手触りのある愛が、今の世の中には足りてないんだってば。
水は掴めません、水は掬うのです。
指をぴったりつけてそっと大切に
カトリックの女子校で育った私は、
聖歌を事あるごとに、微睡ながらもよく歌わされていた。
数曲猛烈に覚えているものがある。そのうちの1フレーズだ。
まあどうって事ない、
水をどうやったら掌の中に収められるか、
手ほどきをしている曲なのだが。
このフレーズから私は、
ここで言う水は愛なんじゃないかと推測した。
つかむもんじゃない、手の平全体でゆっくり大切に味わうものなんだ。
それを、すくって、ずずずっと飲ん