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目を引くタイトルに驚く。崎谷博征『糖尿病は〝砂糖〟で治す!』

常識を覆すようなタイトルにひかれてつい手に取ってしまった。

糖尿病では甘いものは厳禁という固定観念にとらわれていたからだった。それを崎谷は覆して見せる。
厳禁じゃなくて、その砂糖で糖尿病を治すのだという。

おいおい、本当かいな?

謂わんとすることは、こうだ。

メインストリームの医学では糖尿病というのは、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が慢性的に高い状態が続く状態である。その原因はすい臓のβ細胞から分泌されるインスリンの不足によっておこる。慢性の高血糖状態が続くと毛細血管など体の中の細い血管が障害される。これが、神経障害、網膜症、腎症という三大合併症を引き起こす。太い血管も内側を傷つけるので動脈硬化を進行させる原因になる。

このような理解であるから、治療は高血糖を治す治療となる。生活習慣の指導、そして経口の薬物療法、インスリンの投与が検討されるとしている。

それに対して、崎谷は血糖値を治したって、糖尿病は治らないでしょうという。ざっくばらんに言うと糖尿病は糖代謝の不全であるから、糖代謝を復活させることだというのだ。糖代謝不全が原因なのであるから、糖代謝を元に戻せばいいということだ。血糖値はあくまで指標であり、結果だから、それにとらわれていても一向に治らないというのだ。

まさに、その通りで、10年以上薬を飲んできたけれど、いっこうになおらないという不満を聞いたことがある。これはⅡ型糖尿病のひとだったけれど。

じゃあ、どうすればいいのかというと砂糖(スクロース)は果糖(フルクトース)とブドウ糖(グルコース)の二糖類(六単糖の糖が二つくっ付いている糖)を使って、もとの健康な生命場に戻すのだという。ブドウ糖が糖代謝の基本であるし、果糖は速やかに代謝される糖だ。このふたつが糖代謝を促進させる。


大きな原因は、脂肪酸の代謝が優先されているからで、脂肪酸代謝が始まるとブドウ糖代謝は抑制される。逆にブドウ糖代謝が亢進されれば、脂肪酸代謝は抑制される。これを「ランドル効果」というそうだ。脂肪酸の中でも一番よくないのが、多価不飽和脂肪酸で(ω3,ω6系)でプーファ(PUFA)と呼んでいる。この脂肪酸が血中に豊富にあるとブドウ糖代謝をブロックしてしまうのだという。
じゃ、どうするのか?
答えは、日常の食事から「植物油脂」と表示されているPUFAを極力取らない、砂糖、果物、はちみつを摂るという答えを出している。
とくに、この多価不飽和脂肪酸というのが曲者で、先の「看護roo!」の代謝図ではブドウ糖がピルビン酸に代謝される過程で、果糖は直接入ってくるので代謝が早いのだけれど、PUFAはブドウ糖が代謝される過程で、ここに働く酵素をブロックするという。しかし、果糖は速やかに代謝されるので、このブロックを回避するというのだ。

私の若いころに習った知識によると、果糖(くだも類のこと)を取りすぎると、代謝が早いので、エネルギーになり切れずに脂肪になって太るといわれていた。果物の食べすぎに注意しましょうということだった。
ですが、まったく逆だったんですね。

PUFAはそれだけではなく、細胞内で代謝されたブドウ糖はピルビン酸になる。それがミトコンドリアに入ってアセチルCoAになる。そこで働くのがピルビン酸脱水素酵素だ。しかし、PUFAはこれをブロックするというのだ。結局、TCAサイクルが回らないので、糖の不完全燃焼が起きる。エネルギーの正体であるATP(アデノシン3リン酸)が大量に産生できない。

PUFAフリーが根本治療になるということだ。

このことを我が足揉み健康法である官足法に引き戻せば、どう解釈すればいいのだろうか?
これまでの概説書では、「胃⑮、十二指腸⑯、すい臓⑰の反射区をもむ。飲食に注意」とある。しかし、これは従来のインシュリン不足説によるもので、インシュリンを自己のすい臓から出せればいいというものではないだろう。インシュリンで細胞内に押し込んでも、中で渋滞しているので、濃度勾配によって細胞外に出てくる。すると高血糖になるので、あまり意味がない。

これを崎谷説で読み解けば、全身の新陳代謝をよくすることだ。そして、食事に注意は同じ文言になるけれど、脂肪をとらない、糖に関しては逆になるということだ。
糖と言ってもデンプンはだめで、砂糖・果糖を取れということだ。

そして、新陳代謝をよくするというなら、それは甲状腺⑫の反射区ということになる。とくに、甲状腺ホルモンは糖の代謝にとって不可欠なのもだから当然と言えば当然である。

でも、足裏・甲そしてふくらはぎからすべてを揉んだ方がいいというのは変わりないのだけれど。

創始者の官有謀は「糖尿病など幼稚園程度の病気。簡単に治ります」と言い切っている。
美食・飽食・ストレスとよって糖代謝不全に陥っているのであるから、元に戻してやればいいのだ。

崎谷博征のホーリスティクな考えは、官足法にも通じるものだと思った。





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