読書感想文_002_法人営業系
読書感想文、第2弾は2月くらいに読んだものの記録です。先日の感想文を読んでくれた友人から、「イチオシ名ゼリフ」を入れたらもっと面白いんじゃないかという案をいただいたので、入れてみました。第1弾にも追加済み。
本の概要
タイトル:THE MODEL
著者:福田康隆
初版年月:2019年1月
読了時間:2時間×3日くらい
感想
買った理由:現在の会社で、法人営業部隊の業務効率化を目的としたデータ活用の案件にジョインすることになり、一応ドメイン知識として法人営業の活動管理方法や、データを用いた受注予測モデルなどがどのように行われているのかを知っておきたかった。すでに他社や業界で行われている「当たり前」がなんなのか、そこでどのようなデータを管理しているか、どう活用しているか、それを整理し、会社の現状を当てはめる作業をしたかった。そこで、その辺りに詳しそうな方に、参考書籍をいくつか推薦していただいた中の1冊がこちらである。
得られたこと:これまでのキャリアで、なんちゃって法人営業をしていた時代があるので、リード獲得からリード育成、商談、受注の流れは体感はあった。でもSFAを精緻に使うような職場ではなかったため、全体のプロセス管理の観点がなかった(だから読もうと思ったわけだ)。本書籍では、パイプラインという形でプロセス管理をシステム化しており、商談相手の属性と行動によるスコアリングや、次のステップに進めて良いかの判定ロジックと計算式で、予測を立てていることがかなり詳細に紹介されていた。
私が本を読みながらやったことは、一つ一つのプロセス管理のフェーズ分け、その中で何の情報をもとに判定しているかの項目、判定基準の考え方を紙にひたすらメモることだった。それが後々、スプレッドシートの壮大な表になっていった。
また、受注後のカスタマーサクセス業務として行うオンボーディング、導入支援(計画立案サポート)、活用促進、フォローアップ、アップセル・クロスセルの流れも整理されていた。これも大体の流れや何をしているのかを書き出して、後々スプレッドシートを埋め尽くすことになる。
Next Action
Nextというか、もうやってしまったのだが、上述したようにSaaSプロダクトの営業プロセスのパイプラインを書き出して、スプレッドシートにまとめていった。まとめたのは以下の項目。
1. 書籍に書かれていたパイプライン(セールス&カスタマーサクセス両方)
2. 社内にある営業マニュアルに書かれているパイプライン(同上)
3. 書籍内に登場したKPIとその計算に必要なデータの列挙
4. 3のうち、自社サービスで取得しておりDBにありそうなデータの列挙
5. 3にあって4に出てこないデータ(取得できていないデータの列挙)
6. 多分取得は難しいか精度が悪いがあったら良いなと思うデータ案
これをまとめて、プロジェクトオーナーと、どのフェーズの何を予測するべきかを擦り合わせした。また社内で使えるデータが何があるか、どこで参照できるかも確認して、基礎分析を行った。
基礎分析を行ったあと、営業現場の人にサマリーと結果チャートを見せてみて、肌感としてどう思うかをヒアリングした。結果、社内のマニュアルに書かれている推奨行動を行っているかどうかが、統計的に処理したデータでも表われてそうだという結論になり、今もプロジェクトは継続中である。なぜこれをやったかというと現場の人の感覚とあまりにも乖離したものは高度なことをやったとしても使われないからだ。これも書籍に書いてあった。つまり、現場の人に気持ちよく動いてもらうためのコミュニケーションツールとしてのデータの在り方、伝え方、その姿勢について、この書籍にはあらかじめ教えてもらえたような気がしている。
イチオシ名ゼリフ
「測定できないものは管理できない」