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うれしい先生

泣いている子がある。涙は拭いてやる。
泣いてはいけないという。
なぜ泣くのと尋ねる。弱虫ねえという。
……随分いろいろのことはいいもし
してやりもするが
ただ一つしてやらないことがある。

泣かずにいられない心もちへの共感である。

お世話になる先生、お手数をかける先生
それは有り難い先生である。
しかし有り難い先生よりも
もっとほしいのはうれしい先生である。
そのうれしい先生は
その時々の心もちに共感してくれる先生である。

倉橋惣三【育ての心】「廊下で」より

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保育士や教師を目指す者にとっては
有名な倉橋惣三。
その他の多くの人々へも
影響を与えているであろう彼の言葉が響く。

スタッフの智ちゃんと
「うれしい先生」について話した。
彼女とは発達支援「ひまわり教室」を
立ち上げた時からの付き合いで、もう20年になる。

何気なく・・・雑談のように話す内容こそが
支援や活動に対して、とても深いものだと感じる。

私たちは子どもたちにとって、保護者にとって
「うれしい先生」になれているだろうか。

今日の給食でYちゃんが苦手な野菜を食べた。
智ちゃんが「わぁ!すごいねぇ。」と言った。
私も「わぁ!すごい、すごい!」と言った。

Yちゃんは、とても誇らしげに全部食べた。
「えらいね。」でもなく「上手!」でもなく
「すごいねぇ。」と湧いた光景が私は嬉しかった。

転んで泣いた子に
「痛かったねぇ。だいじょうぶ?」と声をかけると
周りにいた子どもたちも
「だいじょうぶ?」と声をかける。

泣いている子を抱っこして
「治れ、治れ。」とさすってあげていると
そのうち、すっと降りて走っていく。

何気ない・・・日々の保育の風景。
子どもにとって、保護者にとって
うれしい先生であることに向き合い続ける。

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