あるPvPで実現したかったこと
1. 日本のマーケット環境を考えて、レベル差/レアリティ差ははっきりと出る。
2. 腕で10レベル程度まではひっくり返せる
ゲームデザインのコンセプトで、RPGとゲームのバランスはここだと、決めたってこと。
RPGは蓄積が効くが、蓄積勝負になってしまうと、時間を投入したヤツに勝てないことになる。だからある程度の蓄積は戦略や戦術で、ひっくり返せるのを目標に設定したのだ。
これを実現するためにはどうすればいいのか?
たいていの人が戦闘の計算式と思っているものは、だいたいにおいて
ダメージ = 攻撃力-防御力
どっちにもゴタゴタとパラメータはつくが基本的にはこの形だと思う。
この式でバランスの取れたバトルにするには一つ大きな前提がある。
それはレンジが馬鹿げていないことだ。
レンジが大きくなると、100-1とかになり、まるで歯がたたないとか、逆で相手にもならないになる。
だからバランスの取れたバトルは差が大きくないことが必須になるが、RPGは10から始まって250、実に25倍なんてレンジを持ってしまうのは当たり前だし、F2Pでは4ケタレンジも当たり前だ。
それでもPvEでシングルプレイなら初期の敵は一撃で殺せて気持ちいいなあ程度で済む。
問題はPvPバトルだ。
相手が10レベル離れているとレベル差が効いて、プレイ目標のレベル差を腕でカバーするのが非常に難しくなる。
跳ね返すために強化魔法や属性で補正する方法と言いたくなるが、レベルが上の方が手数が多いのだから格差を広げる道具にしかならない。
といって数字に上限をつけると、今度はインフレしていくと上限を広げるようなおかしなことになるし、やはり戦術でカバーできているとは言えない。
つまりレンジが広いゲームデザインで、ダメージ計算に最初に挙げた式を使うのはレベル差を埋めがたいものにするので、腕前が効くようにしたいなら止めたほうが正解だ。
ではどうするのがいいのか?
コントロールする方法の一つに攻防比がある。
攻防比は攻撃:防御で比率を取って、その比で計算式を求める方法だ。
これは古いボードゲームで使われていたゲームデザイン技術で下は「1000 VS 1000」ぐらいから「1万 vs 1万」が激突するような大きなスケールまで扱わなければならないときに使う方法だった。
アナログボードゲームの時代には、攻防比には1:1と10000:10000が同じ結果になる大きな欠点があったが、今はコンピュータがサポートしてくれるのでテーブルを間に入れて計算すれば、それは調整できるし、グラフで式を作って計算する方法もある。
なので、攻防比を使うことにした。
というように、そもそもの計算式が、どういう特性を持っているのかとか考えることもゲームデザインでは大事だ。
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