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所信表明:日本の現状と自分にできること

年が明けました。

ここでは、今の日本の現状を踏まえながら僕らに出来ることを考えつつ、今年自分が何をやろうとしていることをぼんやりお伝えさせていただきます。

人は誰しも、認知に基づいて判断し、不足を補う行動をとります。
栄養が不足すれば栄養を、愛着が不足すれば愛着を補うのです。

愛着については五感で補給します。
慣れ親しんだ味や香り、好きな音楽や芸能人、身近な人の声や肌に触れるなど愛着のある何かで補います。愛着は習慣性があるから嗜む程度なら問題ないけど、人間関係の愛着形成が不完全だと特定の何かに依存するリスクも有りますね。でも、これはすべて脳の習性です。

認知については経験で形成されます。
自身の認知を批判的に見れる脳は、未知の見解を受け容れて、自ら認知を更新します。しかし認知の変化すなわち自己変容には自己批判を伴い、精神的に膨大な労力を費やします。

それに耐えうる力が脳に無いと、脳は現状維持バイアスを発動しがちです。自身の認知と合致していれば正しいと判断して「腑に落ちた」とか「肌感覚でわかる」と表現します。逆に、相容れないと誤りだと判断して「聞いたこと無い」などと表現されます。こうして未知の見解を懐疑的に見るのです。

このように、自己変容から免れがちな現状維持バイアスは、全て脳の習性によるものです。人が悪い訳ではありません。

イノベーター理論でいうと、未知に触れて自己変容が出来る人はアーリーアダプターで、自己変容を避けがちな人はメインストリーム。そのアーリーアダプターとメインストリームとの間に非常に大きなキャズムがあります。

東大IPCホームページより

メインストリームは、似た者同士の噂やTwitterから情報収集する傾向があるので固定観念を強化しがちです。すると一層、未知への拒絶が強まって、現状維持バイアスが発動しやすくなります。これも全て脳の仕業です。

誰が悪いわけでもありません。
環境の影響を受けた脳の習性なのです。

しかし、その環境は私たち市民が望んだ環境でしょうか?
今の日本を見ると非常に疑わしく思うのです。

2023年、与党派閥の裏金問題が発覚し、大手プロダクション創業者による戦後最大の性犯罪が公になりました。他にも大阪万博の予算肥大化や、ベテラン吉本芸人によるセクハラ・パワハラがありました。これらの事件化は昨年のことですが、問題視した声を上げづらいなど、権力者に都合が悪い声が封殺されるような環境は何年も潜在していたものです。
そんな環境は、市民が望まないところで着実に作られてきました。

政治はお金がかかるのは選挙対策。
ならば有権者も含めたネットワークは極めて大規模でしょう。権力者が「あり」なら「あり」だし「無し」なら「無し」。そんな環境に居ると「力のある者には跪くもの」という幼稚な認知(観念)が脳に刷り込まれます。

政治と広告代理店の繋がりも当然になってしまいました。
広告代理店は五感に訴えて行動変容を促すプロ。政治が彼らを悪用すれば脳の習性を政治利用できる。まるで大衆が自らの自由意志を持って裏金システムに加担するような行動を促せます。「選ばされた」ことに気づかない大衆は何の疑問を持たず、腐敗した政治経済システムを支持してしまうのです。

これも有権者の責任ではありません。脳の習性を悪用した者の責任です。
もはや安倍政権のトリクルダウンとは、票とカネが取引されて強者優位を確かにする裏金依存の政治経済システムだったのか?と思わざるを得ません。

第2次世界大戦でユダヤ人虐殺の責任者を務めたアドルフ・アイヒマンの裁判記録を出版したハンナ・アーレント(役)は(映画で)こう言ってます。

彼(アイヒマン)は”自発的に行ったことはなにもない” ”善悪を問わず、自分の意志は介在しない” ”命令に従っただけなのだ”、と検察に反論しました。こうした典型的なナチの弁解でわかります。世界最大の悪は、ごく平凡な人間が行う悪です。そんな人には動機もなく、信念も邪心も悪魔的な意図もない。人間であることを拒絶した者なのです。そして、この現象を私は”悪の凡庸さ”と名付けました。

映画「ハンナ・アーレント」より

為政者が市民のモラルを完全崩壊して、人間として無力化させる。
日本も、その「悪の凡庸さ」を再現しているように映りませんか?
もはや政治家全員、誰かの命令に従っているだけかも知れません。

この国の仕組みは、人間であることを放棄しないと生きていけないような、絶望的構造に近づいていないでしょうか?

一部の著名人から、この現状を変えたい情熱を感じます。山本太郎さん、泉房穂さん、玉川徹さん、小泉今日子さん、せやろがいおじさん、森永卓郎さん、坂上香さん、ブレイディみかこさん、内田樹さん、みんな命懸け。

先日、広島県安芸高田市の財政説明会をYoutubeで見ました。
現市政を支持する高齢の市民が、反発した市民による噂話を問題として、強めに市長に改善を求めていました。たぶん彼はキャズムの向こうのアーリーマジョリティ。市長の支持者を増やしたくても反対勢力が多勢過ぎて無力感に苛まれている。彼の孤軍奮闘状態が解消すれば状況は一転するでしょう。

今年、自分はキャズムに架け橋を掛けたいです。著名人の言葉が届かないところで、自分なりにわかりやすくお役立ち情報を伝えていきます。
(もちろん、もっと短文で)

今年もよろしくお願いいたします。

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