混迷の就活時代?採用担当として2024年を振り返る
採用実績にこだわれ?という指示に違和感
私の上司という立場にいる部長がよく口にする『採用実績に拘った活動をしてるか?』という言葉に、違和感しか感じない採用担当19年目のわっき〜です。仕事をする上で、計画を達成するための目標があり、それを達成するために日々の業務、行動がある。という基本は大切です。
会社の経営計画というモノがあり、それを元に事業部門ごとの目標が作成され、その目標を達成するための事業計画が作られていて、その事業計画を達成するための事業部で戦略計画があって、必要な人材が割り当てられる。
その中で社内の異動も含めた人事戦略が立てられ、新卒採用の計画が立案される。というのが、一般的な採用計画の立てられ方である。その中で現場から要求される専門知識、スキルを持っている学生さんを採用するんですよね。もちろん、各事業部門の部長の方から要望が上がり、部門の長である本部長から採用要求人数が出されています。
私の上司である採用担当部長からすれば、各本部長から出てきた数字は、必達すべき数字目標だ!というのでしょう。
採用人事の部署は確かにそうかもしれません。でも、本当に本部長から出された人数って必要なんでしょうか?ってことの裏を取ってますか?っていう事をいつも疑問に感じます。
担当部長に言わせれば、本部長が決定した人数なんだから、必要なんだよ!と言いますが、現場の人たちに個別で話を伺うと、そうでもないことがあったり、逆に足りてない。っていう現場があったりするんですよね?
現場の人が欲しい人材を確保すること
本部長から出された情報だけで学生と対峙するのではなく、まずは本当に現場が欲しい人材のスキル、人柄などをヒアリングして、人材を欲しがっている部署の所属長さんの人柄とか性格から、どのような人材を採用したらよいか?ということを自分なりに考えて、イメージを持って採用活動に入るようにしている。
そうすることで、採用して入社したあとに職場の人間関係でのミスマッチの減らすように心掛けている。配属予定部署の目星がつけば、そこにいるOB、OGもどういう人がいるということも分かるし、配属先での業務の中で関係しそうな社員も分かるので、そこに合致する学生さんはどんな人なのか?ということもハッキリするので、学生さんとお話をする中で、色々なことを質問できるし、学生さんの受け答えを聞けば、現場に適してくれそうかどうか?というのは、ある程度分かるものです。
ただ、これは採用担当を19年も継続してやっているからこそ、できることだと自負しています。
普通の会社は、ジョブローテーションで採用人事担当を長くても5年とかで異動になってしまうことが多いと思うので、配属予定部署の上長との人間関係などなく、現場が本当に欲しい人材の詳細までリサーチできないだろうし、いろんな部署で働くOBやOGとの繋がりとかまでを考えた採用を継続的に行っていくことは難しいと思います。
あくまでも選択権は学生にあるということ
さらには、会社説明会で対峙する学生さんとの雑談の中で、学生さんのことをどれだけ引き出せるか?ということも大切になってきます。普通の採用担当者は会社のことをアピールします。それが仕事ですから、当然です。
私も採用担当者として、会社の良いところをアピールしなさい!と言われれば、できますよ。でも、そこに注力はしません。
学生さんには申し訳ない書き方になりますが、正直「会社で働くことの大変さとか、仕事の素晴らしさを言葉で伝えて、伝わるものではない」と思っています。それは、何でもそうですけど、マラソン選手がマラソンの楽しさを知らない人に、マラソンの楽しさを理解してもらおうと説明しても伝わらないのと一緒。サッカーを見て、辛そう!って言っている人たちにサッカーを勧めることが難しいとの同じだと思っているので、会社の良いところも千差万別ですから、とりあえず、来てみて、感じて、採用試験を受けるかどうかを決めて欲しい!という伝え方をしています。
「説明会から選考に来るか、来ないかを決めるのは、あなたです!」
「あなたにとって、ここがベストな会社だという会社に出会って欲しい」
「それが当社だったら、とっても嬉しいですけど、それを決めるのは私ではない。そう(学生である)あなた自身です。よく考えてからでも大丈夫です。もし良かったら、来てみて!」
どんな学生さんにも、こういう話で最後は締めくくっています。
それが進路を決める学生さんにとって、とっても重要な選択だからです。
人生の選択を他に委ねるのではなく、自分で決めることの大切さ
今、まさに就職活動に励んでいる皆さんは、「そんな簡単じゃない」というかもしれません。そう、人生の大事な選択となる就職先を決めるのは簡単なことではありません。でも、これからの人生において、そんな選択の機会は沢山あります。これまでの人生の中で、もちろん高校受験、大学受験という中で、様々な選択をご自身でされてきたと思います。
自分で人生を歩んできたという人も、就職活動の時に一度冷静になって、自分の将来を見据えた選択をして欲しいと思います。
今まで学んできたことを活かしたい。
好きな業界、業種で働きたい。
もちろん、大切な選択の方法です。そうではなく、自分が社会人として働き続けた結果60歳、70歳ぐらいで会社勤めを引退するころにどんなふうになっていたいか?というところを想像して欲しいんです。
どこでどんな暮らしをしていたいですか?
家族は?子供たちは?孫とかいるかな??
社会に貢献する仕事がしたいということを語る学生さんも少なくないけど、少子高齢化が進む日本の中で、日本国民として「社会に貢献する」ってどういうことなのか?っていう発想で考えてみて欲しい。
自分たちが高齢者になる頃の日本はどうなっているのか?
そういう中で自分がどうやって生きていくのか?
答えは人それぞれ違うと思います。
別に答え合わせをすることが目的ではありません。
自分が学生という立場から、社会人になるということの意味を考えて欲しいです。その中で、自分がどういう会社で働くことがベストなのか?を考えることが重要なんだと思います。
他人と同じである必要はない。
私自身、特殊な人間だと思っています。高校生ぐらいまではそんな自分がキライだったというか、周りの目ばかりを気にしていました。
でも、大学に進学した時ぐらいから、他人と違うことで差別化ができている。他人が苦に思うことを、苦だと思わない自分だからこそできることがある。ということに気づいたんですね。
時代が違うので何とも言えませんが、大学4年間で就職活動なんて全然してませんでした。どこかしらで働けるわ!って、何処かで思っていた自分が居ますし、大学4年間大好きなサッカーを思う存分楽しんでいました。
結果として、自分の希望の就職は叶いませんでした。
その当時は悔しかったですよ。でも、結果として、自分の希望の就職が叶わなかったから、今の奥さんと出会い、結婚して、3人の子宝にも恵まれたと思っていますし、自分の希望していたJリーグのチームへの就職が出来なかったけど、そのおかげで、子供たちのサッカーを思う存分応援できた。そして、今はJリーグのチームをスポンサードする方の立場で、Jリーグのチームを応援し、Jリーグのチームと一緒に社会に貢献するような活動も出来ている。サッカーの裾野を広げる立場として大好きなサッカーに携わっている。
自分の経験をもとに、今就職活動を頑張る皆さんに考えて欲しい
自分は採用担当として仕事をする中で、目標人数を達成するかどうか?はそんなに重要ではない。というのを昔から思っています。
採用した人が、当社で輝いてくれるかどうか?当社で実績を積み上げて、ステップアップしてくれるかどうか?採用した人が、この会社で良かったです!と言って貰えるかどうか?がすごく大事だと思っています。
そのために、自分が出来ることは何か?と考えた時に、人生の少し先輩である自分の失敗例、成功例を伝えて、就職活動で頑張っている人、悩んでいる人たちの何かヒントになることが一つでもあればそれで良いと思っています。その中で、学生さん自身の中で何か大きな柱となるものが見つかってくれたら嬉しいな。と思いながら、採用活動を続けています。
その結果、今年は優秀な学生さんを4人も採用することができました。採用目標は5人ですが、充分な4人を採用できたので、私としては大成功です。
2026年の採用もボチボチ頑張っていきます!