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Q-SACCSで地域の見える化しませんか?
Q-SACCS(キューサックス)という地域診断マニュアルがあるのはご存知でしょうか。
これは発達障害のある子どもと家族を支援するためのツールで、正式には「発達障害の地域支援システムの簡易構造評価」といいます。
これは自治体の支援体制を「見える化」し、自治体の発達障害支援について、強みや課題を明らかにし、支援体制を点検するものです。
この文章だけでは難しそうな話ですが、支援体制について関係者が地域の「日常生活レベル」「専門家レベル」「医療レベル」の支援機関(フォーマル・インフォーマル問わず)どれくらいあるか話し合い、表にするものです。
Q-SACCSの良いところは、行政・医療・福祉・保育など、様々な関係者が話し合いを行うことで自分の範疇では知らなかった社会資源が知れる、また着手はしているが、まだ支援体制として弱いところがわかる、着手できていないところなど、自分たちの支援体制が表で目に見えてわかるところにあります。
実際、やってみると、自分たちの自治体は公的機関が支援の中心にいると思っていましたが、意外とインフォーマルな支援(個人やボランティア)も多くあり、そういった支援者が下支えをしていることがわかったり、医療機関が足りていないことで、支援が滞ってしまう可能性があることがわかりました。
このQ-SACCSですが、発達障害支援以外にも多くの場所に使えるものだと思っております。例えば介護・教育・ボランティア育成・孤独孤立支援など、主課題を変えることで、多くの地域課題に関する支援体制診断ができるのではないかと思います。
Q-SACCSでは市区町村の支援体制についての地域診断のため、行政職員が話し合い(ワークショップ)に参加しないと細部まで話し合うことができませんが、職場で自分たちの関わりのある支援機関の再確認や個別ケースの支援機関の確認と今後利用できる可能性のある支援などにも使えるツールではないかなと考えております。
研修でのワークショップに困っている人は一度、Q-SACCSを調べて見てはいかがでしょうか。
文責 新井まこと