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京都学生演劇祭2019Cブロック 劇団脳殺定理『春玖番』観劇感想
劇団脳殺定理
『春玖番』
家族を失い、人を見失った男。
現在を変えるため、繋ぐ人達。
しかし、未来は変えられない。
偶然ではない、計算された物語。
演劇祭当日パンフより引用
観劇ステージ:3ステ
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本番が終わる。
客電が点く。
客席がざわつく。
この一瞬一瞬がとても強く記憶に残っている。
「あれってつまりどういうこと?」「ここは一体どうなってる?」と客席では各々が各々の感想や考察を述べ合っていた。
こういう空気になった時点でこの人たちの勝ちやん?と俺は思った。
Twitter上とかではさぞかしこの作品の考察とかで盛り上がってるんやろうなぁ…とか思った。思ってた。
思ってたほど考察とか上がってこなかった。
いや、もしかしたらブロック終わった後に友達と話してたのかもしれんね。
鍵垢とかでいろいろ考察してたのかもしれんね。
俺はそういう友達いないから気づいてないだけかもしれんね。
うん…
「地域差」っていうのはあると思う。
総観劇数百回未満な観劇経験の浅い俺でも「京都と大阪は違う」ということは断言できる。
演る芝居が違うし、観る芝居も違うわけで当然好みも評価も違ってくる。
今回大阪から参加した脳殺定理とストフレはそこんとこは不利だったとも言えるけど、京都という舞台でやることについてもっと考えるべきだったとも言えるのかもしれない。
無難に「京都にウケるようにやり方を変える」のも手だし、「オレ色に染め上げろ!」と自分たちのスタイルをゴリ押すのも手だ。
だが、そういう方面を意識した工夫や熱意は感じられなかった。
自分たちがいつも出す全力と熱意をいつもと同じように発揮しただけだという印象。
いや、普段の作品観てないから結局のところ憶測でしかないのだけれども…
ってここまで地域差にな擦り付けたけど結局のところ個人個人の好みっすよね。
個人的には好きだし、ここがどうなってるとかをいろいろ考えること自体が好きだったし、いわゆる「考察のためにあえて余白を残した」作品なのだと勝手に解釈した。
だからいろいろ考えたぞ。間違ってたら盛大に笑い飛ばしてね☆
作中人物のセリフから、この作品内には複数の世界線が存在することが示唆されている。 あれ?それだと過去に戻った時点で世界線が分岐するから過去を変えることはできなくね?と今気づいたがそれは置いておこう。 物語の冒頭、主人公の語りで交通事故で天涯孤独となった際に自分とそっくりな謎の人が身代わりになってくれたのでは?という趣旨のことが触れられた。タイムスリップの王道としてはそれは過去に戻った未来の自分なわけで、つまるところループ落ちだ。 ただ、作中では中盤から登場する「三郎(だったかな?)」を自称するどう考えても未来の主人公やん!な老人が登場する。そしてこの老人はあからさまに未来の主人公であることを示した後に冒頭の交通事故とは関係なく死ぬ(もしかしたら死の直前に人知れずタイムスリップして交通事故の身代わりになったのかもしれんが…) 三郎(仮)が身代わりでないのなら、じゃあ身代わりは誰なんだよ…ってなる。いる。 あれ?それやと過去に戻った時点で世界線が分岐するから過去を変えることはできなくね?と今気づいたがそれは置いておこう。
物語の冒頭、主人公の語りで交通事故で天涯孤独となった際に自分とそっくりな謎の人が身代わりになってくれたのでは?という趣旨のことが触れられた。タイムスリップの王道としてはそれは過去に戻った未来の自分なわけで、つまるところループ落ちだ。
ただ、作中では中盤から登場する「三郎(だったかな?)」を自称するどう考えても未来の主人公やん!な老人が登場する。そしてこの老人はあからさまに未来の主人公であることを示した後に冒頭の交通事故とは関係なく死ぬ(もしかしたら死の直前に人知れずタイムスリップして交通事故の身代わりになったのかもしれんが…)
三郎(仮)が身代わりでないのなら、じゃあ身代わりは誰なんだよ…ってなる。俺は「身代わりさんは三郎さんとは別の世界線からきた未来の主人公なのではないか?」と考えた。タイムマシンがきっかけ滅びた世界線が示唆されているのは冒頭にあげた通りで、例えば壊れた世界線の主人公がせめて最後に…って思い出身代わり担当したのかもしれない的なこと。 基礎設定にもよるがタイムリープ物って解釈次第でどうとでも展開できるのが強みだなと感じる。自分の作品もタイムスリップを扱ってるので実感したが、割とガチでどうとでもなるのよな…
いずれにせよ、この物語は壮大な物語の一部でこの物語だけで完結してるのではないことは確かだ。45分にまとめられなかったというよりも、そもそもまとめるつもりが毛頭もなかったのは間違いないと思う。
とはいえ難点もいくつか存在する。
カツアゲからなし崩しに部活入って友達になる過程はかなり強引だし、中盤からは視点や時間がコロコロ変わりつつ同時に重要な事実もぶち込まれるので頭がこんがらがる。
そして皆がツッコんだ探偵エンド。
確かにタイムリープ出来るなら探偵業には役立つだろうけど、なぜ探偵業に行きついたのか?
主人公が何か探偵に目覚めるイベントでもあったのだろうか?ちょっと待て、そっちも面白そうやん。なんでカットした!?
主人公を探偵に導いた人でもいたのだろうか?探偵の師匠的な?ちょっと待て、そいつ絶対かっこいいやん。そいつ出せよ!
実際何があったのかはわからない。真実は作者の頭の中だけかもしれないし作者の頭の中にもないのかもしれない。
いずれにせよ、時間も過程もすっ飛んでいる。
9部作あるうちの「エピソード1」から「エピソード2の終盤」まで、そして「エピソード3」を丸々カットして何故か「エピソード4の冒頭のチョイ見せ」だけを観させられた気分。
おい、その間はどうなってるんだ?話が飛び過ぎじゃない?ってなる。
…とまあ作品”単体“で思ったことはこれくらいなのだけども…
「春玖番」
— 劇団 脳殺定理 (@Nosatu_official) September 22, 2019
今公演は、前公演の題材を使った作品です。
明確に言うとエピソード0。
続くストーリーがあるということです。
まぁ45分という時間の中で描くのが難しかったために、身近にある作品を作ったけど……難しかったなぁ…。
(木村)#KSTF2019 pic.twitter.com/YIxjjANK4w
うむむむむ…?
個人的にはここが一番もやっとした。
いや、どういう作品を作るかは各々の自由だし、そういうのを厳しく縛るわけにはいかないとは思うよ。
自由に過去作の続編とか出しても問題ないと頭では思うよ。
だが「劇団脳殺定理」としての旗揚げで作演の過去作はなんというかどうしようもないトラップを食らった気分だ。
好きな映画シリーズの中に絶版で見られない幻の作品が混じってるかのようなもどかしさというか…うむむむ…
答えが間違いなくあるけど答えを教えてくれない「ミッケ!」の巻末みたいなもやもや感がガガガg
もういい。考えるのやめよう。徹夜したので寝ます。おやすみ。