読書活動支援者研修(相双教育事務所)
1 今、伝えたい震災の記憶と教訓 ~私たちが語れること~
講話 テーマ:「崩壊と創世の狭間で」
講師:NPO法人富岡町3.11を語る会 代表 青木 淑子 氏
(1)講義:伝承を未来につなげる「語り人」としてのあり方について
ア はじめに
・自己紹介(NPO法人 富岡町3.11富岡を語る会を立ち上げるまで)
・語り人活動と学校教育との関連
イ 「崩壊と創世の狭間で」
◆テーマの説明
◆原子力災害によって富岡町がどうなったかを時系列にそって説明
・原子力災害は物が壊れない(目に見えない)、人がいなくなる。
・「すぐ帰れる」想定外(=都合のいい言葉)
・情報を的確に得ること、正しく伝えてほしい、正しく怖がる、情報のコントロール
・関心を持ち続ける
◆富岡町町民が受けた影響
◆避難所の運営で感じたこと(死者を出さないために)
・知らない人とコミュニケーションをとれる人、その場コミュニティ(3人または5人の仲間)を作れる人
◆原発避難者の選択
・帰るor帰らない・・・町の帰還後、帰る人、帰らない人との間の溝
・家を壊すor壊さない・・・長年、放置された家がまだ町中に残っている
・人の苦しみは見えないからこそ理解できる人でありたい
◆最後に
・原子力災害によって一番奪われたものは、人とのつながり
・心で受けた放射能は下がらない
・人の感性は錆びない、変わらない
・聞いたことを語るのは語り人
・知ってもらうために語り人
・復興に必要なのは「人」
2 意見交流会
・相馬市は津波被害が大きかった。孫を避難所に迎えに行ったことを思い出した。その時の担任(遠藤主任)の先生にもお世話になった。双葉郡も帰還している町村が増えたが場所によっては、駅 の周辺だけが栄えている。(住める)11年経ち、震災そのものを忘れている。どう伝えればいいの か、話してはいけないことだと思っていたこともある。今後、自分は年をとるしいなくなる。こ の話は伝えなくてはならない。今後の双葉郡の育成のためにも(放課後子ども教室スタッフ)
・語りたいけど言えないことだった。子ども達に話すと「聞いたことある」という反応。県内は、震災前と震災後という言葉を使うが、他の地域は、そういう分け方はしない。情報を得る大切さを感じた。(学校図書館関係)
3 ビブリオバトル ~本のことを人と話すのは楽しい~
(1)「ビブリオバトル」とは?
・ビブリオバトル概要
・ルール説明
・ビブリオバトルの良さ
・気をつけてほしいこと
(2)シンポジウム「こんなふうにやってみました~ビブリオバトル事例紹介~」
・いつ行ったのか(授業中、休み時間等)
・対象は?
・発表までにどのような指導(準備)をしたのか。そのための手立て(方法)は
・バトラー、観戦者の反応は
・その他
(3)フリートーク
・実践してみて上手くいったことや課題
・参加者の変容(成長)、周りの変化(読書量の変化)など
(4)質疑応答
Q:ビブリオバトルで紹介された本が、好評で貸出数などが増えたことから、読み聞かせに生かせるよう発表本を教えてほしい(リスト化してほしい)
A:ぜひ、読み聞かせ団体の方でもビブリオバトルにチャレンジし、チャンプ本を読み聞かせ活動に生かしてほしい。
4 プチビブリオバトル体験会
(1)デモンストレーション
◆バトラー 主任社会教育主事 遠藤 隆一
◆解説 社会教育主事 猪狩 香奈
(2)プチビブリオバトル体験会
◆司会 須賀川市中央図書館 司書 小針 望 氏
◆バトラー
・南相馬市立中央図書館 主任司書 佐藤 真紀 氏
・富岡町立富岡小学校 教諭 小熊 真奈美 氏
・南相馬市立高平小学校 学校司書 込堂 小百合 氏
・時間は発表3分、質問2分で行った。
・投票も行い、短い時間ではあったがビブリオバトルの実際を感じることができた。
5 成果・課題
○新型コロナウイルス感染拡大防止対策を十分に行った上で実施した。受講者の積極的な参加に感謝する。
○何よりも対面で研修会が実施出来たこと。今回は、出来るだけ受講者とのコミュニケーションをとりながら実施することを念頭にいれ計画を立てた。受講者からオンラインでは得られないものがあったと感謝の言葉をいただいた。
〇高校教諭、高校の学校司書の方も参加があった。新たな繋がりを構築することができた。今後の研修を考える上で、高校関係者のことも踏まえた内容を検討していく可能性がでてきた。
〇直前にバトラーの変更がでてしまったが、お世話になっている中央図書館の佐藤さんに研修会前日に引き受けてもらった。日頃の繋がりの大切さを感じた。
⚫新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、当日になって欠席者が出てしまった。資料だけでも欠席者に渡せるような工夫が必要だった。(渡せた欠席者の方もいる)
⚫シンポジウムをやってみたが、シンポジストの方とのコミュニケーション不足でフリートークの盛り上がりにかけてしまった。