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入院患者からアーティスト輩出!?
改めて、継続の大切さを知る。
毎月、カンボジアのウドンにあるジャパンハートこども医療センターで、アートのワークショップのボランティアを行っている。
対象は、小児がんの子どもたち。
そんな、ジャパンハートでワークショップを行っていた時に、私の似顔絵を描いてくれた女の子がいた。
彼女の名前は、スレイリアップちゃん。10歳。
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彼女が描いてくれた似顔絵は、帽子が特徴的!
ベレー帽が、くるりと曲がっていてカワイイ。
お腹には、日の丸。まるでオリンピック選手のようだ。
とっても、似ている。
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彼女の病名は、横紋筋肉腫 (口腔横紋筋肉腫)。
遠いバンテイメンチェイ州からはるばる来て、入院をしている。
入院歴も長く、最初のワークショップに参加してくれている数少ない患者。
多くの子どもは退院していき、ワークショップの参加の顔ぶれも日々変わっていく。もちろん、中には亡くなってしまう子どもたちもいるのが現実だ。
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そんな中、スレイリアップちゃんの治療は上手くいき、無事に退院する予定のようだ。
ちょっと、一安心。
そんな彼女が、ある日突然、大量の絵を見せてくれた。
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驚いた!
迷いのないライン、個性的な目。
そのユニークすぎる女の子たちの絵は、おしゃれ雑誌のイラストのようだ。
色もイイ。
まさに、個性の塊のようなイラストの数々!
ワークショップ外の時間でも、絵を描き溜めてくれていたようだ。
もう、感動しかない!!
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より綺麗に描くために、ホクロは付け足してあげたとのこと。彼女のセンスに脱帽!
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何を書いたのか聞いてみると、お世話になった日本人インターン生や、カンボジア人のD先生。そして、インターネットで見つけたキャラクター。家族。
そして、もっとも多かったのが自画像だ。
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ちゃんと許可を取って、病院の入り口に貼られている絵も、スレイリアップの自画像!
自画像と言っても、抗がん剤で髪の毛のない今の自画像ではない。
大人になった、未来の姿。
綺麗な黒髪に、金髪。
「将来は金髪に染めたいの?」と聞くと、「そんなことはない。」と、はにかむ。
ちょっと背伸びした、憧れの大人の姿。
そんな絵をたくさん描いていた。
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自分は描かれていない。
元々は、『象』を描こうと、描き始めたが上手くいかず、家族の絵に変更したんだとか。
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絵も上手いが、いつも明るく、元気に見えるスレイリアップちゃん。しかし、横紋筋肉腫の治療は大変だったようだ。
幼いのころに一度摘出手術を受け、その後に再発。二度目の手術の際にガンだとわかり、今回ジャパンハートの病院にくることになる。
癌は口の中にできていたので、一時期は息をするのも難しい時期があったらしい。
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そんな中での、月一回のアートのワークショップは本当に楽しみに感じてくれていたようだ。
いつも本当に楽しそうにしてくれた。彼女の病名を知るまでは、私にはあまり彼女が病気だということを感じさせないほど、元気に見えていたのだ。
アートワークショップを、やって良かった。
ジャパンハートがあるウドンまで来るのに毎回タクシー代往復で70ドル近くしている。その上、ソーシャルコンパスのメンバーにワクチン接種までして、今までワークショップボランティアをやってきた!!このコストが、ちょっとだけ報われた気もする!
続けて良かった。
そんな、彼女も無事に退院。
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しかしバンティアミンチェイに帰っても、絵を描く紙すら手に入らないらしい。
だから、我々ソーシャルコンパスから、ささやかながらマーカーと画用紙をプレゼントした。
病院の中では、液体類の持ち込みが禁止されていたので絵の具は使えなかった。いつか彼女の住んでいるバンティアミンチェイでも、絵の具を使ったワークショップもやってみたい。
そして是非、アートコンテストWhiteCanvasにも応募して欲しい。
医療の現場では、本当に細やかかもしれない我々の活動。アートの力を、もっと信じていけたらと思う。本当に嬉しい彼女の絵だった。
追伸.
このような『医療とアート』の活動のきっかけをくれたのが、NPO法人あおぞらの医師・嶋岡鋼先生だった。そんな、嶋岡先生がカンボジア僻地の赤ちゃんのを救うクラウドファンディングを実施中!応援よろしくお願い致します。
(文・中村英誉)
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