宝塚で1番好きな作品は芸達者な異色スターの魅力満載/一ファンが思うこと
子どもの頃から、宝塚が好きです。
最近問題になっていることは、文末に記すとして…
宝塚の中で1番か2番目に好きな作品が、宝塚専門チャンネルで放送されると母から連絡が!
ここ数ヶ月、90年代の宝塚熱が再燃していたので、この作品観たいな〜と何度か母と話していた矢先、待望の放送決定!!
それが、1996年月組公演『バロンの末裔』。
当時の月組トップスター・久世星佳(くぜせいか)さんの退団公演でもあって、母と日比谷のほうですが観に行きました(宝塚は大きな劇場が兵庫と東京と2つあります)。
久世さんはすごく芸達者なスター。
2代前の涼風真世さんの時は悪役を任されることが多く、すぐ前の天海祐希さんの時は2番手として悪役も包容力あるおじさん役もこなせる、本当に器用な役者さん。
正直、涼風さんトップの作品で悪役やってる久世さんは、子ども心に本当イヤ〜な奴にしか見えなくて応援できなかった記憶が(笑)。
それだけ上手かったんだと、後から気づきました。
他のスターと違うのは
・都会的
・わざとらしさの少ない自然な演技
・すごく華やかなタイプではないけれど洗練されたダンディさを出せる
というところかなと思います。
もちろん、芸達者なだけでも、反対に華やかなだけでも活躍できないのが宝塚。
久世さんは芸達者よりの渋めなスター性がありました。
今も時々テレビや舞台で、脇役としてお見かけします。
「まさかトップスターだった人がこの役!?」と思ってしまうサスペンスドラマのちょい役でもサラッと出てきます(私の中で"トップスターは普通はこう"という固定観念、ありすぎですみません)。
久世さんと言えば
が大きな特徴。
特に入団の遅い若い天海さんに"抜かされた"のは、それまでも時々あったパターンでしたが話題に上がりやすいできごとで。
ご本人が当時、本当のところどんな気持ちだったかは知る由もありませんが、天海さんの退団公演の『ME AND MY GIRL』で2人が歌う姿はほのぼのしていて、好きでした。
そんな、久世さんの退団公演。
めちゃくちゃよかったんですよ。
この公演はあてがき。
その時の月組に合わせて宝塚に所属している専属の演出家がイチから作った作品でした。
恋愛、友情、没落していく貴族、ずる賢い悪役(でもちょっと憎めない)、そして別れ。
退団する久世さんにすごくマッチしていたし、辞めていくご本人と演じたキャラとが重なるような場面もたくさん用意されていて、あてがきの良さが爆発してました。
久世さん、トップ娘役=相手役の風花舞さん、2番手の真琴つばささんはじめ、みんなみんな輝いてたなぁ。
宝塚、特に退団公演の良さとは…
ここまで来るまでのスターさんの苦労を想像するし、晴れ晴れと退団していく様を観てこの後の幸せを祈ったし、こうして別れがあって次のスターが組を背負う流れがやっぱりいいなと。
一人一人にその人の人生があって、その中で今タカラジェンヌとして役を演じている。
役でありながらその人でもある、そういう世界。
人生がそのまま出てしまう感じ。
それが好きです。
残念ながら当時はまだVHSの時代で、その後DVDも販売されてないので、専門チャンネルでの放送はすごく楽しみです!
最後に、最近の宝塚について思うことを。
生徒さん(劇団員のことを生徒と呼ぶのが慣例)が亡くなり、いろいろと見直されている段階かと思います。
これを書かないと、宝塚のことをnoteに書いてはいけない気がして。
…と言っても、事情に全く詳しくない、ただの昔からの一ファンです。
よく観ていたのが90年代00年代くらいなので最近のことは追えていないのもあり、ただの昔からのファンとしては良いものは残して、ダメなところは改善してもらえたらと切に願っています。
女性ばかりの世界だし、そもそもどんな世界でも人と人、何も問題が起きないわけはない。
まして芸術とか、芸能とか、特殊な世界ではなおさらじゃないかとは思ってます。
誰が抜擢されるか、スターになるか、いろんな人の好みがある中で決まるわけだし。
それを前提として、今回のような悲しい結果が起きない対策が取られるといいなと切に願っています。
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