勝ち続ける理由は、流行の服を安価にいち早く提供する顧客価値を実現するため、「企画から売れるまでのスピードを早める」(センターピン)を追求し続けているからです。

そして、このセンターピンの実現のために、図に記載しているKSF(成功要因)を徹底しています。例えば、流行したアイテムの情報を店舗から収集分析し企画、ワンシーズン需要で最低限の質を担保した低コストの製造、企画から店頭まで短時間化です。

すべてを速度優先のために、例えば船便ではなく空輸で商品を発送していたりなど、コストよりも速度を取るという一貫性ができているからこそ、アパレル業界で勝ち続けているのです。

この速度優先の一点を崩さない限り、顧客価値はさらに高まり、顧客が増加することで、さらに儲けにつながる素晴らしいビジネス構造になっています。

まとめ

ZARAの場合は、戦略である「流行を追求する若い顧客に手頃な価格で最先端の服をいち早く提供する」ことを実現するために、SPAを活用したスピードや顧客の声の収集・分析による企画力などで、顧客価値を提供し、儲けています。そして、儲けにより速度と分析力など強みの強化を行うことで、さらに顧客価値が向上する美しいビジネス構造のサイクルになっています。

ZARAのように、従来のアパレルメーカーが競争していた従来のルールとは異なるルールを見つけ出すことは、今後のビジネスを行う上で非常に重要になっています。
ユニクロも別のルールを見つけ出して拡大している企業になるので、また図解を書いてみたいと思います。

お読みいただいてありがとうございました。

分かりづらい点、間違いがある部分があるかと思います。何かお気づきの点がありましたらお知らせください。

参考

ザラはなぜ強いのか インディテックスの現場に迫る
ZARAとH&Mに明暗 ビジネスモデルの根源的な違いがベースの差に
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