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社会人A
2020年9月6日 20:40
「スカイツリーまで」故郷離れた東京で酔っぱらった僕達は、深夜2時にタクシーに乗り込んだ。片道8000円の大冒険。少し空いた窓から淀んだ夏の空気が吹き込んでいた。明日も仕事だ。その事実が僕に高揚感を与えていた。運転手が少しアクセルを踏み込む。まるで空を駆けるよだかのように首都高をタクシーが駆け抜けていく。さっきまで馬鹿騒ぎしていた友人達は各々窓の外を眺めている。なんらかの不安を抱えたタクシーは