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聴力と認知症

むかし、ドリフターズのコントで、耳の遠い神様を志村けんが演じていた。

「あなた、神様ですか?」
「ああ?」
「あなた、神様ですか?」
「なんだって?」
「あなた神様なんですか(大声)」
「とんでもねぇ、あたしゃ神様だよ」

老人が耳が悪いのは当たり前、なんて大らかな時代だったから、腹を抱えて笑っていました。今は補聴器もいいのがあるから、昔に比べれば、聴力の悪いひとも恵まれているでしょう。

聴力検査

まずは、閉所恐怖症なら耐えきれないような、暗くて狭い、街角のコワーキングスペースのような場所に入れられます。

「ピーっとなったらのボタンを押してくださいね」。看護師さんにそう言い渡され、しっかりしたヘッドホンを耳にかける。

急に心音が気になりだすけど、メインはそちらではない、耳のほうである。急に静かな環境に押し込められるからか、耳鳴りが聞こえる気がするし、いや、ここで押したらマジメにやってくださいと怒られるかもしれないぞ。おじさんなりに心が揺れる。

しばらく待つと、低音から高音まで、明らかな機械音が聞こえてくるので、安心してボタンを押す。少しでも早く押したいけど「いや、これはまだ気のせいだ」などと、どこからか出てきた自尊心が私を引き留めたりするのが厄介です。

聞こえの大切さ 認知症リスク

信頼できるソースとして、国の機関のWebサイトのリンクをはりましたが、耳の聞こえが悪いと認知症になるリスクが高くなります。孤独によるうつ病と並んでトップを占め、いわゆる生活習慣病よりも、リスクが高いとは!

専門的な話はさておき、加齢で耳の細胞が衰えるのは必至です。高齢者は聞き返しを咎められるのがイヤで、聞こえたつもり、わかったつもりで行動して、周囲とあつれきが生まれることもあります。

年寄りの家のテレビの音が大きいのは、致し方ありません。音もない環境で孤独に過ごすくらいなら、多少賑やかなほうが絶対にいい。独居による孤独により、本人が聞こえの悪さに気づかない場合もあるので、周囲が気にかけるしかないですね。

CODA

Children of Deaf Adults、聾唖者の子どもをコーダと言います。親のどちらか、もしくは両親が聾唖者だと、子どもは「家では手話、外では言語」となり、言語発達の問題や親へのケアギバーともなるケースがあるそうです。

拙文で語れるような軽いテーマではないので、興味のある方はぜひ、「コーダ」で検索していただいて、気になる専門書をお読みください。

余談ですが

私は右の鼓膜があまりありません。小さい頃に近所の悪ガキにイタズラされたと母は言っていました。「鼓膜に穴があいてるのよ」

だから、プールで耳に水が入るとすぐに中耳炎になる。クロールなんて、水がジャブジャブ入ってくるので、私はいまだにカナヅチのままである。

いちど耳鏡でみてもらったところ、せいぜい滋賀県における琵琶湖(6分の1)くらいの穴だと思っていたら、世田谷区にくっつく狛江市くらいの鼓膜の面積で驚きました。

「穴があいているのではなく、気持ち鼓膜が残っている」のが性格な表現で、私はそれ以来、洗顔時も慎重に水が入らないようにしています。

おかげで、骨導イヤホンを愛用していますが、お金を貯めて再生手術というのも、将来の認知症防止のために、検討しちゃいますね。

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