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詩『然』

しん しん と刻がすぎゆく
震度計の針は振れない
水深計も同様 動かない

月日ばかりが遷移してゆく
詩とはいったいなんなのだろう
つらつらと書き連ねているが
観察眼に欠けている
審美眼も拙いようだ

石英のつぶを掬って並べる
少しでも煌めくよう月の角度で
蓮の花弁のラインに沿って
目に映るものを記録してゆく
捏造でさえも純度をあげて

白日のもとに暴く
わたしのこの月の暦は
不協和音を生むことすらなく
電波に紛れてゆくのだろうが
電離圏には届くのだろうか

しん しん と刻がすぎゆく
つれづれに行を重ねた文字も
詩だと言うなら詩ではある

ルーペになにが入り込むのか
なにを届けられるかを
思案しながらまた編もう


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