Info-Dオルタナティ部vol.6「情報デザインクロニクル共同編集:ソフトディバイスの歴史を題材にして」のレポート
noteにて「ソフトディバイスの歴史」を公開し始めてすぐに、デザイン学会の情報デザイン部会「Info-D」の方々が連載に興味を持ってくださり、Info-Dの有志によるオンライン勉強会「オルタナティ部」にて、話題提供をすることになりました。Info-Dの歴史も長く、今年は20周年の年だそうで、振り返りの年にしていきたいと考えられていた幹事さんが連載を目に留めてくださり、Info-Dの振り返り活動のよいきっかけになるのでは、とご提案をいただきました。
開催概要
当日の話題
当日は、miroに書かれたソフトディバイスの歴史年表を見ながら、UI界隈で活躍されていた参加者の皆さんに当時のエピソードを語っていってもらいました。
UIをプロトタイプするツールがまだなく、かなり詳細なところまで紙に描いて設計していた1985年前後。のちにビデオワークスやハイパーカードが出現しツールを使ってプロトタイピングする時代へ。そしてDirectorやFlashの登場でリッチな動きを含んだインタラクションのデザインを、紙のスケッチのように試行錯誤してくことが可能になっていきました。様々なツールが現れていくときに、使い慣れたツールから移行する時の苦労のエピソードも多く話題にあがりました。
また実世界志向UIが研究分野で盛り上がっていた1990年代後半。ソフトディバイスではハードウエアを使ったプロトタイピングは、既存のデバイスをハックしたり改造したりでの制作となり、デザイン事務所であるソフトディバイスでそれができるのは一部のメンバーのみの状態でした。のちのGAINER(や、のちのArduino)の登場でそのハードルが格段に下がり、ハードウエアのプロトタイプがスケッチ感覚で行えるようになりました。ソフトディバイスでも在庫がなくなるほどGAINERを買い占めてプロジェクトで利用していた記憶があります。工学的な考え方とデザインの考え方が融合していった情報デザインの歴史が垣間見られます。
また、「society5.0」や、これからのデザイナーの役割についても話題にあがりました。デザイン思考が社会に浸透していくなか、インタラクションデザインのような繊細なデザインの領域とはまた違う、社会問題の解決もデザイナーの役割となりつつある昨今。専門性やコミュニケーションが複雑にからむような問題に対して、デザイナーは、必要なスキルをもった人を集めて「問題を解決していく場を作る」ような存在になっていくのではないでしょうか。
私たちソフトディバイスにとっても、よい振り返りの場となりました。Info-D幹事の皆様、参加していただいた皆様、ありがとうございました!!
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