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サッカーはやめてしまったけれど その3【サッカー部を作ろう】
なくなってはじめて分かるありがたみ。
2020年の正月高校サッカーで静岡県勢がアベック優勝した。Jリーグが出来てからずいぶんと様変わりしてしばらく低迷していたものの、1980年代は静岡県といえば『サッカー王国」と呼ばれていた。その時代にあって伊豆地方はサッカー不毛の地。残念なことに田方郡以南の中学校にはサッカー部がなかった。
サボり屋さんでまともに練習しなかったサッカー少年の僕は、サッカーに触れることがどれだけ自分にとって大切だったのかを、サッカー部がないことで初めて知ることとなる。仕方なしにバレーボール部に入ったが、不良が多い先輩達と折り合いが悪く、まともに練習したことが無かったし、よくバックれた。
何とかしたいと思って《サッカー部を作ろう》という活動をしたことがある。募った仲間達を引き連れて、担当の先生に掛け合った。新年が明けた頃だった。答えは「今はその事を決める時期じゃないから、新年度が始まったら出直して来い」だった。。何の知識もない中学生の僕は、素直にその言葉を信じ、春が来て、いま一度その先生のところへ出向いた。すると
「今ごろ来ても遅い、サッカー部は作らない」。
騙された。まだ幼い腹わたは煮えたぎった。ぶつける先のない怒りは、バレーボールを蹴飛ばして発散するしかなかった。それにしてもよくグレなかったなぁ。
今になって思えば、もっとやり方があったはず。だからなのか、不思議とその先生に恨みはない。けれど、無いことに不平不満を漏らすより、自分の手で創り出すことが何よりも大切だと、ずっとずっと長い間心にとどめているのは、この時の経験が未だに生きているからだと思っている。つづく
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