見出し画像

ランニングすることでボランティアができる!伴走ボランティアって知ってますか?

ソー写ルグッド株式会社では、20件撮影を受注するごとに毎に1件のプロボノ撮影を行う「20-for-1プロボノ」という取り組みを行っています。

今回はプロボノ撮影の第一弾として、知的障がいを持つ子どもたちと一緒に、水泳やランニング、音楽活動を楽しむNPO法人アクアリズムの代表理事・岩崎貞二さんに、日々の活動内容や運営資金、思い描いている“これから”についてお話を伺いました。

画像2

■NPO法人 アクアリズム

1. 設立のご経緯を教えていただけますか?

2001年に当時20代の女性が設立しました。発足の経緯は聞いていませんが、その方がプールの指導経験をお持ちだったことから、障がい者の指導をしてみようと考えたそうです。

そうした経緯もあって、初期の活動内容はスイミングのサポートがメインでした。水に顔をつけたことがない方を含め、泳げない方を泳げるように指導すること。そして自分の力で泳げるようになった後は安全を見守り、一人ひとりに必要なレベルの介助をしています。現在は木曜日の夕方2コマと土曜日の午前・午後の合計5コマ。1コマあたり1時間の活動内容となっています。

画像3


2. プールだけでなく、ランニングの活動支援もされていますよね

ランニングは土曜日の午前中に目黒区内の公園を走っています。私自身ランニングが趣味で、ある日家のそばを走っていたときに会員さんの保護者とお会いして、「岩崎さん、一人で走ってるならうちの子どもと一緒に走ってくれません?」──というところから伴走ボランティアが始まりました。

ランニングは一定の距離を一定のペースで、継続して走れるようになるのが目的です。1キロ6~7分ほどのジョギングペースで走れるようになれば、伴走・見守りにシフトしています。ランニングのボランティアは陸上経験者だけでなくジョギング愛好家も多いので、障がいがあるお子さんたちも刺激されたのか、1キロ4分半という本格的なペースで走れるようになった人もいますよ。

同じく保護者の声から生まれた活動としては音楽活動があります。いくつかの曲目の歌唱とハンドベルなどの演奏ができるように、ボランティアがサポートしながら一緒に楽しんでいます。

画像4


3. 現在の会員数とボランティア数を教えてください

スクリーンショット 2021-01-25 18.16.02

※2020年12月1日時点

会員である障がいのお子さんたちは、小学2年生から40代まで、ボランティアは高校生から70歳を超える人まで幅広い年代の方々に参加いただいています。お子さんたち、ボランティアとも、まずは体験参加していただいて、継続的に参加することを希望すればそれでOKです。

ただ会員数を増やしすぎるとボランティアが対応できないため、会員は毎年数人の参加枠しか設けていません。一方でボランティアには定員枠はありませんし、会員に入会を待ってもらっている現状を鑑みると、定期的に稼働してもらえるボランティアをこれからも増やしていきたいと思っています。

画像5

画像6


4. 保護者の方からはどのような声がありますか?

「休日を過ごす貴重な場所になった」「新しい趣味ができた」「泳いだり走ったりする日が来るとは思わなかった」という声をいただいています。私たちもお子さんたちの《できること》が増えていく過程に立ち会えるのがなによりうれしいですね。

障がいの方も高校生までは通っている特別支援学校で体育の時間があります。しかし、卒業すると一人ではスポーツをできない方が多く身体を動かす機会が少なくなります。また、学校やご家族だけで目を行き届かせ、上達させていくのはとても難しいです。教えることに慣れた人間がボランティアをすることで、障がいの方一人ひとりの成長度合いが大きく変わってきます。

意思疎通を図る上での難しさはありますが、焦らず、じっくり、ご家族と協力しながら伝えていく努力を続けています。

画像7


5. 他にどのような活動をされていますか?

今年度は新型コロナウイルスの影響もあってほとんど実施できていませんが、例年であれば運動会、1泊2日の合宿(カヌー、スキー、海水浴など)、ランニング・プールの記録会などを行っています。

合宿については、保護者だけだとハードルが高いところ、つまりボランティアスタッフがいないと行けないところにしようと考え、毎回少しだけ難易度が高めの場所を選んでいます。アクアリズムの創立10周年のときはみんなで伊豆大島に行きました。プールではなく自然の海で泳いでほしいという思いが叶い、お子さんたちもご家族もとても喜んでくれました。

画像8

画像9


6. 活動資金はどのように集めているのですか?

基本的には会員からいただく参加費をボランティアの交通費や施設代、諸経費にあてています。ただ、ボランティアが交通費を辞退することがあるため、そのお金を別途キープしてまとまった金額が必要なときに使っています。また、合宿を行うときは共同募金から毎年30万円を支援してもらい、参加者の負担を軽くしています。

NPO法人を運営していると、どうしても活動資金の問題に直面します。幸いにしてアクアリズムは会員が多く、資金が困窮しているわけではありませんが、障がい者サポートを行っている他の団体にできることはないかと考え、NPO内に補助金制度を整えました。

これは世界規模で活動している民間奉仕団体キワニスクラブからの助成金をベースとしています。実際にこの制度を活用して、当NPOでランニングボランティアをしていた女性が、障がい者向けのサッカー教室「OluOlu」を立ち上げました。

●キワニスクラブ

●OluOlu


7. 今後の活動予定をお聞かせください

「OluOlu」のように、同種団体の立ち上げ支援を続けていきたいと考えています。ボランティア団体を新たに立ち上げるには、想いだけでなく入念な運営計画が必要です。会員やボランティアをどうやって集めるか、運営資金はどうするのかなど、私たちの経験からサポートできる部分はけっして少なくないはずです。

首都圏などの近隣であれば、アクアリズムのボランティアがお手伝いすることもできますし、先に挙げた補助金制度を利用していただいたり、公的なサポート制度を紹介することもできるでしょう。私たちの活動を見学していただくのはいつでも歓迎ですので、ご興味がある方は気軽に相談してくださいね。

画像10


8. 【取材後記】取材・撮影を終えて、ソー写ルグッドが感じたこと

言わずもがなですが、ボランティア活動には継続性が大切です。ただ、一過性のものとして、単発で活動が終わってしまうことが多いのも事実。難しい課題です。そうした中で、アクアリズムさんのようにランニングやスイミングのサポートなど、日常生活に組み込みながら続けていけるボランティアさんもあるということを知ってもらえたらうれしいです。


取材協力:ライター 筒井健二 


*この記事を読んで「プロボノ撮影してほしい!」というご希望がある方は、ぜひご連絡ください。社会課題に関心のあるフォトグラファーさんも募集中です。お気軽にお問い合わせください。

ソー写ルグッド株式会社:https://socialgoodphotography.com/
お問い合わせ:info@socialgoodphotography.com

いいなと思ったら応援しよう!