ベネチアンエメラルドブルー
宙に舞ううわさ話は何の役にもたたない
そしてもっと頼りにならないものは、自分が作り上げた概念や決まりごとだ
“ 何故イタリアにまで来てベネチアに行かないの? “
その言葉が私にまとわりつき
そしてそれはいつしか渦になり
最終的に、とりあえずベネチアへ行って見るという行動に変わる
サンタマリアノッベラ駅に着き
幕が上がるようにそこから一気に水の都へと繰り出す
目の前の水面に浮かぶ礼拝堂、それを取り巻く風景は
紛れもなくここがベネチアという水の都であるということを教えてくれる
この町は”美”という原点の基につくられてる
ベネチアは美しい
ビンテージ風に作られたホテルのエントランスの3メートル先は海
そこに柵はなく、道を形づくる石畳はやがて薄いエメラルドブルーになる
海の上ではいくつかの船が行き交っていて
その奥に見える対岸には
美しい礼拝堂のクーポラがオレンジ色の光で照らされている
かもめが空の中を飛びまわる
夕方のオレンジと海のエメラルドブルーの色が綺麗に混じる
ふと、ある水彩画のイメージが内側に浮き上がってきて
きっとあの画家はこの色を光の現象を描いたのだと思った
〈 today’s art 〉
Title : from the Venetian sea
/ photograph
/ Place : Venice
/ Yuko