原点の「白」と革新の「イエロー」。2つの色に込めた意味
こんにちは、マーケティング・コミュニケーション部の中澤です。
久々のnote更新となりました。
今回はホークスにまつわる『色』のお話しです。
今年、ホークスは2つの新イベントの開催を発表しました。
どちらも入場者全員にユニフォームを配布して、チームとファンが一体となって盛り上がるイベントですが、込められた意味合いは少し異なります。
なぜ、今年2つの新イベントを立ち上げるに至ったのか。
その経緯や想いを、それぞれのテーマカラーの視点から、2人の担当者に話を聞いて深ぼっていきます。
■原点の「白」
今となってはプロ野球界で当たり前になった入場者全員へのユニフォーム配布イベント。その起源となったのが2004年、前身のダイエーホークスでした。
イベントの名は「白の奇跡 福岡ドームからの挑戦」。
当時は球場でみんながユニフォームを着て応援するスタイルではなかったことから、ドーム一面が真っ白に染まる『奇跡』を見てみたい、そして集客に苦戦する日曜ナイターの試合で球場を満員にするんだという強い想いで野球界初の取り組みに『挑戦』したことが、名前の由来だそうです。
3年連続で優勝を逃した昨年秋のオフシーズン、ホークス社内では来季の方針について様々な議論が交わされていました。
イベント設計を考えるにあたり、マーケティング企画部の稲永大毅さんは「小久保監督を迎える新体制の中にあり、各方面で『原点』というワードが口々に出ていた」と振り返ります。
ホークスにとっての原点と言えば、ソフトバンクホークスとなってから一度もデザインを変更することなく守り続けてきたホームユニフォーム。そして、球界の先陣を切って現在まで続けてきたユニフォーム配布イベント。
ちょうど2004年の白の奇跡開催から20年目の節目でもあったことから、原点イベントの復刻という決断に至るのは自然な流れでした。
「伝統を大事にしない球団はファンの方には受け入れてもらえないと思っています。守るべき伝統と革新すべき場所、双方を見極めることが大事」と話す稲永さんに、理想のエンタメとは何か聞いてみました。
「エンタメって、答えがない。今までも、これからも、やっぱり独りよがりじゃなくて、作る側と楽しむ側、両方で作り上げる空間にしたいと思っています。」
場内演出に加え、お客さんが身に着けるユニフォーム、そしてペンライトで創り上げる幻想的な空間。白のキセキ当日に見えた景色は、ホークスが目指すエンタメの、一つの答えになっていたのではないでしょうか。
■革新の「イエロー」
そして、もう一つ議論が重ねられていたのがホークスにとっての一大イベント「鷹の祭典」の未来について。
白の奇跡から20年続けてきたユニフォーム配布イベントに対して、社内ではマンネリ化を危惧する声も上がっていました。
「お客様に対して何を提供したいのか、改めて考え直すところから始めました」と話すのは鷹の祭典のリブランディングを仕切ったブランド戦略室の上木原さやかさん。
「議論を重ねていると、見えてくるのはやはり私たちの創るエンタメで驚きや感動を生み出して、お客様に楽しんでほしいというシンプルな気持ちなんです」
たどり着いたのは、イベントコンセプトの刷新とこれまで慣れ親しんできた「鷹の祭典」という名称を変える決断。
転換期となる大事な1年の象徴に選んだユニフォームカラーは、ホークスのチームカラー「レボリューションイエロー」です。
今でこそソフトバンクのブランドカラーはシルバーとなっていますが、元々は坂本龍馬の海援隊がモチーフとなったソフトバンクが目指す「情報革命」の旗印・イエローの2本ライン。その志を継承して、日本の野球界に明るく革命を起こすという意味でソフトバンクホークス誕生時から使用しているホークスを象徴するカラーです。
「色々なデザインを検証しましたが、新しいことをするからこそ、原点に帰ることが必要なのかなと。名称変更を機に、マンネリを打破して新たなレボリューションを起こしたいという想いで、今年はこのデザインに決めました」
野球だけではない。球場だけではない。ファンと福岡の街と一緒に創り上げる新たな夏のエンタメイベントへの進化を宣言した今年。
上木原さんの掲げる理想は、まだ野球を知らないファンにホークスが創るエンタメの楽しさを伝えていくことです。
「私は元々野球をそんなに知らなかったからこそ、入社して初めてドームに来た時に感動したんです。その感覚は野球が楽しかったというよりも、あの空間にいることで味わえたもの。その体験をもっといろんな人に、まだドームに来たことがない人にも感じてもらえるようになったら嬉しいです。」
イベントの名称は、鷹の祭典から「鷹祭 SUMMER BOOST」へ。
今年の夏はドームを飛び出し、福岡の街を巻き込んで、どんな楽しい1か月を作れるでしょうか。
私たちもまだ全貌は想像がつかないですが、新しいことが始まるこのワクワクする気持ちにできるだけ多くの人を巻き込み、面白いイベントにできたらと意気込んでおります。
<DJ、大道芸、お笑い…エンタメ要素盛りだくさんでお届けした発表イベントの様子はこちら>
■白とイエロー、2つの色に込めた想い
今回のnoteでは、2024年を象徴する2つのイベントに込めた想いを『色』を切り口にお伝えしました。
自分たちの色にこだわる球団もある中で、ホークスファンで染まる応援席は多種多様。カラフルなユニフォームで染まっていたり、複数カラー展開のグッズが売られていたり、色へのこだわりは少ないと言えます。
「毎年同じ色でやるより、違う色に染まって、毎年違う体験を提供できる。意思決定の基準が「どうやったらもっと楽しくできるか?」なので、枠にとらわれることなく面白いエンタメを創っていきたいです(稲永さん)」
「数字がすべてではなく、ロジカルではない部分もありますよ。「それ、ほんとにやっちゃうの?」ということもやってしまうのが、ホークスらしさなのかな。エンタメを追求することは、野球の未知なる可能性を広げることだと思っています(上木原さん)」
ホークスは、これからも原点を忘れずに、挑戦を続けていきます。
ファンの皆さまも、ぜひ一緒に次の挑戦を楽しんでいければ幸いです。
(マーケティング・コミュニケーション部 中澤 佑輔)
☆白のキセキ <5/22(水):大阪、7/2(火):東京>
☆鷹祭 SUMMER BOOST <7/26~28、8/2~4:福岡>