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『突風に飛ばされそうです!』とマヌケな実況中継する山登り
今はのんびりプ〜太郎、山川宗一郎です。
2025年のスタートは、元旦早々から思い立って山歩きをして始まった。それから10日余りのうちに6回登った。登ったといっても近所の伊豆の低山歩き、登山と呼ぶには仰々しい。
その一つに沼津アルプス。一番高い鷲頭山ですら392mなので、さほど高くはない。けれど、7峰5峠が連なり距離11km・総標高差は約1,000m。激しいアップダウンは100〜150mの落差があり、岩登りや鎖場まである本格コース。その険しさから沼津アルプスの名が付いたようだ。
入山ルートもたくさんある中から、新城尾根を選んだのが3度目。しかし、その日は平野部でも突風が吹く悪天候。登るかどうか迷ったけれど、灌木に覆われた山なので大丈夫だろうと決行。いやはや、でもけど甘かった。
新城尾根から縦走ルートに合流する付近で立ち往生。なぜって、風が強すぎて歩けないから。谷合から噴き上げる強風は、細くなった大平山と大嵐山の峰の間をさらに風速を増して吹き抜ける。
『ヤバっ、これ、下手したら飛ばされて滑落するな』
かろうじてウバメガシなどの枝木に捕まり、風の収まるリズムに合わせながら進んだ。まるで《ダルマさんが転んだ》のよう。場所によっては、尖った岩場がステゴサウルスの背中のような箇所もあれば、幅が1mに満たないの痩せ尾根の上も歩く。それも、マヌケな天気予報士がひっくり返る傘を持って実況する、あの台風を思わせる風の中で。正直言って阿呆は自分だ。
でも、僕はなんだか嬉しくなった。
『ああ!人間でいるからこそ、感じられるんだ!』
よくよく*ヒカリ(エネルギー体)達が言う。
『僕らはエネルギーでしか分からないからね』
この強い風の音も流れも、空や虹の色も、草木の匂いも……人間だからこそ味わえるものなんだ!
人間も、五感によって捉えたエネルギーの波動を、脳で変換して見たり感じたりしているにすぎない。つまり三次元空間の中で、物質として捉えているものは、全てそう置き換え可能と、現在の物理学ですら証明している通り。
標高が下がってもまだ風は強かった。舞い飛ぶ木の葉を避けながら、くっきりと浮かぶ富士山を眺める。雪は白く空は青い。
この地球を、自然の営みを、いつまで楽しめるのか。肉体があること、人間でいることに妙な嬉しさが湧いてきた日だった。ひょっとすると《魂》は、この感覚を味わいたいがために、わざわざ艱難辛苦の多い低次元のこの世界へと、肉体を借りて降りてくることを選んでいるのかも知れない。
*ヒカリ…物質としてでなく、エネルギー(波動)の集合としての存在。
*艱難辛苦… ひどく辛いことや困難な目にあって悩み、苦しむこと。
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