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優秀な起業家に選ばれているコーポレートベンチャーキャピタルの3つの共通点

先日、「コロナの今だからこそコーポレートベンチャーキャピタルが投資を続けるべき3つの理由」というテーマでnoteを書いたところ、予想以上の反響をいただき、大企業に在籍されているオープンイノベーションやCVCに関わる方々からたくさんのご連絡をいただきました。

ジェネシア・ベンチャーズでは、以下のような日本を代表する大企業に、LP(ファンド出資者)として、スタートアップ支援やオープンイノベーションをご一緒させていただいています。

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また、私が理事をさせていただいている日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)では、TBSイノベーションパートナーズの片岡社長とともに、ベンチャーと大企業との連携推進を目的とする、大企業連携部会の共同部会長を務めていることもあり、CVCのキーマンとお話させていただく機会にとても恵まれています。

普段の独立系ベンチャーキャピタルとしての活動の中で、またJVCAとしての活動の中で、優秀な起業家に選ばれているCVCには、いくつかの共通点があると感じており、前回のnoteの続編として、そのあたりのポイントについて書いてみたいと思います。

1.投資の意図や目的、及び株主としての提供価値が明確である

未曽有の変化が起こっている今の時代。ほとんどの事業会社がDX(デジタルトランスフォーメーション)による変革を迫られている中で、オープンイノベーションとは、自社が目指すべき姿に向かうための戦略オプションの一つであり、CVCの役割とは、スタートアップとの結びつきを積極的に創ることで、外部の新たなテクノロジーやソリューションを取り入れるという、オープンイノベーションを成功させるための手段にすぎません。

これらを別の角度から切り取ると、自社の目指すべき姿が明確になって初めてオープンイノベーションに求めるミッションが決まり、その結果ようやくCVCとしての役割(どの事業領域に投資するのか? 事業シナジーを狙うのか?キャピタルゲインを狙うのか?など)が規定されることを意味します。

オープンイノベーション

しかし実際は、自社の目指すべき姿が持てていない状態でCVCを運用しているケースをよく見かけます。
・どの事業領域に投資をするのか? 
・事業シナジーを狙うのか、キャピタルゲインを狙うのか?
などの、CVCに期待する役割が曖昧な中で、投資予算だけが与えられているケースです。

このようなCVCの場合、優秀な起業家から見るとどう映るのでしょうか?

投資家が起業家に明確なビジョンと戦略を求めるのと同じく、(資金を出したい投資家が多数手を挙げている)優秀な起業家であればあるほど、投資家に対して、投資の意図や目的、及び株主としての提供価値を求める傾向が強く、上記のような明確な意思を持たないCVCの場合は、株主として選ばれないケースが多いのが実態です。

・どういう意図、どういう目的を持った投資なのか?
・株式を保有することで、どのような価値が提供できるのか?

について起業家に自信をもって語ることができる、投資の意図や目的、及び株主としての提供価値が明確なCVCが、優秀な起業家に選ばれていると感じています。

2.常にスタートアップ・ファーストで考えている

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これは言わずもがなですが、自社のメリットだけを求めるCVCは、優秀な起業家には決して選ばれませんし、既存株主もそのようなCVCからの資金を受け入れることに対してはネガティブです。

もちろん、持ち分法適用会社や子会社化するなど、意味のあるシェアを持つ場合は別ですが、いわゆるマイナー投資の場合であっても、独占販売権や競合を排他しようとする契約をスタートアップに求めるケースを依然見かけます

大前提として、自社の将来に強い自信を持っている優秀な起業家であればあるほど、特定の事業会社の色が付くことに対してとても慎重です。なぜならば、特定の事業会社からの資金を受け入れる(株式を渡す)ことで、その事業会社の競合プレイヤーとのビジネスに制約を掛けたくないと考えているからです。

結果として、常にスタートアップ・ファーストで考えられるCVCが株主として優秀な起業家に選ばれているのは言うまでもありません。

3.真剣にオープンイノベーションを成功させようとしている本気のチームである

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優秀な起業家であればあるほど、CVCのチームが社内政治やセクショナリズムに捉われることなく、本気でオープンイノベーションを成功させようとしているチームかどうかをしっかり見ています。なぜならば、優秀な起業家であればあるほど、株主構成も含めて、企業価値の最大化に直結する最強の布陣を敷くことに拘っているからです。

とはいえ、CVCがチームとして本気でコミットするためには、CVCに期待する役割が明確になっていることで初めて可能になります。そういう意味でも、自社が目指すべき方向性が明確になっていることが必要です。

次に重要になるのが、CVCチームの人選です。起業家は、自分の人生を賭けて、ビジョンの実現に向けてチャレンジしています。だからこそ、株主として迎える投資家にも、ビジネスパーソンとしての前に、1人の人間として、自分(起業家)のチャレンジに心の底から共感し、伴走する覚悟がある人、心の底から信頼できる人を株主として迎えたいという気持ちがあります。
優秀な起業家から選ばれているCVCのチームは、組織の規模など関係なく、1人の人間として、本当に魅力的な人が多いと感じています。

4.最後に

先日とある会合にて、多数のCVCのキーマンから今後の投資方針についてのお話をお聞きする機会があったのですが、コロナで大半の大企業が投資予算を減らすといった、メディアから聞こえてくるニュースとは異なり、その大半が引き続き積極的に投資を継続していくという力強いお言葉を聞くことができ、とても頼もしく感じたことが記憶に新しいです。

個人的には、CVCやオープンイノベーションのフェーズは少しその成熟度を増し、スタートアップと大企業の垣根を越え、スタートアップだけでも大企業だけでもなし得ない、より大きな産業を生み出していくためのネクストステージに差し掛かっていると感じています。この流れを決して止めることなく、みんなでもっと盛り上げていきましょう!

このnoteを読んでくださった人の周りに、もし大企業に在籍されているCVCやオープンイノベーションに関わる方がいらっしゃれば、是非シェアいただければ嬉しく思います。

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最後にご案内が2つあります。
①私がボードメンバーを務めている株式会社グランストーリーにて、大企業に在籍されているCVCやオープンイノベーションに関わる方に適した人材開発プログラム「Ikibito Transition Academy 第二期」を2020年6月22日より開講しますので、よろしければ是非ご検討ください。

②もしよろしければ、このリンクの下部にあるTEAM BY GENESIAにご参加ください。私たちは、このデジタル時代の産業創造に関わるすべてのステークホルダーと、一つのTEAMとして、本質的なDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現を目指していきたいと考えています。TEAMにご参加いただいた方には、ジェネシア・ベンチャーズから最新コンテンツやイベント情報をタイムリーにお届けします。
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