方言とは
わたしは関西地方の生まれで、いわゆる関西弁を使いこなす。
その中でも、京都弁が近い。
が、京都弁とはまた違う方言もはなす。
例えば、「しんどいねん」と言うときの「ねん」
これは関西弁で、「しんどいんだよ」となる。
普段はこれを使うが、80才以上の人と話すときは、実は違う方言を話す。
「しんどいぅえ」(この「え」はweと発音)
これは微妙にニュアンスがちがうのではないかと考える。
「ねん」のときは「!」言い切りに近い。
「ぅえ」の時は「?」かな?に近い。
つまり言いきっているかどうか。
これはおそらく戦後生まれかどうかで違うのでは?と経験知から結論を出した。
さて、これはいわゆる消え行く方言なのか??
なんだか、方言の定義って難しいなぁ。と思う。
こないだ読んだ橋本治さんの評論のなかで著者は若者言葉もいわゆる方言の一つだと言っていた。著者の論から推測すると、方言はその時代を映し出す、一種のコミュニケーションツールなのではないかという結論にいたる。
ということは、失われつつある方言と言うのも、もともとは若者言葉のように、誰かがコミュニケーションツールとして生み出したもの、という考えになりうる。
私たちの親の年代から使わなくなったこの「ぅえ」という言い方は今の時代よりも言葉が優しかった時代なのではないだろうか。
昔の言葉はきたない、という人もいるが、この時代の言葉は優しい言葉が多いと私はかんじる。ものを取ってほしい時に「よんでー」といったり、「え」の音で終わることによる可愛らしさをかんじる。もう使う人がほとんどいなくなった現実に、なんだか寂寥感を覚えて、メモとして残す。