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蕎麦宗さんは計算が出来ない方なんですか?
旅するスーパースター、蕎麦宗です。
2023年の夏に価格の改定をした。それに併せてメニュー黒板は廃止して、新たにメニューブックを用意したのは19年目の大きな変更で、その空いた黒板には当店のコンセプトを掲げた。それが
【蕎麦で〆る〜美しこと丁寧なとき】
という文言で、その記事はこちらに書いた↓。
さて、そのメニューブックは《ひととてま》さんの力添えによるもの。パタパタと折り込んだメニューブックは、お客さん一人ひとりに持ち帰って頂くパンフレットも兼ねている。
で、これを、蕎麦宗・夜の部《navigazione(ナビ)》店主である弟・ユウスケが、常連の山田君にに手渡してお見せした時の話。
彼は学習塾経営をされている仕事柄、高いインテリジェンスに合わせ、捻ったウィットも面白い。メニューブックを見るなりこう言ったらしい。
『お兄さん(蕎麦宗)は、計算が出来ない方なんですか?!』
『ん?』
と一瞬目を丸くしてユウスケが尋ねたら
『だって高級蕎麦茶は500円はしますよね、先付けもお通しみたいなモノだから500円、蕎麦湯だって別立ての10割蕎麦粥なんだから500円でも安いくらいだ。…とすると計算したら蕎麦は500円しかしない。それって、この税込2000円って価格はおかしくないですか』
つまりは《お得過ぎる価格》だということをお伝え下さったわけだが、この話を聞いて僕は思わず唸った。賢い!その説明の仕方は洒落が効いた上に納得だ。
長いこと飲食店では食べ物以外は《タダ》という時代が続いてきた。例えばお茶や水はペットボトルで売っているのに無料。Yチェアなどの高級椅子や調度品・陶芸家の器だって本来はアップチャージがあって然るべきもののはず。
僕自身のマインドセットは随分と改善出来てきた。飲食業全般も日本全体も、そろそろ本格的にデフレ脱却を迎えたいところだ。
というわけで、『それらを全て合わせた価格ですよー、とってもお得でしょ!』と載せることにしたのが、今回の価格改定とメニューブック。
常連さんにはご承知おき頂くとして、それを高いと思うか?!安いと思うか?!の価値観は人それぞれ。店とお客様の素敵なマッチングを望みます。
さて、ウィットを過ぎてクレバーなイタズラ心を抱いた貴方に伝えておこう。
『蕎麦茶も先付けも蕎麦湯も抜きで良いので、手打ちそばだけを!500円で良いですか?』
と言いたくなったなら、満面のニヤけた笑みを添えてお尋ねしてみてくださいな!結果は如何に?ふふふふ、ガンバラナシませう。
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