当事者が厳選! 私の大好きな「発達障害ドラマ」ベスト3!
私の大好きな発達障害ドラマ!
前回、テレビドラマ『厨房のありす』を観て感じたことを、思いのままに書いた。
今回は、発達障害を扱ったドラマのなかから、私の大好きなドラマについて語りたい。
世の中には、共感できる素晴らしいドラマもたくさんあるんだよ。
当事者である私が、厳選して3つのドラマをご紹介!
理想の「夫婦のありかた」に、心があったかくなる名作
まずは、やっぱりコレでしょ!
2022年6月〜7月、東海テレビ・フジテレビ系「土ドラ」枠にて放送された『僕の大好きな妻!』。
発達障害のある主人公・知花を演じたのは、これがドラマが初主演となった「ももいろクローバーZ」の百田夏菜子さん。めっちゃかわいかったなぁ。
発達障害を取り扱ったドラマは数あれど、「大人の発達障害」を全面にテーマに掲げたドラマとしては、おそらくこれが日本初のドラマであろう。
原作は、発達障害当事者であるナナトエリさんと、夫の亀山聡さん夫妻によるコミック『僕の妻は発達障害』。
新潮社「月刊コミックバンチ」にて連載中。
原作者が当事者とあって、実にリアルだ。
だけどこれ、ちょっとビックリなんだけど、フィクションなんだよね。
この作品では、実にさまざまな特性が詳細に描かれているにもかかわらず、「ASD」とも「ADHD」とも、具体的な症名が出てこない。当事者が描いているのに、だ。めっちゃ興味深いな。
これについては、原作者さまご本人が、noteでこのように語られている。
「発達障害」って、もしかしたらそれ自体が「スペクトラム」なのかもしれない。
ASDとかADHDとかLDとか、そんなのは単なるラベリングに過ぎないんだよな。
原作者さまの考えを知って、私はそんなことを思った。
ドラマのほうも原作を活かした、とても丁寧な描かれかたがされている。
制作スタッフのみなさんの、作品に対する愛を感じずにはいられない。
明るく前向きに生きづらさと向き合う妻と、それを理解し支える夫。
お互いを思い合い、支え合うふたりの姿が素敵すぎて、「こんなパートナーがいてくれたら……!」と思わずにはいられない。
「発達障害があってもなくても、変わらない想い」
そんな大事なものが、ひしひしと伝わってくる。
とっても愛にあふれた、心があったかくなる作品。
『僕の大好きな妻!』は、FODとU-NEXTで全話配信中!
「家族のかたち」に、心を揺さぶられるヒューマンドラマ
次にご紹介するのは、コレ!!
2023年1月〜3月、テレビ朝日系「金曜ナイトドラマ」枠で放送された『リエゾン―こどものこころ診療所―』。
原作は、ヨンチャン氏(原作・漫画)と竹村優作氏(原作)による同名漫画。累計100万部を突破した大人気作だ。
講談社「モーニング」にて連載中。
この作品は、児童精神科クリニックを舞台にした医療ドラマである。
「さやま・こどもクリニック」には、発達障害をはじめとする、さまざまな生きづらさを抱えた子どもたちと、その家族が訪れる。
物語のテーマは毎回毎回、なかなかにヘビーである。
心をえぐられるようなエピソードもある。
だけど、そこにはたしかな「ぬくもり」がある。
だからこそ、胸に沁みるのだ。
残念ながら、家族愛に恵まれなかった私。
そのせいか、家族愛を描いた作品にめっぽう弱い。
この作品だけでも、いろんな「家族のかたち」を垣間見ることができる。
それを見て、心が痛くなったりもするけれど、やっぱり家族っていいものなんだなぁと思わされる。
親と子。医師と患者。
生きづらさに向き合う人の強さと、痛みに寄り添う人のやさしさが、そこらじゅうにあふれている作品。
『リエゾン』は、TELASA・テレ朝動画・U-NEXTで観れるよ!
「かけがえのない友情」に、胸がじーんと熱くなる大人気ミステリー
『僕の大好きな妻!』も『リエゾン』も大好きだけれど、発達障害を扱ったドラマで私のいちばんのお気に入りなのが、コレ!!!
『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』
論理的で繊細な頭脳派の文書係アストリッドと、直感的で大胆な行動派の警視ラファエル。まるっきり正反対のふたりは、まさに凸凹コンビ!
そんなふたりがコンビを組み、難事件を次々と解決していくお話。
フランス発の大人気犯罪ミステリーで、現在は第5シーズンが制作中だ。
ミステリードラマなので、エンタメ作品としても単純に楽しんで観れる。
発達障害当事者の役者さんが何人か出演されていて、制作にも当事者の方がかかわっている。
だからか、エンタメ作品ではあるんだけれど、発達障害に関する描写が、それはもう秀逸なのである。
アストリッドとラファエル。
このふたりの女性の関係性が、それはもう、めちゃくちゃ素敵なんだよね。
アストリッドは自閉スペクトラム症(ASD)の特性があり、対人関係が大の苦手。
他人への関心が薄く、それまで人と積極的に関わろうとしてこなかったアストリッドが、ラファエルと出会ったことで変わっていく。
アストリッドの世界が大きく変わって、彼女自身が変化していくそのさまが、実に繊細に、巧妙に描かれている。
ミステリードラマとしても秀逸だけれど、このドラマをより興味深いものにしているのは「人間ドラマ」だ。
ふたりの距離がだんだん縮まっていき、アストリッドが次第にラファエルに心を開いていく様子の描写が、ただただすごい……!
他人に興味を持てないはずのアストリッドが「友情」「友達」というワードに心躍らせるところとか、名前の呼びかたが「コスト警視」から「ラファエル」に変わっていくところとか。
ラファエルのことを想うアストリッドが愛しすぎて、なんだかキュンキュンしてしまう。
なかでも私がいちばん好きなのは、シーズン1の第7話「フルカネリの指輪」。
アストリッドが、ラファエルにバースデープレゼントを渡すシーン!
……おっと!
まだ観てない人のために、今回はこれくらいでやめておこうかな。
まだまだ話し足りないけれど、これ以上話すと、ネタバレになっちゃうからね。
そうそう、このドラマを面白くしているもうひとつのポイントは、「吹替版の声優さん」だと思う。
吹替版でアストリッド役を演じているのが、女優の貫地谷しほりさん。
ASDの特徴的なしゃべりかたが「ちょうどいい感じ」で、私はめっちゃ好き!
ちなみに、「アストリッド」の名前って、「ASD」をもじってるよね?
意図的にこういう名前にしたんだろうなぁ。私はそう睨んでるんだよね。
『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』は、Hulu・FOD・U-NEXTで配信中!
Amazon Prime Video「シネフィルWOWOWプラス」なら月額490円税込で、シーズン4まで観れる!
字幕版・日本語吹替版のどちらも配信中なので、めっちゃおすすめだよ!
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0B8M495YC/ref=atv_dp_share_cu_r
これ、ドラマ化してくれないかなぁ…
『Shrink~精神科医ヨワイ~』のドラマ化を切望!
こちらの記事でも書いたように、これは私がずっと推している作品である。
『Shrink~精神科医ヨワイ~』は、原作の七海仁先生と作画の月子先生による傑作で、ちょっと?風変わりな精神科医の活躍を描いた医療漫画だ。
集英社「グランドジャンプ」にて好評連載中。
発達障害のみならず、さまざまな精神障害について取り上げられていて、休職や復職支援のこともやさしく描かれている。
1年間も休職しながら復職できなかった私には、精神障害者雇用のエピソードは涙なくしては読めない。滅多なことでは泣かないこの私が、読むたびに涙する。
読んでいると、まるで自分を見ているようで、つい自分と重ねて感情移入してしまう。
作品のなかに自分がいて、弱井先生の診察を受けているかのような。そんな不思議な感覚に陥る。まさしく、読んで「癒される」作品なのだ。
『リエゾン』の佐山先生も素敵だけれど、『Shrink』の弱井先生も負けないくらい、めちゃくちゃ素敵な精神科医なのだ!
こんな先生がいるクリニックがあったら、「風邪を引いたら病院に行く」ような気軽な感覚で通いたくなるよね。
この作品を映像化するのであれば、弱井先生役は西島秀俊さんがいいな!
私のなかの弱井先生のイメージって、西島さんがドンピシャなんだよね。
とにかく、やさしすぎるくらいにやさしい。どんな患者さんも包み込んでしまう偉大な包容力。ポンコツな部分もときに見せるけれど、その見た目に反して実は超エリートでたしかな腕をもつ、スーパードクター。
そんな役、二枚目も三枚目もどっちもカンペキにこなせる西島さんしかおらんやん!
だけど、毎クールのようにドラマ主演をこなしている超売れっ子の役者さんだから、実現はなかなか厳しいかな??
西島さんが無理なら、沢村一樹さんがいいなぁ。
原作と年齢設定が合わないけど、若手俳優で適任が思いつかないんだよねぇ。
あなたのお気に入りの作品も教えてね!
えっ、「そんなのぜんぶ知ってる」って?
それはごめんよ、メジャーどころばかりで!
機会があれば、ちょっとマニアックな「知る人ぞ知る!」ってな作品も紹介してみたいな。
世の中には、私の知らない面白い作品が、きっとまだまだあふれているんだろうね。
あなたのお気に入りの作品も、ぜひぜひ教えてほしいな!