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食事のエネルギー〜屋久島の写真家・伊藤秀海展のあとで

 旅するスーパースター、蕎麦宗です。

少し前になる。屋久島在住の写真家《伊藤秀海しゅう》さんの写真展が三島・根継ねつぎ商店にて行われた。根継商店は木工に関するアンテナショップで、工房や展示場も併設する興味深い場所。運営は沼津市に本社がある(株)平成建設。この企業は平成11年に《職人大工集団を主体とした平成建設の内製化システム》にてグッドデザイン賞を受賞したことを皮切りに一躍全国区に名乗りを上げた、建築業界ではその名を知られる優良企業。
 で、そこを会場に開かれた写真展に行ったのは、写真家・伊藤秀海さんが蕎麦宗のスタッフさんの知人ゆえ。

 このSHU ITO写真展『龍息 – Ryuiki』2023は、屋久島が世界自然遺産に登録されて30年目の節目となるこの年に、全て屋久島で撮影された作品で、それらは根継商店さん作製の屋久杉フレームに収められ、まるで絵画を思わせる彼の写真の作風が、ピュアWプリント(株式会社昇寿堂)によって見事に醸し出される素晴らしいものだった。

 その伊藤秀海さんが、ありがたいことに会期中に蕎麦を食べに来てくれた。アーティストからの賞賛は実に嬉しいものだ。そして、それ以上の興味深い話を彼のパートナーさんから伺ったのでご紹介したい。それが表題の【食事のエネルギー】である。
 彼女は云う。

『蕎麦宗さんの蕎麦を食べて、もう今日は晩御飯いらないと思います。なぜって、とても高いエネルギーで満たされているからお腹が空かないと思う』

ん?って思って色々と話し込む中で僕自身の思考も加わり、なるほどな結論となった。
 当然ながら、食事は活動するためのカロリーや様々な栄養素を摂取するため。お腹が空くから食べるし、沢山食べれば満腹となる。ところが食事のカロリーとは別に満腹度が存在する、それが彼女の云うところの心や魂に染み込むエネルギーが溢れた食べ物なのだろう。
 アーティストのパートナーという豊かな感性の持ち主だからこそ気付く事なのかもしれない。しかし、僕はエンプティフードという逆のアプローチからそれを理解した。例えばファーストフードやスナック菓子。どれだけ沢山食べたとしても、仮に数値上の栄養素を全て満たしたとしても、何故だか全く満腹も満足もしない食事がある。そうそれは、きっとエネルギーを持っていないからで、だとすると、同じ食べ物であってもエネルギーの高さは異なるはず。

 …と、そこでスピリチュアルヒーラーの愛守花さんから言われた事をふと思い出した。

『蕎麦宗の蕎麦はヒカリ輝いている。それは手から伝わっているから。だからそんなに魂詰めて打たなくてもいいよ。あなたが作れば、それでもちゃんとヒカリ溢れる料理になる』

正直言って、調理とくに蕎麦打ちは大変な作業だ。ちょうどその労働や腕の痛みに嫌気がさしていた時だったので、その言葉は福音だった。スピリチュアルの指すところのヒカリは、伊藤秀海さん達アーティストの云うところのエネルギーなのだろう。それを感じ取れる人には、喜びとなり満足満腹を産む。それならば作り甲斐があるというものだ。
 残念ながら現代の生活にはエネルギー=ヒカリの低い食べ物で溢れている気がする。せめて外食産業に携わる者として美味しいのはもちろんのこと、エネルギーの高い蕎麦や料理をこれからも作り続け、それが伝わる方々に届けたいなって思う。

ってわけで、明日もガンバラナシませう!

屋久島の写真家・伊藤秀海
切り立ての蕎麦
蕎麦宗の手打ち蕎麦

#エンプティフード #食べ物のエネルギー #スピリチュアル #ヒカリ #蕎麦 #伊藤秀海 #平成建設

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山川宗一郎
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