水曜日のダウンタウンの藤井健太郎、UXデザイナー説
すごくUXデザインしてると勝手に思っています。
水曜日のダウンタウン、大脱出、KILLAH KUTSなど、藤井さんの創り出すユーザー体験にことごとく圧倒されてきました。
最近で言うと、やっぱりインパクトが強かったのは
名探偵津田
じゃないでしょうか。
本当は番組のキャプチャを載せたいところですが、敬意を表して留まりました。
今回の名探偵津田の特に目を見張る部分は、
ステークホルダーの多さ
シナリオの複雑さ
です。
ステークホルダー
これだけステークホルダーが多くシナリオが複雑だと、誰にどのタイミングでどのような価値を届けるのか、のシミュレーションがかなり重要になってくるはずです。
このシミュレーションには、UXデザインプロセスが最適に思います。
[ 誰に ]
ペルソナ法が使えそうです。
[ どのタイミングでどのような価値を ]
カスタマージャーニーマップが使えそうです。
そもそも「ユーザー」は誰なのか?
このコンテンツの「ユーザー」は一体誰でしょうか。
もちろん僕を含めた視聴者がそれにあたると思いますが、ステークホルダーの複雑性が、価値提供の難易度を格段に上げています。
例えば、美容室であれば「髪を切りに来た客」に直接的な価値を提供すれば良いのですが、名探偵津田の場合、ユーザー(視聴者)が求めているのは津田さんの面白いリアクションなので、まずは津田さんを価値提供のターゲットとする必要があります。
VTRを観覧するスタジオの盛り上がりも、ユーザー(視聴者)の体験にとって重要な要素に思います。
つまり藤井さんが価値提供するユーザーは以下のように3段階に分かれています。
コアコンテンツは津田さんのリアクション
とはいえ、やはりコアとなる価値は「津田さんのリアクション」に尽きると思います。
津田さんに良いリアクションをさせることが、このコンテンツの価値を最大化します。
つまりユーザー(視聴者)の分析より、ユーザー(津田さん)の属性を知ることが重要に思います。
どういう仕掛けをすれば、どういうリアクションをとるのか、それをある程度計画通りに進めるためには、津田さんの特性を良く分析する必要があります。
津田さんのペルソナ
津田さんの特性をよく知る製作陣の方々にはペルソナは不要かもしれませんが、チーム全体で「誰に仕掛けを届けるのか」の認識合わせとして、ペルソナに似た資料は作成しているのではないでしょうか。
1の住人と2の住人
さらにココに「世界線の交錯」というシナリオの複雑性が掛け合わされます。
今回の事件の発端は、別のロケ企画VTRを観覧するスタジオでの収録中であったため、1の世界と2の世界がシームレスに切り替わりました。
さらには別のロケ企画VTRの中にも「1の住人」が紛れ込んでおり、そのVTRを、「2の住人」である津田さんとみなみかわさんが「1の世界」で見ながら推理する、と言う状況もあってかなりの複雑性をもっています。
そんな複雑な世界線で、どのタイミングでどういう仕掛けをすれば、津田さんのリアクションを最大化できるか、行動と感情にフォーカスした資料も作成しながら打ち合わせしているのではないでしょうか。
津田さんのカスタマージャーニーマップ
これはいわゆる収録を終えた後のAs-Isなのでカンタンに作れましたが、藤井さんの場合この複雑なシナリオと感情線をTo-Beで設計していくわけなので、とても難易度が高いように思います。
複雑な体験を設計して価値を提供する
以前から藤井さんのコンテンツを観るたびに「こんな複雑な体験設計、どうやって作ってるんだろう」と常々想像していたので、その妄想を今回記事にしてみました。
なにかしらの次回作が本当に楽しみです。
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