SDGs絵本13『健康と福祉はエンタメで』

健康や福祉といえば医療。そのイメージだろうか？
おなかには短絡的に赤十字。そして、なぜだかお化けのQ太郎を連想させるデザインに、医者のコスプレをさせただけ。

元々のSDGsの目標3すべての人に健康と福祉を のデザインは、健康や福祉なのになぜだか不謹慎にもお化けというキャラクターだった。

SDGs 目標3すべての人に健康と福祉を と世界遺産を組み合わせで調べたのが『病院』だった。イタリア・バルセロナには、世界でもっとも美しい病院と呼ばれるサン・パウ病院が存在する。

サン・パウ病院とはスペインのバルセロナにある病院で、1997年、カタルーニャ音楽堂とともにバルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院としてユネスコの世界遺産に登録された。この病院では2009年まで診療がおこなわれていたが、老朽化のために閉鎖された。その建築は世界遺産のため、修復が進められている。

そんな、世界遺産の病院というこれ以上ない題材なのだが、サン・パウ病院のキャラクターデザインは手が進まなかった。サン・パウ病院はとても美しそうだが、ぱっと見は病院の特徴もないので特徴が掴めなかったのかもしれない。

サン・パウ病院は、世界的に有名なサグラダ・ファミリアから徒歩10分の立地。ちなみに、ネットで調べるとサグラダ・ファミリアのキャラクターはいるようだ。名前は不明ながら、なんともアンコールワットのワッティーを彷彿とさせる。

ちなみに、スペイン語のキャラクターは既に作ってしまっているので、カタルーニャ語。しかし「ありがとう」はスペイン語と同じ「グラシアス」らしい。

個人的には病院に行くのが苦手。できるならば、家で寝て直したいタイプだ。病院というのが違う気がしてきた。それに改めて考えてみると、健康と福祉のイメージが病院のイメージがしっくりこない。

そんな気がしてきた。

ギリシャ神話にアスクレピオスとい名医がいた。

太陽神アポロンの息子で、あまりの名医で死ぬはずだった人間まで生き返らせてしまうので、冥界の王ハーデースが“世界の秩序（生老病死）を乱すものとして、全能の神ゼウスに抗議した。そしてゼウスはそれを聞き入れ、雷霆をもってアスクレピオスを撃ち殺してしまったのだ。

だが、それもあまりに理不尽。。。アスクレピオスはその医術の功績を認められ、死後天に上げられてへびつかい座となり、神の一員に加わえられることとなった。

そんなアスクレピオスのトレードマークは、蛇の巻きついた杖。それは医療・医術のシンボルマークとなり、WHO（世界保健機関）のロゴマークの由来にもなった。

そんなアスクレピオスの故郷が、ギリシャにあるエピダウロスだ。『アスクレピオスの聖地エピダウロス』として世界遺産（文化遺産）に登録されている。

紀元前4世紀に最盛期を迎え、アスクレピオス神殿を中心に、医療・入浴施設や野外劇場・音楽堂などを備えていた。多くの病人がここを訪れ快癒を願った場所だったのだ。

とはいえ、医療施設といっても古代ギリシャ人は病気というのは肉体と精神のバランスが崩れるのが原因で生じると考えていた。だから、重視されていたのは「癒し」や「リラックス」。ということもあり、劇場だけでなく、浴場やら、スタジアムまである。病院ではなく、まるで癒しのエンターテイメント施設のようだ。

健康と福祉のイメージはこちらの方が、ぴったりくる。癒されて、笑顔で作り出す健康。

目標3すべての人に健康と福祉をと世界遺産のキャラクターは、アスクレピオスの聖地エピダウロスのDr.アスクレーでどうだろう。

ギリシャ語で、ありがとうは『エフハリスト パラ ポリ(Ευχαριστώ πάρα πολύ)』だ。長い。

Dr.アスクレーの蛇の杖を振れば、どんな病気もよくなり、笑顔で溢れるだろう。Dr.アスクレーと杖の蛇は、世界中の人々から「ありがとう」と言われるのかもしれない。

笑えば病も治り、病が治れば笑顔も増える。エンタメ的なパワーで世界を健康にしてほしい。考えを巡らすだけで、ワクワクだ。

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