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WhiteCanvasカンボジア2021シルバー賞受賞作品【SDGs×ART×ASIA】
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絵画と版画の融合!?
半立体作品。
WhiteCanvas運営として、(今のところ)絵画のコンペディションとしている、この作品をノミネートしていいものか一瞬悩む。
制作したのは、シェムリアップ州出身のPhy Phorn氏(26)。
「他の誰も作らない作品を作りたかった。」
Phy Phorn氏は語る。
新聞を固めて作られた『蓮の花』は、カンボジアの象徴。
カンボジアの伝統や、美しさを表現する手段としての半立体の手法は、決してアイデアだけの小手先のものではない。
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Phy Phorn氏は、昨年のWhiteCanvas2020でも2作品がノミネート。
確かな絵画技術で、一般部門でライフ賞を受賞している。
プノンペンの寺院で暮らしているPhy Phorn氏が被写体として選んだのは、同じく『蓮の花』と仏様のイメージだ。
赤と白と作品は、どちらかを選ぶことができず、両作品のノミネートとなった。(ライフ賞受賞は白い方。)
Phy Phorn氏の作品も現在、熱海のACAOリゾート内で展示されている。
購入についてはこちら。
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Phy Phorn氏とアートとの出会いは10歳の頃。
シェムリアップにあるアートスクール『Small Art School』が、Phy Phorn氏が住んでいたクロバイリエル村で行っていた出張授業だった。
『Small Art School』こと小さな美術スクールは、世界遺跡アンコールワットのあるシェムリアップにあるカンボジアの子ども達のための無料の美術スクール。
元都立高校美術教師の笠原知子先生が、カンボジアの子ども達へ「一度きりの子ども時代を心豊かに過ごして欲しい」という思いから設立された。
クロバイリエル村での出張授業は、週一回が5年ほど続いた。
それ以降も、もっとアートを学びたかったPhy Phorn氏は『Small Art School』に通うことにする。
自転車で往復2時間。
始め頃は、週に一回。
段々と通う回数が多くなっていく。
「絵を描くことを仕事にしたい」
アートの道を真剣に志し始めたのだ。
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7人兄弟の6番目に生まれたPhy Phorn氏は、決して恵まれた家庭に生まれたわけではない。
2012年頃に母親、2016年には父親を亡くしている。
現在、兄弟たちは各地に散らばり、働いている。
そんなPhy Phorn氏が選んだのが、プノンペンだった。
『Small Art School』から奨学金という形で支援を受け、プノンペン王立美術大学建築学科進学する。
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『Small Art School』の校長でもあるチウ・ヒーア氏とともに、住むところを探す。
そして見つけたのが、現在も住んでいるプノンペンの寺院だったのだ。
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「絵を描くことを仕事にしたい」
その思いから、『建築』を選んだとPhy Phorn氏言う。
4年間プノンペン王立美術大学の建築学科で学び、昨年2020年からはプノンペンにある建築会社で働き始めた。
とはいえ、決してアートの道から外れたわけではない。
プノンペンにある現代アートコミニティ『SaSa Art Project』の助成金も受けて、現代アートにも触れてきた。
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『សេរីភាព(Freedom)』は、現代アートの考え方も強く反映されているようだ。
そして、この作品はWhiteCanvas2021のシルバー賞を受賞する。
圧倒的な半立体の作品の存在感は、WhiteCanvasの審査員も唸らしたのである。
カンボジアの村に生まれながらも、大都会プノンペンに移住。
情熱だけでアートを志すPhy Phorn氏を、今後も応援せずにはいられない。
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