京都学生演劇祭2019Bブロック ゆとりユーティリティ『さとりストーリー』観劇感想
ゆとりユーティリティ
『さとりストーリー』
流星群を見に来たけど道間違えました。
今、ゴミ山に居ます。
ここでも流星群が見れるのでしょうか?
私達も観れるのでしょうか?
自分のことで頭いっぱいです。
どこで間違ったんやろ。
演劇祭当日パンフより引用
観劇ステージ:ゲネプロ
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個人的に男が集まってくだらない馬鹿みたいなことやってる演劇は大好きだ。
団体名の中にあるユーティリティ(意:有用性、公益)とは矛盾というか正反対な気がしないでもないけど…(もしかしたらそういう反対の意図でつけたのかもしれんし…)
「伝えたいこと」とか「テーマ性」とかそういうのは否定しないけどそういうのに固執しすぎる風潮は大っ嫌いだし、
こんな風に肩の力を抜いてヘラヘラ~っと観られる作品はゲネ直前のガチガチになってた自分にとってとても救いだった。
だからとても感謝してるんですね。この団体には。
ただ、そんな観方がゆとりユーティリティ側にとって良かったのかどうかは知らない。
ゴミ山という舞台設定の通り、舞台は一面ゴミだらけ。
そんな中で女子二名と男子一名(なお、全員男子)が繰り広げる会話劇。
就活苦戦してたり中身が感じられない意識高い系だったりと今時の学生…というか今も昔もそんなに変りない学生達を描いている。
俺は就活もしてないしオンラインサロン何それおいしいの?な意識低い人間なのでそもそも共感し得る余地が少ないのだが、現在進行形で就活してる人とかにはどう映ったのか気になる。
俺は正直リアルさに欠けるというかガワだけではないかと思った。
だって演劇祭出てる奴なんて就活やってないやん?(偏見)
どこかでよく見る「就活に苦しむ若者像」のコピーというか、イメージ像の模写であって実体の模写である感じはしなかった。
前述したとおり俺はヘラヘラした態度で観てしまったわけだが、どういう姿勢で観ればよかったのかいまいちわからなかった。
正直に言わせてもらうと真剣にみるのはなんだか馬鹿らしくなる。
割とクオリティ高めだったとはいえ女装な時点で真剣さにはどうも欠けてしまうし、ゴミ山のゴミ並みにとっ散らかった3人の会話の内容(リアルっちゃリアル)、今日日見ない爆発オチ。
観てる俺自身が当時、他団体の作品について真剣に考える余裕がなかったとはいえこれを真剣にみるのは難しく感じた。
とまあここまで厳しめな感想になっちゃってるけど、おもしろいシーンや印象に残るシーンはいくつもあった。
台車で駆け回るもぐらたいちょうさんがペンギンみたいだったとことか、エロ本の件とかガンジーの件とか。
後々考えてみりゃ、ガンジーって「殴られない人」じゃなくて「殴らない人」だから盾としての効果はどうなんだと思いつつもあそこで不意打ちされたら笑うしかない。
ところで今作の作・演を務めたおおいけ君はこんなツイートを残している。
これを見てわかるように誰にも気づいてもらえなかった意図というのがあるようだ。
俺はそれが気になって仕方ない。
500円でも1000円でも払うから、あの時買い損ねた脚本をプリーズ!プリーーーーーズ!
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ここまでがついこのあいだ(10月上旬)までの話。
先日、作品の意図を耳にする機会があった。
俺が作品の意図を勝手にばらすのはどう考えてもNGなので詳細は伏せるが、明かされたの意図は素直にほめるのは難しいけど一本どころか三本取られた!な感じだった。
これは気づきたかったなと思う。いや、俺じゃ気づけなかっただろうけど…
上述した感想も作・演のおおいけ君の手のひらで踊らされていただけだったか…