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蕎麦宗店主の自転車クロニクル その3【初カスタム】

小学生になって身体が大きくなり、また、ちょっとした「男の子」な自尊心が、女の子みたいな可愛らしい水色のピンポンパン自転車を受け入れなくなっていた。

そんな息子の気持ちを察してくれたのか、親父が色を塗り替えてくれることになった。あの時代(昭和の後半)、とにかくなんでも直したし、本当に壊れて使えなくなる限り大切に使いまわしたものだ。よっぽどの金持ち家庭じゃない限り、色が気にいらないなんて理由で、まだ十分に乗れる自転車を買い換えるなんてあり得なかった。

親父はやるとなったらすぐ動く。日曜日を待って、一緒に近所の金物屋に出向いてペンキを買い、自分も手伝って刷毛で塗りたくった。
希望した色はシルバーだ。たぶん、その頃の我が家の「マイカー」が日産ブルーバードで、ガングレーメタリックのそれに憧れていたのだと思う。 親を真似るのはいつの世も同じだろう。

そうして、ピンポンパン自転車は人生初のカスタムを終え、僕は意気揚々と学区内や友達の家へと、自由の翼で出掛けて行ったのです。

#カスタム  #金物屋 #ペンキ #ブルーバード #自由の翼



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山川宗一郎
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