山本粧子の Hola! ジャガイモ人間~ペルーからコンニチワ~┃ 第17回
ブエノスディアス!山本粧子です。
5月上旬から私は、毎週土曜日に首都リマにあるMuseo de Arte de la Universidad Nacional Mayor de San Marcos(国立サンマルコス大学美術館)が主催する「Proyectos educativos para el diálogo en museos(ミュージアムにおける対話のための教育プロジェクト)」という全6回のプログラムに参加しています。
パラカスミュージアムの館長が、ミュージアムで働く人向けにこんなプログラムがあるから一緒に勉強しにいかない? と誘ってくれて、参加することになりました。いろんなプログラムに誘ってくれるアクティブな館長に感謝です。
ちなみに、国立サンマルコス大学はアメリカ大陸最古の大学とも言われる長い歴史をもつ大学で、日本人では野口英世さんが1920年に訪れ、名誉博士号を授与されたことでも有名です。
パラカスからリマの美術館までの距離は218キロメートルありますので、神戸から名古屋までバスで行くよりさらに長い感じです。
プログラムは土曜日の午前10時から始まるため、毎週金曜に仕事が終わったらすぐにパラカスのバスターミナルへ向かいます。それから4時間ほどバスに乗ってリマへ行き、一泊してプログラムを受講し、土曜の夜にまたバスに4時間乗って帰ってくるという生活は正直そこそこ疲れますが、刺激的な首都リマに毎週行けるのは楽しく、ワクワクすることも多いので毎週ちゃんと通っています。
今回は、私がこのプログラムの合間に行ってきた韓国料理屋さんについてご紹介したいと思います。
韓国ロス
本連載のプロフィール欄にも書いたのですが、私は2016年からずっと、止まることなく韓国ドラマを視聴しています。
日本にいた頃は、足繁く韓国に通い、韓国料理を食し、ミュージカルを観劇し、美術館へ行き、化粧品を爆買いして帰るという韓国旅行が生活の一部でした。
そのため、遠く離れたペルーにいる今は、とにかく韓国成分が、なかでも特に韓国料理が足りないのです!
以前に比べると、韓国ドラマにおける食事のシーンは格段に減っているような気がしていますが、それでもたびたび登場します。やはり、見ていると食べたくなるのが人間の性です。エンターテインメントの力は絶大です。
しかし、韓国がお隣にある日本とは違い、ペルーではどこででもコチュジャンやらキムチやら辛ラーメンが手に入るわけではありません。いわんや、リゾート地パラカスにおいてをや。
韓国料理が食べたい、食べたい……と恋しく思っていた矢先に、なんと! その欲求を満たしてくれるレストランが首都リマに存在したのです!
鉱物がつまった鉱脈、Nodaji(ノダジ)
昨今の韓国人気に伴い、首都リマには10軒以上もの韓国料理店があるのですが、その中から「Restaurante Comida Coreana NODAJI」という韓国料理店へ行くことにしました。
なぜなら、SUPER JUNIOR先輩(K–POPアイドル)がお越しになったという噂を聞きつけたからです。実際お店には店主とSUPER JUNIOR先輩の記念写真が飾られていました。噂は本当でした。
ちなみに、韓国語で「金などの鉱物がたっぷりつまった鉱脈や、埋蔵金がどんどん出てくる」ことから転じて、「大当たり!」「思いもよらない幸運!」を「NODAJI(ノダジ)」というそうです。
初めて「NODAJI」の前に辿り着いた瞬間から胸が高鳴りました。お店の看板にデカデカとハングル文字で노다지식당(ノダジ食堂)と書いてあったのです。「お~! ペルーにもハングル文字が!!!!」と看板と記念撮影をしました。
お店に入ると、内装も、ドラえもんの「どこでもドア」で韓国に移動したのかと思うほどの韓国再現度で、さらに期待が高まります。
何を注文するかは、事前に何度もSNSを見てシミュレーションしていたのですが、実際にテーブルにつきメニュー表を開くと、「何を食べようかなあ」と、ふたたび悩み始めてしまいました。この時間が一番幸せでした。
複数人で行ったこともあり、キンパ、ピビンパ、スンドゥプ、ポッサム、冷麺など、いろいろな料理を注文することができました。
前菜からメインまで、ぜ~んぶ美味しい!
注文した料理が運ばれてくる前に、小皿に盛り付けられたおかわりOKのおかずたちが6~8種類ほど運ばれてきます。
キムチ、もやしとほうれん草のナムル、チヂミ、おでんと人参の和え物、などなど。ペルーではなかなか食べられないおかずが、何と食べ放題なのです。ここは天国ですか!?
一口目を口に運んだとき、もう天にも昇る心地がしました。韓国のおかず文化をしっかりペルーでも再現してらっしゃるなんて、素晴らしいと思いませんか?
もちろん、おかず以外のメインも美味しいです。
どの料理も、韓国で食べているのかと錯覚するほど美味しく、ひと時の韓国旅行を体験している気分でした。
もちろん、価格はペルーの一般的なレストランと比べて決して安くはないのですが、地球の裏側でこの食体験を私に与えてくださった店主に感謝の気持ちでいっぱいです。
ペルーでも韓国料理は人気なようで、先日土曜日の午後2時ごろにたまたまタクシーで「NODAJI」の前を通ったら、店の前に30人くらいの大行列ができていました! しかも2列でまっすぐに!
ペルーでは日本と比べて、レストランの前に大行列ができているシーンなんてほとんど見かけないため、本当に驚きました。これは絶対に、もっと空いているであろう平日に行かないといけないなと思いました。
韓国成分をテイクアウト
「NODAJI」の2軒お隣には「Assi Market(アッシ・マーケット)」という韓国食材店もあります。こちらでは、韓国ラーメンやチヂミ粉、ごま油、乾燥わかめ、コチュジャン、キムチなど一通りの韓国食材を手に入れることができます。
残念ながら、キムチなどの要冷蔵食品はいまだにパラカスへ持ち帰ることができていないのですが、なんとかこの美味しそうなキムチを私の家の冷蔵庫へ迎え入れるべく、もっか保冷バッグの入手方法を探索中です。
ちなみにこの「Assi Market」の素晴らしいところは、100S/(約4000円)以上の商品を現金払いにすると5%割引になるところです。喜んで毎回現金払いで購入しています。
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ちょっと誰得情報やねん感は否めませんが、地球の裏側でも体感できるペルーの韓国料理最前線をお届けしました。
マチュピチュへ行った帰りに、韓国料理が欲しくなったらぜひ足をお運びください。
それではこの辺りでアディオース!