ロケット打ち上げと共に空の彼方に消えた不器用という思い込み
中学校の教員をやっている『そい』と申します。
中学生の宿泊研修で『植松電機』を訪問し、ロケット教室を受講しました。
もう、このロケット教室。
最幸でした!!
授業中居眠りばかりしている子が、1時間に及ぶ植松さんの話頷きながら聞いていいてびっくり!
生徒達への影響も大きかったのですが、私自身も長年の思い込み(トラウマ)を昇華させることができたんです。
植松社長のお話を伺っていると、訳もなく涙が溢れるのです。
ロケット打ち上げに成功するための秘訣
私も生徒と一緒に話を聞き、ロケットを製作。
そして、1時間余りのロケット製作後、打ち上げ実験。
果たして、ロケットは無事に打ち上げられるのか?
次に、果たして、パラシュートは無事に開いてくれるのか?
そんな不安が頭をよぎります。
このロケットは全て手作りのため、作り方が悪いと、空中でバラバラになったり、パラシュートが開かなかったりするそうです。
(外側は各自マジックで好きなように塗っています。このロケットの緑色の部分が切り離されて、パラシュートが開く仕組みになっています。青い下の部分にジェット燃料を装着します。アマゾンでジェット燃料を購入すれば、何度でも飛ばすことが可能なんです!)
ロケット打ち上げに成功するための秘訣は、
わからないことは、遠慮しないで、わかっている人にどんどん聞くこと。
これが、植松社長からのアドバイスです。
植松社長はこんな話を紹介してくれました。
日米研究者の成否の明暗
アメリカと日本の研究者がロケット製作を行なった時のこと。
アメリカの研究者は成功したのに、日本の研究者のロケットはバラバラに空中分解の大失敗。
成否の明暗はどこにあったのか?
アメリカの研究者はワイワイガヤガヤと立ち歩いて
『わからないことは聞きながら』ロケット製作をしていたのだそうです。
それに対して、日本の研究者は、黙々と作業に打ち込む。
『わからないことを聞くのは恥ずかしい』そんなプライドなのか、わからないことを誤魔化してやっていた結果の失敗。
「だから、わからないことがあったり、失敗したら『やってもうた!』って手を上げてね。聞くことは全然恥ずかしくないからね」
とアドバイスをしてくれたのです。
つまり、日米研究の成否を分けた明暗は、
わからないことをわからない!とコミュニケーションを図ることができたかどうか。
ということなのです。
このアドバイスのおかげで、生徒たちはどの製作班でも、ワイワイガヤガヤとわからないことを確認する活発なコミュニケーションが生まれていました。
私も、生徒に
「これで、いいよね?あってるよね?」
何度も何度も確認しながら作業を進めました。
この間も、植松社長をはじめ、スタッフの社員さんは、
「君達は、日本の研究者よりも、『わからないことをわからない!』と言える、素晴らしい存在なんだよ。
「失敗から学ぶことはいっぱいあるんだよ」でも、聞けば防げる失敗もあるからね。遠慮しないで聞くんだよ」
200名を超える生徒達に声をかけながら、優しく見守ってくださいました。
教師(大人)は子供たちの未来に触れていることに自覚的でありたい
植松電機のロケット教室は、
「きみは可能性の塊なんだよ。なりたい自分になれるんだよ」
そんなことを魂に語りかけてくれるプログラムだと感じました。
しかし、こんな素敵なプログラムは、植松が社長自身の悲しい経験から生まれたものなのです。
ご自身が大好きな宇宙や、ロケットに関する夢を教師達に
「お前にできるわけがない」
「どうせ無理」
と否定され続け、夢を潰されかけたのです。
しかし、
「自分の好き」が困っている誰かの役に立つということがわかる。
そして、それは仕事になる!
今になって振り返れば、それが真実であることがわかります。
忘れ物ばかりする落ち着きのない、勉強のできないダメな子
のレッテルをはられ
「お前の頭でロケットの仕事なんかにつけるはずがない」
と言われた植松社長が、心折れることなく、奇跡のご縁がつながり、現在地に辿り着いたのは、
「思うは招くだよ」
といつも温かく見守ってくれたお母様の存在のおかげだとも言います。
人生を振り返れば、
まさに『思うは招く』
人生であると言えます。
もし、お母さんも
「あんた、そんな夢みたいなこと言っていないで、もっと現実を見なさい!」
と言っていたら、今の植松社長はいなかったでしょう。
そして、今回の私たちのような、素晴らしいロケット教室で心を励まされる出会いも生まれなかったことになります。
こう、考えてみると、教師や大人の関わり方は、子供達の未来にとても大きな影響を与えていることを改めて痛感しました。
私たち教師は『子供たちの未来に触れている』ことにもっと自覚的でなければ張りません。
子供達のありのままの良さを認め、可能性を信じて、関わり続ける。
当時の先生方の誰が、現在の植松社長のご活躍を想像できたでしょうか?
前例がない。無理に決まっている。
そうやって夢を潰し、可能性を奪っていた。
良かれと思ってのアドバイスが、マイナスに働いていないか?
教師としての自分のあり方を問われる思いがしました。
私のトラウマはロケットと共に天に消えた
今回のロケット教室で植松社長が仕切りに行っていたのが、
「自分は○○が苦手」って誰かに言われ続けた思い込みである。
ということでした。
私の頭にポーンっと浮かんだのが
「あんたは、不器用だね」
「あんたは数字に弱いね」
という母の言葉でした。
これ、私に刷り込まれたいたトラウマなんです。
ちなみに、数字に弱い面は確かにあるけど、「数字に弱いから」と思い込んで思考停止になっていることが多々あることに最近は気づき、誠実に数字と向き合うようになっています。
先日は、80歳になる母が
「なんか、数字のことよくわからなくて!」
とスマホの請求書の金額のことでああでもない、こうでもない!」と文句を言っていたので
「ちゃんと契約内容を確認して、請求書の数字に目を通してご覧。おかしな請求ではないでしょ?」
と数字を説明して母を諭している自分。
数字が強い母に数字に弱い息子が諭している。
ああ、私は数字に弱いんじゃないんだ。そう思い込んでいただけなんだ。そんなことをつい先日感じたばかり。
そして、今回のロケット教室。
『自分は不器用』という思い込みからの不安が湧き上がってきたんです。
「もし、ロケットのパラシュートが開かなかったらどうしよう」
「もし、ロケットが空中で爆発したらどうしよう」
『不器用』な自分がミスなくロケットを飛ばせるのか。
「いいや、丁寧にやれば、ロケットは飛ぶだろうし、パラシュートも開くはず!」
そう信じて、何度も何度も確認しながら、丁寧に作業を進めたつもりではあります。
『パラシュートが開かない』ということがないように、最終確認も完了。
10時から1時間の講演とロケット製作とあっという間の2時間。
昼食を挟んで、13時からはいよいよ発射実験です。
「どうかパラシュートが開きますように・・・」
祈るような気持ちで、ロケットの発射台に挑みます。
打ち上げ台にロケットがセットされると、
「3、2、1」のカウントダウン。
発射ボタンを押すと
シュババババーン!と数十メートル上空へ。
最高到達点に達した後は、やや下降したところで、
ロケットの先端部分(私のロケットの緑の部分)が分離し、
パッと開いたパラシュート。
ゆらゆらと風に吹かれて、ゆっくりと落ちてきます。
落下点目掛けて、急足で向かいます。
パラシュートにつながったロケットがゆっくりと落ちてきます。
最後の最後で、キャッチ!
と思ったところで、手からすり抜けた。
「ああ、もうちょいでキャッチできたのに!!」
と悔しがりながら、地面に落ちたロケットを二度見。
(あれ?あれれ??これ、自分のロケットじゃない(汗))
私のロケットはどこ?どこ?
首を360度振りまくっていると
「先生!こっち、こっち!風で流されてきましたよ!」
と生徒がキャッチしてくれてました(笑)
なんと、発射台付近に戻ってきたとか。
実は200名以上が発射実験を行なっていたので、発射台が14台あって、同時に14台同時に発車されていて、自分のロケットを目視していたつもりで、見失っていたのです😅
自分のロケットのパラシュートを開く瞬間は見逃してしまいましたが、きちんとパラシュートは開いてくれました。(ホッ)
そんな時に、心の中の幼い『そい』が
「僕だって、きちんとロケット飛ばせた。パラシュートも開いた。不器用なんかじゃないよ」
って呟いたんです。
「うん、知ってたよ。君は不器用なんかじゃないよね。良いロケットができて嬉しいよ!」
私は、そう言って、幼い『そい』の頭をなぜてあげると、彼は、笑顔のまま白い光に包まれて消えてしまいました。
シュババババーン
シュババババーン
シュババババーン
次から次へと天高く舞い上がるロケット。
そして、パラシュートと一緒に落ちてくるロケットを回収に走る生徒達。
その様子は、なんだか
夢を追いかける人生そのもののようにも見える光景でした。
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