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放送席から見たサッカー日本代表の進化論 山本浩

本日紹介するのはこちらの書籍でございます。

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元NHKサッカー実況担当、現在は法政大学教授の山本浩さんが書かれました。

「サッカー放送歴35年。五輪、W杯の現場を見続けた実況のカリスマが日本サッカーの道のりを解き明かす」
「サムライはどこまで世界に近付いたのか」
という見出しが付いています。

著者は東京外大を卒業後、NHKに入局(1976年)、福島放送局に配属。
スポーツを主に担当するようになったのは1985年。
日本代表が1986年ワールドカップメキシコ大会出場を目指していた時期だそうです。
当時の監督は、1968年メキシコ五輪で銅メダルを獲得した森孝慈さん。

NHKはまだまだサッカーに対する取材体制が整っておらず、いつも大手新聞社の記者の雰囲気に気圧されて選手に質問もできなかったため、他の記者が聞いた質問を黙ってメモして帰るという事もあったようです。

ここから先は時系列に日本サッカーの事(日本代表&Jリーグ開幕)、
そしてNHKのサッカー報道に対する姿勢(資金&ハード面)について書かれています。

一番印象的だったのは、1998年フランスワールドカップにおけるアジア予選と、本大会についてです。

結果が中々出ない加茂監督、更迭の話が急に沸いたサッカー協会、
新監督に就任した岡田さん、ジョホールバルの歓喜、惨敗した本大会..............。

日本代表というチームが苦難の末、初めて世界へのチャレンジ権を得、そして世界との差をまざまさと痛感させられました。
そのシーンを選手の立場ではなく、取材の現場から、実況担当者という立場から語られている本書は非常に価値が高いと思います。

本書はこのまま2018年のロシアワールドカップを目指すハリルホジッチ監督がアジア予選を戦い始めるところまで書かれています。

本書では、その後の顛末を予想するかのように、
サッカー協会の体制が原(現Jリーグ副理事)&下田(現レノファ山口)から、
西野&山本体制に交代した事について「心配な点」として書かれている事です。

私は著者の先見性の高さに驚きました。
その後については皆さんがご存知の通り、ハリルホジッチ監督はロシアワールドカップ開催直前に解任され、西野氏が監督に就任しました。
結果的に日本代表チームはベスト16に進出し、この国におけるサッカー人気の高さをさらに見せつけてくれました。

やはり現場でしか分からない「何か」というものが存在するのだなと思いました。
どれだけインターネットや情報が発達しても、現場の空気感というものは現場にいる人にしか分からないという当たり前の事をh、本書から学びました。

これまで様々な監督が日本代表に就任し、日の丸を背負い、選手とともに戦ってくれました。
取材現場から見たトルシエ、ジーコ、オシム、岡田、ザッケローニ、それぞれの仕事っぷりについては非常に参考になりました。

以上です。


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