【図解】なぜ、コストコは儲かるのか？
ソラッチです。
日本だけではなく、アメリカの小売業は苦戦しています。
巨大店舗が450店以上あったスポーツ用品販売の「スポーツオーソリティ」が閉鎖、大手家電量販業界では約1000店を持つ「ベストバイ」のみ。
これらはAmazonの影響だと言われ、Amazonで買える商品を売っている小売業は、すでに儲からないビジネスへと変わってきています。
そんな中、小売業界で従来型のスーパーとは異なる会員制倉庫小売チェーンという独自のポジションを確立しているコストコは、1983年に設立してから拡大し続け、現在では小売業界世界2位になっています。
一体、コストコはどんなビジネスモデルで儲け続けているのか、ビジネスモデル、戦略を図解してみました。
コストコの戦略図解
1．なぜ、顧客に選ばれるのか？（上段）
小売業は、競合も同じ商品の仕入れが可能であり、他業界と比べて「他社との差」を出しづらい特徴があります。
そのため、顧客が他社に流れないように囲い込む事が非常に重要なポイント（センターピンと呼びます）になります。
コンビニやアマゾンなどの利便性の追求や、家電のポイント制度や、PB商品も囲い込みの一つになります。
では、コストコでは顧客を囲い込みをどう実現しているのでしょうか。
上段の図にあるように、コストコでは原価率90％の安価で高品質な商品と、巨大な店舗で魅力な商品を発見する楽しさを顧客価値として提供しています。
通常の小売業では、赤字になるため原価に近い価格を真似できず、コストコの圧倒的な顧客価値により、顧客に選ばれ拡大しています。
さらに、顧客はその顧客価値を得るためには会員になります。会員になれば会員費の回収と魅力商品を求めて、定期的に来店することになり、囲い込みを実現しています。
2．なぜ、儲かるのか？（中段）
上記でも書いたように原価率90％の商品だけでは従来の小売業のモデルでは赤字になります。そこで、コストコでは会員制サービスの会員費で儲けを生み出しています。
商品では儲けない代わりに、魅力な商品を原価に近い価格で提供することで、「他社との差」を明確に出すことが可能になっています。
これはマージンミックスという考え方で、儲ける儲けない商品を明確にしますが、重要なのはこの儲けない商品の役割です。
この役割というのが集客効果です。魅力的な商品が低価格であるため、ブログ、TwitterなどSNSで口コミが発生し、広告宣伝をせずに集客が可能となっています。
そして、魅力的な商品を求め、会員になる人が増加、会員継続率が向上することで売上拡大に繋がっていきます。
さらに、倉庫型であるため陳列までのリードタイム、魅力商品であるため売れるまでのリードタイムが短く、在庫として眠っている期間が非常に短く、資金繰りにも有効に働きます。
3．なぜ、勝ち続けるのか？（全体）
儲け続けるためには他社に真似されない仕組みが必要になりますが、コストコではどのように実現しているのでしょうか。
イオンやアマゾンのような商品から利益を得る小売りのビジネスモデルでは、真似をしたくてもビジネスモデル自体を変えない限り真似はできません。では似たビジネスモデルで参入してきた場合に、簡単に真似ができるのか。
コストコでは、巨大な倉庫販売にも拘わらず約3000種類の商品しか扱っていません。これはコンビニとほぼ同じ商品数です。
つまり、それだけ魅力的な商品に絞り、大量に仕入れていますが、これは売れなければ大量の在庫になるリスクを抱えています。
そうならないために、魅力のある商品を見つけるバイヤーの目利が重要になります。日本国内でも約150人もいるバイヤーが、毎月、魅力的な商品を探すことに注力しています。
また商品数を絞ることで、1点あたりの仕入れ数が増加するため、買い手の交渉力が増し、低価格で仕入れやすくなります。
つまり、この魅力的な商品を探し出すバイヤーの目利き、巨大倉庫型で少品種大量販売、巨大なCF、そしてPB商品の企画力が強みとなり、他社が追随できない仕組みとなっています。
まとめ
コストコは魅力的な商品を探し出し、安価で仕入れる事を追求すればするほど、顧客価値を高める事ができます。
そして、顧客価値を追求すればするほど、会員が増え、強みや儲けのポイント、他社との差が強化され、さらに顧客価値が向上する一貫性のある美しいビジネスモデル、戦略が成立しているのが分かります。
このように、従来からある小売業でも儲けのポイントをずらせば、従来とは異なるビジネスモデルになる例として、コストコは非常に良い例ではないでしょうか。
最後までお読み頂いてありがとうございます。
分かりづらい点、間違いがある部分があるかと思います。何かお気づきの点がありましたらお知らせください。
参考
コストコ・ホールセール決算まとめ
コストコは､なぜ年会費4000円を取るのか
コストコnews
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