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社会人A
2020年11月8日 22:20
夜の新宿駅東南口には雨宿りする人に溢れていた。急な雨に佇む事しかできない僕は、壁に寄りかかながら、足早に歩く人々を眺めていた。みんな、そんなに急いでどこに向かうのだろうか。そして、僕は何処へ行けばいいのだろうか。こういう時に限って、あの子から連絡はない。彼女Aと最後に会ったのは今年の新年会だ。どうでもいい二次会を抜け出して、僕たち夜の街を彷徨っていた。すっかり酔いは覚め、昔話に夢
2020年8月23日 22:56
あまり話さない過去のトラウマを、アルコールのせいにして彼女Aに打ち明けた。(彼女Aは恋人ではなく、僕が一方的に好意を寄せているだけだ)僕は明るく話したつもりだったけれど、彼女Aは必要以上に共感していた。僕は笑いながら「昔の話だから、俺はもう大丈夫だよ」と言うと目を真っ赤にした彼女Aが「例え過去の話でも、傷ついた事には変わりはないでしょ」と言った。その言葉を聞いた時、こんなに優しい人が世界にはい
2020年9月13日 13:42
いつかこの気持ちを無かった事にしてしまうのであれば、今伝えておいた方がいいかなと思った。僕はその程度の理由で告白をした。出来るだけ飾り付けはしないように、それでいてピンセットで摘むように言葉を選んだ。勿論、この告白は自分へのケジメで、彼女Aから了承を得るためのものではなかった。それでも予想通りの返答が来ると、何処かで期待していた自分がいた事に気づく。そこから彼女Aと別れるまで何を話していたかは