街のストリーム
街は美しい
ヨーロッパの街の中心には、いつだって川がある
パリだって、ダブリンだって、ベネチアだって、アムステルダムだって、
その形は少し違うにしても、そこにはちゃんとその街の川が存在している
川というと、何か澄み切っていて、その色が規則的に動いていくような
そんな水の流れを連想してしまうけれど
時としてそれは
薄い氷のように微かな水面であったり、土埃に紛れて濁っていたり、
メローな音楽のようにゆっくりとした流れであったりする
その町を象徴しているかのように
地下の底から偉大な力で街を支え、ただとても静かに流れる
街の中を一周
どこからどこへ行ったとしても、その存在はすぐ側にある
それは、昨日の朝にランニングの時の
私のすぐ横に流れていた川の物質とは違うかもしれないけれど
それはいつだってそこに存在し、これからも変わらずにそこにあるのだろう
人の心は不思議なものだ
世界は昨日とは全く変わっていて
今日の朝、町は人はとても活き活きとしていた
太陽は、川に反射し、ただ反射しているだけなのに、
水とすぐに仲良くなりお互いにハミングを始めていたし、
町の人は朝の忙しい時間でもコーヒーをテイクアウトして笑っていた
女の子は頭にかわいいピンク色の花のリボンをつけて学校にいった
そんな幸せな空気が町を包んでいた
今日、この一日があんな感じで終わるのだろうという予感みたいなものはなく
夜を必死で待つことはないのだと思った
そんな
町のストリーム
〈 today’s art 〉
Title : the stream
/ photograph
/ Place : Paris
/ Yuko