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【レビュー】クロスが全然合わない Copa del Ray2回戦 UB コンケンセ - レアル・ソシエダ
スペイン国王杯、コパ・デル・レイの2回戦。
レアル・ソシエダの相手は4部の UB コンケンセ。
直近に行われたELアヤックス戦と、リーガ第15節ベティス戦で消耗したソシエダは、ここでターンオーバーを図る。
心配なのは当然、一発勝負であること。
前日に行われた同2回戦で、ジローナとビジャレアルが敗退したことも他人事とは思えない。
コパデル1回戦はこちらから
チームコンディション
📋 Biharko partidarako 𝗱𝗲𝗶𝗮𝗹𝗱𝗶𝗮. AUPA REAL!!!#CopaDelRey pic.twitter.com/gz96yUARul
— Real Sociedad Fútbol (@RealSociedadEUS) December 4, 2024
久保とアゲルドはお休み。
スターティングメンバー
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直前のベティス戦からは11人すべて入れ替え。
コンケンセの右SH吉村祐哉選手は、中学卒業後からスペインでプレーしているという異色の経歴の持ち主。
すごいですね。
試合結果
1ー0
得点者:ブライス
🔚 Amaiera. Helburua lortu dugu. AUPA REAL!#CopaDelRey pic.twitter.com/ZfB34aeAQR
— Real Sociedad Fútbol (@RealSociedadEUS) December 5, 2024
チームスタッツ
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ほとんどの時間を攻撃に費やし、圧倒していたにも関わらず、ビッグチャンスは1。ゴール期待値も高くない。
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シュート位置
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個人スタッツ
今回は個人スタッツの発表がありませんでした。
試合内容
大外の空け方
スタメンを全員入れ替えたとあって、ここ数試合のソシエダとはさすがに攻め方がかなり違った。
コンケンセのディフェンスはローブロックで構える、5−4−1のゾーンディフェンス。
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それに対してソシエダは、左WGマグナセライアを中に絞らせる。
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インテリオールのマリンとオラサガスティは、ライン間にポジショニング。
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マグナセライアとマリンがディフェンスを引きつけることで、大外のハビ・ロペスが空く。ここをウルコやオラサガスティからのサイドチェンジで狙ったり、マリンを経由したりして使う。
というのが左サイド。
右サイドは少し違う。
左のマグナセライアが中に絞っている時間が長いため、サディクの対応がCB5番&16番になることが多い。
このため、オラサガスティが裏へ抜ける動きを見せると、それには左SB3番が対応することになる。
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これによりベッカーが空く。
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こうした形をベースに、序盤からサイドで起点を作り、多くのクロスを入れることに成功する。
さらには、時に中央からの仕掛けやスルーパスを混ぜることで、だんだんとコンケンセの5−4ブロックが潰れていく。
前半21分。
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コンケンセのディフェンスラインの間隔はかなり狭まり、中央に集まってきている。
ソシエダにとっては、ますます大外を使いやすい状況が作れている。
クロスが全然合わない
この試合はCFがサディクということで、両サイドの深い位置にボールを届け、クロスまで持っていくプランをしっかりと実行できていたのはとても良かった。
ただ、クロスが全然合わない。
これにはいくつかの要因が挙げられる。
・ピッチコンディションが悪く、クロスの精度が落ちる
・5−4のローブロックため、中のディフェンスが多い
・サディク以外、背があまり高くない
・クロスに対する練度が低い?
考えてみたいのは最後の、練度に関するところ。
そもそもソシエダの攻撃は、シンプルにクロスを上げて頭で合わせるスタイルではない。
だからチーム全体として、どんなクロスを上げて、どの地点で合わせるのかという実戦レベルでの共通認識が乏しいように思える。
しかもこの試合は、サブを中心としたメンバーであるためなおさら。
中でクロスを待つ3人が同じタイミングで同じ方向に走り込んでしまっていたり、逆に1人もニアに飛び込めていなかったり。
バレネチェアが入るまで、クロス自体もハイボール一辺倒だったり。
サディクのための作戦だったとは思うが、そもそもサディクはヘディングが得意なのかどうかという根本的なところまでついつい考えてしまう。
ちなみにブライスが得点を決めたシーンも左からのクロスだが、こちらはひと味違う。
良かったら 1:28〜 どうぞ。
📺 RESUMEN #CopadelReyMAPFRE
— RFEF (@rfef) December 5, 2024
🆚 @UBConquense | 0-1 | @RealSociedad
⚽️ 0-1 | Brais Méndez (92')
#LaCopaMola 🏆 | Segunda eliminatoria pic.twitter.com/WbaIysDwX1
中を見てスピードをセーブするブライスと、セルヒオ・ゴメスの優しいマイナスクロス。
2人のクオリティが際立つゴールだった。
総評
スタメン総入れ替えで臨んだ一戦だったが、後半途中から主力選手を5人出すことになってしまった。
それでも、疲労が溜まっていたであろう面々をしっかりと休ませられた上で勝てたことは大きい。
90分で試合を決められなかったり、ここでも決定力不足を露呈してしまったりと課題はもちろんあるだろうが、とにかく勝ったことに意味がある。
— Real Sociedad Fútbol (@RealSociedadEUS) December 6, 2024
余談
ソシエダは悪条件のピッチに強い?
先ほどチラッと出てきたピッチコンディションの話。
普段リーガの試合が行われているピッチに比べて、この試合はピッチコンディションがとても悪かった。それによりクロスはもちろん、トラップもドリブルもミスを生じてしまうシーンが頻発。
ただ、意外とソシエダはピッチコンディションの悪さと相性が良いように思える。
というのは、ミスによりロストした時のトランジション(ネガトラ対応)が徹底されているから。どちらのチームも足元でのミスが増えるのであれば、そのミスをリカバリーできる力のあるチームの方が、悪条件のピッチで有利に戦える気がする。
ソシエダはこの試合でもネガトラでのプレスが早く、即時奪回が行えていた点はとても素晴らしかった。
VARが無い怖さ
余談その2。
この試合、VARの導入は無し。
そのため、ボックス内での相手のハンドだったり、相手のオフサイドの抜け出しだったりとジャッジに少しやきもきしてしまった。
VARが当たり前に浸透している時代にあって、レフェリーがそう決めたんだから仕方ないという感覚にはもう戻れない。
VARが担保してくれていた公平性を再認識させられた。
コパデルレイを主催するRFEF(スペインサッカー連盟)は23-24大会の際、VARはラウンド16から実施するとの声明を発表した。
これは4部5部といった下のカテゴリーのチームが多くいる中で、全てのスタジアムにVARルームを設置することが非常に困難という理由からだった。
この理由には一定の理解を示せる。
でもVARが無いことで、ジローナのPKはゴールを認められなかった。
(そのシーンから再生されます)
RFEFの方針が去年と同じであれば、次の3回戦もVARは無し。
点差のつかない痺れる展開は、どうかどうか今回限りでお願いします。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。