直販営業と代理店営業どちらを選ぶ?失敗しない営業組織の立ち上げ方
今回のnoteでは、B2Bビジネスで欠かせない営業組織の立ち上げ方にスポットを当てて行こうと思います。
私自身は法人営業として、SMB〜Enterpriseの経験を10年積みました。そして後半10年はマネジメントや営業組織の立ち上げに携わっています。
私の経歴は以下のnoteにまとめているのでご参照下さい。
そして最近、B2Bスタートアップを中心に、自社プロダクトを直販すべきか代理店に売ってもらうべきかご相談頂くことが増えています。
私はどちらの経験もしてきたのですが、多くの組織で失敗しやすいポイントがあるのでご紹介いたします。
直販営業のメリット
直販営業のメリットの代表的なものは以下です。
営業担当が商品知識をダイレクトに習得でき、それをお客さんに伝えることができる
価格のコントロールがやりやすい
顧客ニーズを直接確認することができる
メーカが顧客リストを直接得て把握することができる
製造業では珍しい、直販営業のキーエンスの事例
代理店営業のメリット
代理店営業(パートナーセールス)メリットの代表的なものは以下です。
パートナーの既存組織や販売網を活用して、効率的に販売できる
自社で新たに市場を開拓する場合に比べて、コストを抑えられる
スピーディーに検証しやすい
パートナーが業界で有名かつ信頼されている場合、そのパートナーが扱う製品も信頼されやすい
スマニューの代理店営業の事例
私が知る限り、代理店営業で最も上手くいっている企業がスマートニュースです。
未上場なので売上高は開示しておらず詳細は控えますが、私が在籍していた頃は営業人数がたった二桁にも関わらず、驚異的な売上を叩き出していました。
少ない営業人数で高い売上を叩き出していた要因の一つが代理店営業です。
スマートニュースに限らず、媒体社は代理店営業のモデルを採用することが多いですが、同社は代理店との連携を強固にして急成長を実現していました。
広告業界の商流は複雑で、広告主と媒体社との間に2〜3の代理店が入っていることが多々あります。
理由は、主要メディアの広告枠をまとめて買い取って再販しているメディアレップの存在があったり、大手企業を中心とした広告主は多種多様なチャネルを活用するので自社で運用することが困難だったりすることが挙げられます。
広告業界は代理店の影響力が強く、直販だけでは急成長を実現できないという背景があるのです。
直販営業と代理店営業、どちらを選ぶ?
直販営業と代理店営業はそれぞれメリット・デメリットがあり、「どちらを選んだ方が良い」ということは一概に言えません。
しかし、「営業組織立ち上げ時にどちらを選択した方が良いのか」という問いに対しては明確な解があります。
自分で売り方が判らない商品を他人は売れない
営業組織立ち上げ時は、小規模でも良いので自社で営業組織を構えるべきです。
何故なら、自社で売り方が判らない商品を代理店が自社以上に売れることはないからです。
私も過去に大失敗をしたことがありました。
新規事業を垂直立ち上げする必要があり、自社では営業管理のリソースしか持たず、営業そのものを丸っと代理店にアウトソースしてしまったのです。
その結果、顧客の声が判らずプロダクト改善がクイックに行えなかったり、代理店の売上進捗が悪いのが、営業力の問題なのか提供しているサービスが悪いのか正確に捉えることが出来なくなりました。
プロダクト改善なんて悲惨なものです。
データを元に仮説を立てて行うわけですが、顧客の声を聞いていないのでデータを読み違えると検討違いな方向に行きます。
そして大抵は見当違いな結果に辿り着きます。これは知っておいて下さい。
営業組織立ち上げ時のプロセスがめっちゃ大事
以上のことから、営業組織立ち上げ時は必ず自社で直販営業を構えた方が良いと断言します。
何度も言いますが、自分達で売り方が判らない商品を他人は売れません。
代理店営業のモデルを採用するなら、直販をした上で取り入れるプロセスが王道です。
そして成長期に入っても、直販営業の組織は小規模でも良いので必ず残すべきです。
スマートニュースの営業組織立ち上げ機は、代理店の営業マンも社内に常駐し、社員と同じ環境で一緒に事業を創っていったと聞いています。
それは当時、広告事業を立ち上げた川崎さんの人脈と人望で成し遂げられたことですが、初期から代理店営業を採用するならばここまでやる必要があります。
業績が良い時・悪い時の要因が、自社で顧客の声を元に把握できる状態を維持することが継続して業績を上げる秘訣です。
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