【コラム】1・本の会
この春から、自分が所属する手芸クラブというサークルで、「本の会」を始めようと思っています。
この手芸クラブは、先生をお呼びして、みんなで一緒に何か手芸作品を作るのではなく、<各々が自分の好きな手芸をやりながら情報交換を楽しむ>という、ちょっと変わったサークルです。
人が作っている作品を見て新しい発見を見つけたり、自分が得意な手芸のノウハウを話したり、果ては愚痴まで聞いてもらったり。楽しいひとときです。
しかし、手芸作品を作るという作業は、たくさんの材料と道具の中から自分の作りたいものに合うものを探すことも必要です。全部用意してこのサークルに持ってくるというのは、物理的に無理な場合もあります。
また、販売するような作品を作る場合には、集中力が大事です。なかなかお喋りしながら…というわけにはいきません。
お喋りは楽しいけど、何となく行くのが億劫…。一通り、みんなのことは分かったので、今度は何が聞きたいかなあ?という雰囲気が出てきました。
これはまずいです。みんなが来なければ、サークルは続けられません。
みんなが会って話すから、誰かが「そう言えば」と情報を思い出し、それを誰かが聞いて…という相互作用で、情報交換ができるのです。情報のどこかに、各々にとっての大事な種子があるから貴重なのです。
でも、それはどんな種子なのか誰にも分かりません。分からないからモチベーションが下がってしまうのかも。
「本の会」は、自分のオススメの本を紹介しあうような、いわゆる読書会ではありません。自分にとっての好きや安心や思い出の<大切な本>を持って来ます。
手芸は好きでも、読書が好きとは限りません。だから、ジャンルは小説とは限らず、雑誌、漫画、ハウツー本、何でもありです。読書は普段はあまりしないとか、ちょっと苦手…という人でも大丈夫ということです。
自分にとって大切な本というのは、自分の物語がいっぱいつまっています。それを話すことで、もっと話題を引き出したり広げたりできるのです。
本の力を借りて、みんなで楽しめる会を目指しています。