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ドイツとアメリカの車事情

ドイツとアメリカ。

両方とも車大国だ。

でも驚くほど二つの国の車文化は違っている。

<アメリカの特色>
アメリカはSUVの国だ。基本はSUV。

フォードはセダンの生産を止める事を表明し、GMもセダンのラインを大幅に絞っている。ともかくセダンは売れず、SUVが売れる。それがアメリカ。

SUVはやっぱり、乗りやすい。そして車内がでかい。

スイスイと物が積めて、高い視線で運転できる。運転しやすい。

自分もSUVに乗っていたから、その良さは良くわかる。

そして、もう一つ。

アメリカの車文化の最も異質な特色がトラックだ。

これはアメリカ以外のどの国にもない。本当にワンアンドオンリー。

おそらく多くの人はご存じないと思うが、アメリカで一番売れている車(出荷台数ベース)はトラックなのだ。商業系ではない、普通の人が買う車の第一位がフォードのFシリーズだ。

これが1年間に100万台近く売れる。そして販売台数2位も3位もトラックになっている。それがアメリカ。

人々がトラックを買う理由は決して、ものを積むとか、日曜大工で必要とか、そういう訳ではない。

大きなトラックに乗って「強そうに見せる」ことがアメリカ人の男にとってのステータスだからだ。

ステータスだから、トラックはどんどん高価になっている。内装や装備のラインがどんどん豪華になっているのだ。

F150の最高級ラインは1500~2000万円くらいになる。

「俺は強い男だ。金も持ってる」

それを表明するアイテムがトラックなのだ。

つまるところ、それがアメリカの成功の価値観になっている。

そしてアメリカではやっぱりアメ車が幅を利かせている。

アメリカという空気の中ではアメ車がすごくフィットするのだ。

アメリカに行く以前にはフォードとかGMの良さはまったく分からなかったが、アメリカにいるとフォードなんかのデザイン言語が凄くアメリカの空気に合っている。

近年はそこにテスラが殴り込みをかけているが、それはいつかまた別のところで。

<ドイツの特色>
ドイツに来てびっくりしたのが、SUVの少なさだ。

ドイツは基本がセダンの国だ。

これにはびっくりした。

セダン、ハッチバック、クーペ。

ともかく車高の低い車が道路を牛耳っている。

いや、もちろんSUVも走ってますが、比率が日米と比較して圧倒的に低いと思う。

これはなぜでしょう?

やっぱり、アウトバーンでぶっとばすときの安定性に優れるから?

ドイツ人がセダンを選ぶ理由はよくわからないが、ともかく未だにセダンが市場を牛耳る国。それがドイツ。

そしてメーカーはやはり圧倒的にドイツ車が強い。

VW、BMW、メルセデス、Audi、Skodaなどなど。
(AudiとSkodaはVW傘下)

Ford、GMはほとんど見かけない。そして日本車も少ない。

ドイツ系の次にくるのは韓国系な気がする。その次にフランス系か?

ドイツで車に乗りながら生活していると、なんとなくドイツ車が強い理由が分かってきた。

自分は社用車のBMWの5シリーズにのっている。出張などもあり、車での移動も多い。アウトバーンに乗ることも良くある。

ドイツに来て初めてアウトバーンを運転して、その速度にビビった。

本当に多くの車が180㎞/hくらいのスピードでぶっ飛ばしている。

もちろんすべての車がその速度で走っている訳ではない。大体3割くらいの車が「ぶっ飛ばしている」感じだろうか。

自分もドイツでの運転に慣れるにつれ、少しづつこの速度に慣れてきた。そうすると、100~140㎞くらいのスピードがだんだん遅く感じるようになる。

そして、140㎞を超えるくらいから、車の実力がすこしづつ見えてくる。

日本車にもドイツ車にも乗ったのだが、140㎞~180㎞あたりの速度でのドイツ車の安定性は日本車やフランス車とくらべてレベチだ。

もう、まったく通常運行。ピタリと車体が安定し、ふらつきも感じない。

この辺りの速度は、日本車だと少し不安を感じる時がある。

ドイツ車は180㎞を超えるあたりから、ようやく「ちょっとがんばりますね」くらいの感じが出てくる。それでもまだ余裕がある。

なるほど、ドイツ人がドイツ車を選ぶ理由は、これだ、と思った。

ドイツの道路で移動するという事を考えたとき、ドイツ車の安定性や安全性が必要になってくるのだ。

だからドイツ人はドイツ車を買う。これが私の仮説だ。

逆に言うと、ドイツ以外の国でドイツ車に乗るのは、意味が無い気もする。

ドイツ車はユーザーが200㎞/h以上で移動することを前提に作られているのだから、その速度で走れない国で乗っていても・・・という気がする。

いや、それにしても車っていうのは地域性があって面白いですね。

これが フランスやイタリアに行くとまた雰囲気が全然違う。それはまたどこか違うところで書いてみます。








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