
衝撃を受けた一言|聾者・聴者の異文化理解への入り口
hanasakiさんのこちらの記事の次の一言に、私は衝撃を受けたんです。
「それはね、ぼくたちが普段この社会で感じていることだよ」

差別している訳ではないけど、気づけなかった視点
hanasakiさんが手話通訳養成学校に通って手話を身につけます。
その学校では、スパルタな感じで、何から何まで手話といった感じだったそうで、入学早々面食らったそうなのです。
まあ、『いきなり留学した』ような状況とでもいうのでしょうか。
大変苦労した思い出が紹介されています。
学校を卒業して、何年か経ってから、お世話になった先生にそんな苦労話をしたんだそうです。
卒業後、同期とろうの先生と遊びに行きました。
その先生は同世代で先生になりたて。
正直友達感覚!💦
同期もこれまでのスパルタの鬱憤を、
ここぞとばかりに先生にぶつけていました笑
「先生たちがすごいスピードで手話するから、分からないこともめっちゃあったんですけど」
「入学早々手話のみって、うちらの苦労全然考えてなかったでしょー」
「超大変だったー」
その時に先生から言われたのが、冒頭に紹介したこの言葉だったのです。
「それはね、ぼくたちが普段この社会で感じていることだよ」
私は、ガツンと頭を殴られたような衝撃を受けました。
自分自身、聾者に対して、なんら差別意識を持ったことはないと思っていました。
しかし、聾者がそんな気持ちでいることなど想像したこともありませんでした。
hanasakiさんは、手話を学ぶ学校に入学したことで、聴者がマイノリティである社会を体験したのです。
この記事を読まなければ、そんな視点に気づくことすらなかったと思います。

ノーマライゼーションの捉え方がちょっと変わった
聾者だから聴者だからと区別されることなく生活できる社会がノーマライゼーションだと思ってきました。それは、それで間違いではないと思います。
ノーマライゼーション(英語: normalization、ノーマリゼーション)とは、1950年代に北欧諸国から始まった社会福祉をめぐる社会理念の一つで、障害者も、健常者と同様の生活が出来る様に支援するべき、という考え方である。また、そこから発展して、障害者と健常者とは、お互いが特別に区別されることなく、社会生活を共にするのが正常なことであり、本来の望ましい姿であるとする考え方としても使われることがある。またそれに向けた運動や施策なども含まれる。
しかし、Hanasaki さんの記事を読んでいくうちに、
『聾者は耳が聞こえない=障害という側面よりも、異なる言語を持った異文化社会を生きている』
という理解に至りました。(これが正しいかどうかはわかりませんが、私にはそう感じました)
英語を理解し、使えるようにするためには、日本語の発想を一旦捨てて、「英語脳」にすることが必要なように、「手話」を理解するということは、「手話脳」を理解することになる。
そんな視点を持ったことにより、
聾者は異なる言語を用いており、異なる文化の中で生活している。
そんな理解にも至りました。

聾者・聴者の立場について考えるきっかけになった今話題のドラマ『silent』
手話のことや聾者のことについて、あれこれと思うようになったきっかけはというと、今話題の『泣き活』ができるドラマ『silent』でした。
私は、毎回ポロポロと涙を流してます😆
と同時に、
聾者と聴者、途中失聴者の三者のすれ違う恋愛や親子関係、人間模様を見ていると、
「言葉が通じる(音声・手話)ても『思い』を伝えるのは難しい」
と毎回考えさせられています。
このドラマによって、日頃考えてみることもなかった、聴者・聾者の異文化理解。
そんな視点からこのドラマを見ると、ノーマライゼーションについて、新たな気づきが生まれるのではないか。
そんな思いもあります。

終わりに
究極のコミュニケーションは、おそらくテレパシーでしょう。
うそごまかしなく、思いは100%伝わることでしょう。(それが、果たして望ましい結果になるかどうかは保障できませんが😅)
しかし、現実的には、言語(音声・手話)やゼスチャーなどを通じて、不完全ならがら、私達は自分の思いを一生懸命伝えています。
伝わらない、もどかしさ。
しかし、だからこそ、
「どうして、相手はわかってくれない?」
と相手に向けていた矢印から、
『相手を理解しよう』
という矢印に変わっていくのではないかとも考えるに至りました。
自分とは異なる他人を理解する。
それが聴者か聾者かは関係ありません。
相手の立場を尊重し、思いやる気持ち。
まずはそこから。
これが文化理解への入り口なのかもしれません。

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